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pasta
Poveri ma buoni(貧しい でも おいしい)

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『Poveri ma belli(貧しい でも 美しい)』
もともとは50年代に大ヒットした映画のタイトルのようですが、1970年後半、若者向きアンダーウエアーの広告のキャッチフレーズとして使われていました。
イタリアに来て間もない、言葉も不自由だった自分にとって、このフレーズは、深く心に刻み付けられ今日に至っています。
下着姿の若い男女が、いたわるように抱き合っている写真も慎ましいモノクロだった。(1970年のはじめの頃の若い女の子の下着は、今のように露出的なものではなく、実にフツウのものだった気がします)

『Poveri ma buoni 』こそ、トマトソースのスパゲッティに並ぶものはないと思う。貧しい人から、贅沢三昧をしている人にまで、イタリア人全てに愛されているのが、このプリモです。

最も質素で簡単なトマトソースは?
「オリーブ油とニンニクを炒めて、トマトを加えて煮込んだもの」
と、これ又,分かりきった答え。

夏、南部を旅すると、家の前に腰をおろして、話に花を咲かせながら、トマトの茎や傷んだ箇所を取り除いている女達の姿をよく見かけたものです。なにしろ、一年分の自家製ソースの準備だから、結構大変なようです。奇麗になったトマトは大鍋でゆでられ、その後、バジリコひと葉と一緒にビンに詰められてカンティーナ(物置)の中に。

「スーパーの缶詰など、とてもとても」
なんだそうです。

ところで、上記のスパゲッティのパッケージもごらんください。
ヴォイエッリVoielliは、イタリアの最も伝統あるナポリの製品です。このプチネッラ(ナポリの道化師)のイラストは、ボクが描きました。オッホン!(笑)
デザイン事務所に勤めていた時のものです。
グラフィックは変わりましたが、イラストはそのまま。35年間も使われています。やっぱり嬉しいですね。(K)


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| けんじの自己流イタリアングルメ | 20:59 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート<あと85話>

星ムクドリ

ホシ328
おい、カロータ。ちょっと場所をはずしてくれんかね。
その鉢植えの虫たちをいただいていきたいんだよ。女房がハラすかせてんだ。まあ,取りあえず5匹くらいで我慢しとくからさ。
ダメだよ。この鉢にはバジリコとパセリの苗がいっぱいあって、きみらに荒らされたら、苗が全部ダメになっちゃうって、ボスはメッタ神経過敏なんだ。近所の物知りおじさんの助言で、食べ物を包むギンガミをぶらぶらさげたんだ。君達が飛んで来てうっかり触ったりすると銀紙ががさがさ音をだす仕組みになってるんだよ。ホシムクドリはその音がダイッ嫌いなんだって?ほんとうかい?ためしてみるかい?。

ちぇっ!ついてねえ。あの音はオレも嫌いだ。胃のあたりがしくしくするような、一日中が不愉快な気分にさせるんだ。人間はどうしてホシムクドリにこうも冷たいんだい?われわれが邪魔なのかい?オレ達は数日前にやっとここについて,2,3日ハネ休みしたから,今日から気を引き締めて働く気充分なのによ。虫も野いちごも空豆も去年の今頃ほど豊富でないのはどうしたことか?雨が多すぎたのかな?あーァ、とにかくとにかく長い旅だったよ。我々は北アフリカから何日もかけてたどり着いたんだ。まったくここも変わってないね。住めば都だ。近くのケーキ店の匂いまで同じだ。クリームの残りチチチッて舐めにいってたなあ。でもあの経営者はオレはきらいだ。ホシ599は殺されるところだったよ。ところでカロータには一年間、何も変わったことはなかったかい?

何も変わってないのが当たり前。そんなに目まぐるしく変わられたら生きるのも大変だ。昼寝だって落ち着いてできないよ。

カロータはちょっと年を取った感もするけどね。

イル テンポ パッサ(時は流れていく)

バルコニーから毎日外を見てるような生活じゃあ、オレだったら惚けてしまう。
たまには外にだしてもらえないのかい?

たまに・・・病院に予防チュウシャしにいくときだけ。

たったの一回かあ。これじゃあまるで籠の鳥だ。カナリアみたいなもんなんだな。

まあね、これも運命さ。ところでぼくの名前ちゃんと覚てるなんて、ホシムクドリって記憶がいいんだね。

そりゃあ、覚えているさ。ボスが『カローターっ』て呼んでいるのを毎日聴いてたからね。ネコって随分暇なんだなあ、ってホシ106と話していたんだよ。

ホシ106って?

