上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- │Comment- | Trackback-│編集

『猫の写真とショートストーリィ』
迷カメラマン・EUROミャオミャオ撮り歩き/3


myao ken


ラメおばあちゃんの午後rame a

(小声で)「もしもし、おばあちゃん!
眠っているの?それとも懐かしい過去に思いをはせているのかしらん?」

「誰だい、お前さんは?」
「迷カメラマンです。写真をとるために、この暑い中をミラノからやって来たんですよ」
「ミラノ?聞いたことないわ。それ、トリノの近く?」

「・・・ンま、いいでしょう。日陰は気持ちいいですなあ」
「夢を見ながら午後を過ごすときが、最高のひとときなの、わたしには」

「おばあちゃんの写真撮らせてもらっていいかしらん?」
「オバアチャンってのはよしてちょうだい。名前はラメよ。目の色がRame(銅)のように輝いているからなの」
「じゃあ,その魅力的なラメの瞳も撮らせていただきますよ。ハイ、目をパッチリあけて」
「もともとこういう目なんだよ。この半開きは、セックスアピールのポイントだったの」


ra b


ra c

「ラメさんのシッポ、すてきなシッボですねえ」

「アリガト。この尻尾に魅せられて、何万、何百万の男(オスねこ)達がわたしの後ろについてきたの。あんな時代があったなんてねえ・・・今は蚊やハエを追い払うのに、せいぜい役立つくらいね」

「失礼ですが、ラメさんはおいくつですか?」

「覚えてないわ。・・・・そうねえ、たぶん12才くらいかしらね」
(サバ読むなんてやっぱり女だな。もう15才はとっくに行っているんじゃないのかねえ。)

ra d


ra e

「さ、日差しが強くなってきたから、家に入るわ。Bacio