オレの一番仲のいいホシムクドリだ。おっと、オレはホシ328だ。忘れないでくれよな。ホシ106は困ったときには助け合う相棒。ミルティッロが大好きで、ありかを探すのが抜群に巧い。もうすぐ起きてくるから紹介するよ。あいつ、夜はおそくまでぺちゃくちゃやっているから朝は遅いの。

きみら、夕方戻って来るとうるさいよねえ。いろんなこと報告しあってるんだろうけど、よくもあんなに話すことがあるもんだね。夜明けだってそうだもん。朝,起きたらまた議論の続きかい?

まさか。準備にいそがしいだけさ。巧く飛べるように羽の手入れをしたり、目ヤニをとったり、ホシ25はとってもきれいずきで時間をかける。あのザクロの木に泊まっているのはホシ34とホシ176、向こうの家のテラスの鉢植えで虫を探しているのは,ホシ249。奴らとは性に合わないので、必要なときしか口をきかないんだ。

ああ、ぼくには覚えれられないよ、えーとー、君はホシ382君。

ホシ328だよ、おれは。

この榎(エノキ)は小さいからたったの631羽だけの集合体だ。名前は覚えてしまうが似たようなのがいて、まちがえることもある。ホシ613とホシ22が瓜二つなんだよね、だからつい・・・夜はみないっしょだから楽しいけど、いいことばかりではない。ホシ88みたいにすぐ寝つけなくてうるさいのとか、ホシ67みたいに急に歌い出したりすつのもいるからね。ホシ559の寝言はすごい。素性の悪い奴もいる。ホシ70とホシ311とホシ209はずるくて嫌われもんだ。怠け者はホシ245とホシ13とホシ222とホシ291。喧嘩っぽいのはホシ512とホシ104ホシ441。ホシ29も手におえんことがある。カササギのようにドロが得意なのは、ホシ14とホシ521。オレが隠していた黄金虫の殻をドロしたのはホシ173だ。あ、ホシ266が起きてきたようだ・・・・さあ、仕事に出かけるかな。おっと、サッカーの国内リーグ戦では、どこが優勝するんだろね? あと1週間くらいでフィナーレなんだろ?

どうやら今年もミランらしいよ、ミランかユーヴェン。でもミランのほうが有利。

えエっ?やめてくれェ!おお、悪いニュースだ。

そうだとも、嫌なニュースだ。ミランが勝てば、愚かなファン達の花火は夜中までつづく。
ショックで大勢のホシムクドリが命を落とす。どうぞ、ユーヴェンが勝ちますように!(K)






| 猫.cats,gatti 100の足あと | 20:41 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート/ あと86話
tibi
チビが来た日

「パンがさびしかろうから、もう一匹もらうことにしたよ」

「本当なの? 小さなアパートで2匹飼うのは大変なことなのよ。勿論あたしはもらってくれるとありがたいけど」
「わかってるよ。でも、パンがひとりぼっちで可愛そうだから」
「いくらネコがかわいくても、出歩き、旅行は控えないってことね」

「そうだ!ネコのために自分の自由を犠牲にすることは絶対に考えられないさ」

というわけで・・・・

彼女直々に届けてくれたのがこのチビ。
同じ母親から生まれたパンとチビ。血を分けた実の兄弟である。

『よう来た。オレとお前のオフクロは同じだ。異父兄弟だよ。ニオイと眼と歩き方で、オレにはわかるんだ』
と、パン。なんてこと、ありうるかもしれん。

ちっこい!ネズミみたいだ。籠から解放されるやいなや、もぞもぞしていたのは数秒だけ。
飛び出すと室内をかけまわる。電気仕掛けのネズミのおもちゃ、ずばりそのものである。

雪のような白と淡いグレーのぶちで目が紫、童話に出てきそうなチビではあるが、行動はもっぱら『電気仕掛けのおもちゃ』。

「4匹生まれたけど、一番いいのをあんたのために残しといたのよ」
マリーナの自信もわかる。

チビは駆け回る。テーブルの下、椅子の上、段ボールの箱の中に飛び込んで、又出て来て走り出す。パンは追っかけ、噛み付いたり蹴っ飛ばしたり、飛びかかったり。しつこくしつこく、これでもかって。
ここはオレの家だ。まず、オレ様のテストを受けるんだよ。異父兄弟もへったくれもあるもんか。不合格となったあかつきにはオレに喰い殺されるか、それが嫌ならとっとと出て行け!

最愛のパンが別の猫に見えた。
隠されていた猫の習性。こいつ今までネコッかぶっていたんだな。
でも、ボクはちょっぴり不安を感じる。自分の知らなかった猫の一面を初めて見たからだ。

「このチビ、一度返したほうがいいのかもね。パンにいじめられっぱなしでは」

「待つのよ。動物の世界がどんなものであるか、あんたにもいいお勉強のときよ」

そして、マリーナは帰っていった。
日が沈ずみかけ、西日で赤く染まった我が家のサロン兼仕事部屋。

疲れ果てたチビ。
電池を使い果たしてしまったのか、突然コロリと倒れると何事もなかったように、もうスヤスヤ。

パンは1メートル離れたところにうずくまり、じっとチビから目を離さない。まばたきだってしない。
ながーい沈黙と時間・・・いつまで続くのだろう?

「オレ、もう寝ちゃうからな」
つきあっておれないよ。ボクはベッドに入るやいなや深い眠りに落ちた。

                 *
pan

翌朝、寝ぼけ眼をこすりながら寝室を出て来たときには、チビのことなどすっかり忘れていた。お腹を 空かせたパンが足もとにすり寄って来るはずであった。

サロンに入ってボクが見たもの・・・

仕事用椅子の上にパンとチビが抱き合うように、いたわるように寝ていたのだ。
二匹は眼を覚ましたが、起きて来ようとはしなかった。
かわいい!
パン愛しさゆえにもらった1匹、どこか覚めた気分で迎え入れた自分ではあったが。

チビはパンの顔にぺろりぺろり。
5回に1度はパンは答礼する。
チビはめでたく入居権を獲得した。

一晩のうちに成長したパン。貫禄充分だ。

『パンにいちゃんのこと、ボク、大好き』
『ワカットル 』 (K)

(けんじのひとこと}、翌日あさ、抱き合うようにして寝ていた2匹の姿は、今もって記念碑的な思い出です。でも、彼らとの別れの日は以外と早くやって来ます。思い出してもただ涙ナミダ・・・そのことはいずれ書きましょう。



| 猫.cats,gatti 100の足あと | 22:09 │Comments0 | Trackbacks0編集

INSALATA RUSSA  ロシア風サラダ

russa

ここでは、オリーヴ油浸けマグロの入ったサラダです。

生のニンジン、カリフラワー、セロリ、ピーマン、カブ、オリーブ、小さなタマネギなどが、酢水に入ったものが売られています。普段これはハム、サラミなどの前菜と食べるものです。

カッペリも数粒加えて、野菜を細かくみじん切りにします。

茹でてつぶしたジャガイモ、マグロ、マヨネーズをミックスして出来上がり。
野菜の酢、カッペリの味がほんわかとして、ちっとも重くなく、つい、たくさん食べてしまいそう。

ピエモンテの田舎の総菜屋さんは、自家製のものを売っていますが、自分の自家製のほがいい。野菜、マヨメーズ、ジャガイモの割合を好みに応じて作れるからです。K

| けんじの自己流イタリアングルメ | 09:00 │Comments0 | Trackbacks0編集

猫ショートショート<あと87話>


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バッハを聴きに

「もしもし,ケンジです。今、ミュンヘンに着いたばかりです。実は、洋服箪笥のドアがバカになっているのでネコが入らないようガムテープを張っておいたのですが、飛行機に乗ってしまって、ネコが箪笥の外にいたかどうか、確認しなかったのを思い出したのです。見て来ていただけませんか?」

「ややっこしいなあ。ひと言で言ってほしい」

「パンが箪笥のなかに・・・」
「閉じ込められてるってことだ」
「かもしれないって、言ってるんです」
「よし,分った。仕事に行く途中見ていくよ。安心したまえ」


「もしもし、ケンジです。今, チューリッヒに来ています。バルコニーにネコが出ていないかどうか、確認をしないまま閉めて来たので心配です」
「又ァ?いいわよ。すぐ見て来るわ。雨が降り出さない前にね」と奥さん。

「初めて動物を飼う人間に、そんなミスが起るのは当然だよ。汽車の出発が迫っていたり、タクシーがもう来て待っているとか、せっぱつまるとそうなっちゃうんだよね。私にも身に覚えがあるけど」

ネコを飼ったことがある旦那さんは理解を見せてくれた。


通りを隔てて住むこの家族との付き合いは、小学校の息子の絵の宿題を、たまたま見てやったときからだ。

「ニーノはとっても絵が上手なの。そうよねえ,ニーノ?ケンジに見せてあげたら?」

眼にあまる、イタリア的我が子賛美。
うちのおふくろはそんな表現はしなかった。グソク、トンジなどとしたためる時代だったもん。

ともかく絵の宿題でいい点もらったと両親に感謝されたり、日曜日に食事に呼ばれたりした。

「ときどき、ニーノの絵をみてやってね。うちの子、見込みがありそうかしら?」

すぐこうなんだ。

さあ、ねえ(この程度ではねえ)、でも喜んで。そのかわりネコのゴハン、お願いしますね)


               *


「またまた、ミュンヘンかい?いいご身分だ。今度もコンサートかね?」
「ええ、復活祭前夜の聖土曜日には『マタイ受難曲』が、カール・リヒターの指揮で演奏されるのです。これだけは、毎年絶に対欠かせない。もう3年間続けて聴きに行ってます」

「すごい!君はバッハの信望者だったな。バッハの無伴奏パルティータは私も大好きだ。ケンジと一緒に『マタイ』を聴きに行きたいくらいだよ」
若いときにチェロを弾いていたというご主人と、こういう話をするのは楽しい。

「とにかく、パンのご飯をやりに来てくださるので安心して行けます。でなければ、ミュンヘンまで連れて行かなければならなかった(笑)」

「連れて行って膝に乗っけてバッハを聴かせたら?パンもきっとバッハのファンになるわよ。それとも逃げ出しちゃうかしら?ウフフフ」
(何とも女房の方はレベルが低い)

「おもしろい!パンとバッハか。パッハッハッハ」
(こっちもそのレベルにあわせる)


「エサのことは全く心配ないが、そんなにパンのこと思うんだったら、もう一匹飼ったほうがいいよ」

言われるまでもなくそうなのだ。
以来、ボクはパンの弟のことを真剣に考えるようになっていた。(k)





| 猫.cats,gatti 100の足あと | 18:00 │Comments0 | Trackbacks0編集


ネコの額(ひたい)


hitai

「おくさま、これ、おすそ分け」

「あらーっ、立派なお野菜だこと!」

「宅の裏庭で出来ましたの」

「うらやましいわァ、畑があるなんて」

「まあ,お恥ずかしい、ほんのネコのひたいほどヨ・・オホホホホ」

             *

「先生、あのおくさん、自分の畑のことを『ねこのひたい』だって。どういうことですか?」

ニャガサ女史「とってもいい質問です。2人とも私の額によーく近づいて、感じたことを言ってごらんなさい?」

超幻覚ネコ「小さな小さな畑が眼に浮かぶ。野菜がいっぱい育っていて、花も咲いています。
あ、カボチャの花の中にハチが入って蜜を吸っています。白い蝶も飛んでいる」

ニャガサ女史「でしょう?素晴らしい経験をしたわね。ところであなたはどう?」

超嗅覚ネコ「コヤシの臭いがします」( K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 13:52 │Comments0 | Trackbacks0編集

PERA COTTA/梨のデザート
NASI
食いしん坊、自己流イタリアンです。
まだ、お腹空いてませんか?

小粒のナシを深めの鍋に敷き詰めるように配置し、リンゴ一個かその半分を隙間に入れます。

リンゴは甘みを出すためなので、砂糖は一切入れません。底に1センチくらいまで水を入れ,白ワインも少々。Canella(ニッケイ)もほんのすこーし加えると、コクがでます。

蓋をよく閉めて中火でごとごと煮るだけ。リンゴの甘さが加わって、とてもすっきりしたデザートが出来上がり。もちろん、冷やしたものをたべます。

写真のは、ちょっと煮過ぎた感じになってしまいましたが。

この類いのデザートでは。先に紹介したリンゴの他に、無花果、野生の桃などをするようですが、
その季節になったら、ご紹介しましょう。(K)

| けんじの自己流イタリアングルメ | 02:40 │Comments1 | Trackbacks0編集


ねこっかぶり


「ビヨー君(イヌ)は、ワンワン!ウーッって、僕らにはおっかないのに、飼い主のD夫人にはいつもおとな~しくて、お行儀いいの」

「ねこかぶってんだよ」
ねこっかぶり

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 00:00 │Comments0 | Trackbacks0編集


ネコ嫌いとネコ好き (3)

スミレ2

食事の合間も、本立て、飾り棚、アンティックの木馬や、壁の絵やがらくた箱まで, 舐めるように見ているスミレ。好奇心のつよい娘だ。これ、ネコ以上だ。

「スミレちゃん、何か興味あるもの見つけた?」

「あたしね、外国に住む独身男性のアパートってどんな所なのかしらって、興味シンシンだったの」

この子、どきっとさせるな。それで,我が家はどうだね、ゴウカク?
そんなヤボなこと、オレは聞かんぞ。

「これほど好奇心旺盛なスミレちゃん、猫が嫌いなんて不思議だね。好奇心は猫の本質なり。好奇心なくして猫と言えず。好奇心の強いスミレは猫の本質に近し」

「猫はスミレを好いている。きっと同類だと思っているのね。ただ,スミレはそれに気が付いていないだけ」
と、ラウラ嬢が意味深につけ加える。

「食事中なんだから、あまり変なこと言わないでちょうだい」
と言いながら、アサリのスパゲッテイ、生ハム、ゴルゴンゾーラまで,次々と平らげていくたくましさ。
スミレ、23才なんだって。(ラウラは26才)

                      *
「あれっ!」とボク。

「どうかしたの?」
「悪いっ。スミレちゃんのフォーク、曲ったのがいってしまったんだね」

「あっ!これ猫用なんでしょ?いやーっ」
いきなりフォークを投げ出すスミレ。

さすが敏感だね。そうなんだ。この付け根が曲ったフォークは猫専用のフォークなのであった。
ネコ缶から皿に移すときonlyのフォークなのだ。
テーブルを準備したのはそんなこと夢にだに知らないラウラだった。
そして、スミレのところへ。
これもネコとの奇縁?

さっそく、ボクはキッチンへ走り、別のを持って来る。
ハイっ、これ使って。

「猫用だったのね?そうだったのねっ」

しつこい!
「違うってば、お客さんにそんなのが行っちゃったから、失礼なことしたと思ったんだよ」

「ほんとう?」
「本当だ」

やれやれ、最後までスミレ・アクションに振り回された昼食ではあった。
だからつい、こっちも・・・

「スミレちゃん,もしかりにだよ、君が使ったフォークがネコ専用だったとしてもだよ。心配することなんて全くないんだよ。うちでは皿洗い器で70度の完全消毒。一緒にぶち込んで洗っているからネコ用も人間用もへったくれもないってこと。了解?」

「やっぱり、ネコ用スプーンだったのね。いじわる!」
しくしく泣き出したスミレちゃん。

ラウラは席を立って、親友の背後からやさしく肩を抱きしめる。そしてひと言、

「スミレノオバカサン」。(K)


*けんじのひとこと/スミレさんは今でもやっぱり猫嫌いなんだそう。旦那さんは動物好きだけど、愛妻のために飼わないのだそうです。

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 01:15 │Comments0 | Trackbacks0編集


猫嫌いとネコ好き 
 (2)

すみれ

翌日、ネコ大嫌いのスミレちゃんと超ネコ派のラウラ嬢を昼食に招待した。

「ネコがいるんでしょう?ねえ、外で食べましょうよ」
何を今さら!生ハム300グラムと大型アサリの始末はどうしてくれる?

「さ、勇気を出して。怖がるとかえってネコって苛立つのよ」
長い腕をしっかりと親友の腰に回して激励するラウラ。
勇気こそ、すべてを克服出来る唯一の武器なのだ。さあ,入って。

カロータの登場。
ラウラ、「おお、ステキなネコちゃん!サンレモの兄に見せたいわァ」

スミレ(震え声で)「何よ!このネコ、お化けみたい!」

殺風景なサロンのド真中に立ったカロータは、ボクでさえも見間違えてしまうほど威風堂々としていた。

あっ!カロータはスミレちゃんに突進、肩に飛び乗り,2メートル半の本立てにジャンプ,直降下して寝室へ。その間1秒。
「ああ、もうダメっ、ここでご飯なんか絶対イヤ!」

シャンペーンカラーの毛並みと、ヴェネツィアガラスを思わせる蒼い瞳・・・・
おせいじタラタラに慣れっこのカロータ、お化けみたいじゃん!に、きっとショックを受けたにちがいないのだ。

ボクとラウラはごねる彼女を、やっとこさソファーに横たえる。
「ほら、ネコは寝室に閉じ込めたからね。安しんして、食事出来るまで休んでてね」

ぐずついていたが2分後にはもう軽いいびきをたてはじめた。気分転換の早い娘,現代っ子なんだ、スミレって。
その間にラウラ嬢とボクは食事の準備に精をだす。

ところが、閉じ込められたカロータが黙ってはいない。
出してくれよーとニャーニャー、ギャーギャー、ドアをガリガリ。
うるっさい!スミレが又目さますじゃんか。

「出してやりなさい。スミレは熟睡してるから絶対に大丈夫ヨ」

ドアを開けるとカロータ、部屋を一直線に横切り、ピョンとソファーの上に。まず、スミレちゃんの頭の先から、しつこくじっくりと観察する。こいつよっぽどスミレに魅せられちゃったんだな。大のネコ嫌いがネコからぞっこんなんて面白い。

168センチはゆうにありそうな、しなやかなスミレの肢体に魅せられるのは人間だけじゃあないってこと。こんな美人、日本人会の本大売り出し『何でも1ユーロ』に行っても、そう簡単には出会わない。

カロータ、前足をみぞおちのところに乗っけて、顔、首の付け根のあたりをクンクン・・・重さがかかっているのにスミレは目を覚ます気配はまったくない。よっぽど疲れてんだ。今どんな夢みてんだろう?

カロータの鼻はどんどん下の方に移って行く。(以下省略)
最後はジーンズとソックスの間に垣間見える素肌に、首を突っ込むようにクンクン。

「スパゲッティ、もうそろそろよーっ」

ラウラ嬢の声が威勢よくキッチンから。
またカロータを寝室に閉じ込めた。

たった20分の仮眠なのに、スミレは生き返ったよう。
切れ長の瞳はしっとりと潤み、魅惑的で妖気さえ漂う。

「スミレちゃん、何か夢見なかった?」

「ううん、もうぐっすり。さすがイタリアのソファー、寝心地が違うわねえ」だって。(つづく)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 13:22 │Comments0 | Trackbacks0編集

猫ショートショート<あと92話>

ネコ好きとネコ嫌い (1)
  
おふろ

すらりとした大型日本美人のスミレさんと、
ボッティチェッリ型のラウラ嬢。彼女、もちろんイタリア人。

ラウラ嬢はイタリアのG銀行の東京支店勤務。
春の連休を利用して、大の仲良しの同僚スミレさんと里帰り、とのことだ。

イタリア語で話すとラウラ嬢、びしっと、
「おねがい。日本語で喋って!」
やる気充分、モーレツ・イタリアーナなのだ。プラス超ネコ派。今日は退屈しないぞ!

「過保護はだめよ。魚の骨まで取り除いて与えていたら、カルシューム不足で歯が全部抜けちゃったんですって、たった5歳でよ。サンレモの兄のネコがそうだったの」

我が家のカロータは自慢じゃあないが、カンズメ一筋。歯が抜けないための栄養は充分考慮されている。

「ネコが嫌う飼い主ってどんなタイプか知ってる?自分だけ美味しいもの食べる主人」

オレだってうまいものはめったに食ってねえ。生活は質素なんだ。

ラウラ嬢のネコ話はまだまだつきそうもない。
とっても参考になります。こういうお友達と時間を過ごせるなんてボク幸せです。


「あなた、知ってる?ネコだってお風呂に入れることができるのよ。体をタオルできっちり捲いて、お湯の中につけるの」

「エーっ!本当?」

「夢心地でうっとりとしているから、すぐにモミモミするの。数秒間の勝負ね。気が付いて暴れ出したときには、もう終ってた、ってわけ」

ネコ、入っちゃった!
ゆに、入っちゃった!
ネコ入った!入った!入っちゃった!

おもしろいーっ!あっはははは!

「でも、人間と一緒の入浴が理想的ね。だって、ネコちゃん、母親といっしょに入ってるって気分になるらしいの」

「いい加減に止めてちょうだい!」
いきなり叫んだのはスミレさん。

「聞いてて,気持ち悪くなっっちゃたわ!もう・・・」
フォークをカツレツに突き立てんばかりのスミレさん。レストランの中だ。

彼女、ネコ大ッ嫌い、イヌも嫌い、動物は何でもきらい!という、いっぷう変わったお嬢さん。
その超ネコ嫌いと超大好きが、職場でも羨まれるほどの親友なのだから、友情にもいろいろあるんだね。(つづく)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 11:08 │Comments0 | Trackbacks0編集

リンゴのオーブン焼き
rinngo

数日前、デザイナーの誕生パーティに呼ばれたとき、あるコピーライターの女性が作って持ってきたデザートです。
りんごまるごとオーブンにかけたしごくシンプルなものです。
水とワインを少々加えただけのものだが、ワインは甘口のマルヴァジア(Malvasia)を使ったとのこと。甘さにコクが出て、これが秘訣のようです。
物価もべらぼうに上がって住みにくくなった時代、手作りを持ち寄ってのパーティが多くなったようですが、余計楽しさはありますね。(K)

| けんじの自己流イタリアングルメ | 19:11 │Comments1 | Trackbacks0編集


初めて飼った猫、パンと命名す

パン

「今夜もすごかったのう。ワシゃあ、ほとんど寝とらんでの」
目覚めた父親がつぶやく。
ネズミ・オリンピックがすさまじい毎夜の頃の話。

思いあまった父親は、どこからか子猫をもらって来た。黄色の猫だった。

我が家は大連からの引き上げ家族。
父親の故郷、山口県の田んぼの中に我が家はあった。

二階建ての貸家である。
隙間だらけでネズミばかりか、青大将とかいう大ヘビまで、白昼に家の中をまかり通る、恐怖の一軒家であった。

怖くて怖くて、小学生のボクは、日中でも一人のときは家に寄り付かなかった。

猫はネズミ退治で大活躍、あっという間におばけのような大ネコに成長した。

このネコ、ネズミを食べて大きくなったんだ。気味悪るーい!
ボクに近寄ってくるだけでもゾーっとした。

ともかくネズミは全滅した。
やたらに怖がるボクのために、親父は猫のもらい手を見つけて、どこかへ連れて行ってしまった。

                  *
16年後。
ボクは美大を出て、F社の宣伝部で働くようになる。

四丁目の洋書店でアメリカの雑誌をめくっていたら、ネコの写真を見つけた。
まっ白で、毛がふかふかのペルシャネコ(子猫)の数ページ。

かわいい!
こんなキュートなものが地上に存在していたのかって、驚異すら。

その雑誌を買ってきて模写をしたり、ネコを抱く天使、ネコを抱く女の絵をたくさん描いた。
全て鉛筆画で白黒。
人間の顔はすべて宇野亜喜良調。アキラさんの大ファンだったのだ。

サラリーマン生活にピリオドを打ってイタリア・ミラノへ。

日本から訪れた写真家N氏と知り合い、彼がネコを飼いたいと言うので手伝っていたら、何となく、ボクもその気に。

「我が家に一匹いいのがいるわよ。」と広告代理店の女の子に言われて見にいった。

子ネコは母猫のふところに隠れるようにうずくまって寝ていた。
人間の気配でもぞもぞ顔を出し、パチっと目をひらいてボクを見た。

「こいつはとてつもない大猫になるぞ。見ろ、この太い脚を」
彼女のお父さんが無造作に抱き上げて、熱っぽく言う。
ボクも熱っぽくなる。
トラの子みたいに?
すっごーい。
「このネコ、いただいてかえります」

フツウの雑種だけど、目がビー玉のようにまん丸くて声が可愛い。
その日からボクは、子ネコにメロメロのメロ。

「自分が食べる物を与えればいいのよ」
彼女のお母さんが言ってたな。
料理をお裾分け。そして横にグリッシーニを2本置いといた。
グリッシーニって何?
たとえばボッキーみたいなものです。

でも、グリッシーニには口をつけた形跡がない。
電話したら、「あんたったら、なんにも知らないのね!」

ごった混ぜにしなければ猫は食べないのだと教えてくれた。
人間みたいにあっち食べこっち食べ、ワインを一口やって、またあっち食べ、とは違うのだということが初めてわかった。

名前を考えなくちゃあ。

『牧神の午後への前奏曲』ドビュッシー作曲。そのころボクを夢中にさせていた音楽。

牧神は昼下がりの木陰で笛を吹く。
牧神のことを確かパンと言ったんだよね。

パンか。いいぞ、決めた。


「この猫。何て名前?」
『ご飯にしようか、パンにしようかのパン!』
とは、在留邦人の友人(クラシックにまったく関心がない人たち)への説明である。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 10:30 │Comments0 | Trackbacks0編集




足

コンピュータ修理専門会社から派遣のパオロ君にはたまに来てもらってた。23歳。
とっても優秀なんだけどねえ・・・

「ムレちゃうから、靴(スニーカ)脱いじゃオーッと」
両足で蹴るように脱いだとたん、

「クッセーーェ!!」
大声あげたボク。

「これでも、毎朝ちゃーんとシャワー浴びてんだよ」
若さなんだ、これは? 朝だけじゃあだめだよ。昼も夜もだ。

窓辺でねむりこけていた我がカロータ(ネコ)。
むっくり起き上がって鼻をクンクン、ピョイと床に降りると、足くさパオロのほうへのっしのっしと・・・

「あ、猫が足の指(つけ根んとこ)なめてらあ。ウ、ウ、ウッ、ウッ、くすぐったーい! うわっはっはっは!」

「汚いっ!カロータッ、やめなさいっ!」

「いいじゃーん。足の指って人間の体のうちでいちばん味のついているところなんだってさ。
ウヒーっっっ、アユートー(たすけてーっ)!うわっはっははは!」

カロータ、さんざん舐め尽くしたあと、振り返ってボクをキラッと見て、今度はこっちへ近づいてくるのだ。
半腰になって逃げ出す体勢のボク。

「しーっ、しーっ!あっちへ行くんだ。
今日はオレに近寄るんじゃないの!(K)


*けんじのひとこと/イタリアでは習慣で、人の前で靴を脱いで素足になる人は少ないですね。だからこのパオロ君はちょっと例外。でも時代変わって世の中アッケラカンとしてきてるから、パオロ的も増えてるかも。



| 猫.cats,gatti 100の足あと | 12:24 │Comments0 | Trackbacks0編集


{ おばあちゃんと老ねこ }



ss

「日向ボッコくらい、心おきなくさせてちょうだいな」

なんの気兼ねも遠慮もなく、むくれて太くなった両足をなげ出して。

おばあちゃん、どんな夢見てるのかな?
モンディーナ(田植えの女)のころ、野生のルーコラを摘みに行って道に迷ったこと?
ハネムーンで、はじめてヴェネツィアに行ったときのこと?

年老いたネコちゃんには、おばあちゃんの膝の上、最高だね。

安らぎはふたりにとって最高のプレゼント。

でも、油断は禁物。
おばあちゃんも、老いたネコちゃんも、ボケないよう気をつけないとね。
ヒゲをひっぱったり尻尾を捕まえたり、ヒ孫の悪戯もたまにはいいかもしれない。

時代も変わってきた。
この頃はおばあちゃん達もハイカラになったし、足もむくれないでスニーカ。

屋根には衛星放送のアンテナがそびえ立っている。
おばあちゃんはソファーでソープドラマを見ながら、ときどきコックリ。

膝の上のネコちゃんも夢の中。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 12:22 │Comments0 | Trackback-│編集

北欧風ニシンのアンティパースト
何年も前に、北欧に住んでいたというイタリア人に習ったアンティパーストです。
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諸材料はーーー
玉ねぎの薄切り、レモンの皮の薄切り、月桂樹、粒胡椒、チョウシ(イタリアではカーネーションの芯と呼ばれている。
どれが欠けても困る絶対に必要な素材です。

そして、ニシンのくんせい。塩味の真空パックのものは、身が締まっていてよい。

容器の底に諸素材を散らすように敷き詰め、その上にニシンを敷き詰め、段々重ねでそれをくり返す。
砂糖水(甘さは人によりますが、ボクはほんの少々甘味が感じる程度に押さえています)を用意し、よく冷してから、すっかりおおわれまで浸して終わり。冷蔵庫に半日くらい寝かせること。

今晩のためだったら、午後一番には作業は終っていて欲しいですね。

ニシンの持つ塩っけと諸素材がミックスして、円やかな風味になります。
やっぱりこれも、大人のアンティパースト。

市販の瓶づめとは、天と地の差です。(自画自賛?!)

え?もっと美味しい食べ方をしっている?ぜひ教えてほしいものです。(K)


| けんじの自己流イタリアングルメ | 17:45 │Comments0 | Trackbacks0編集

Bufala(水牛の乳から作ったモッツァレッラ)

tt
我が家のすぐ近くに『モッツアレッレ専門店』ができたので、さっそくこれを。

buffara(水牛)のモッツァレッラです。

丸ごとの大きさは、大人のにぎり拳をふた回りも大きくしたくらい。
その存在感に圧倒されます。
味が濃くて敬遠する人もいますが、ともかく食べごたえ充分。

初めて食べたのは1980年半ばの夏、カラーブリアからローマへ、車で戻る途中の田舎のトラットリーア(小さな食堂)ででした。

注文したら一人分として半分に切ったのもを出されました。塩も胡椒もかけず、ガブッ。
周りの人もそうして食べていたので。
このフォトは、そのときのイメージを再現したものです。

これだけでお腹いっぱい。あとのメニューは省略し、コーヒーだけ飲んでおわり。

ひんやりとした薄暗い店から出たら、紺碧の空が目に染み焼け付くような暑さ。そのままローマへと車を走らせました。
のんびりとした、良き時代の思い出のひとつに、このブッファラがあります。(K)

| けんじの自己流イタリアングルメ | 11:40 │Comments0 | Trackbacks0編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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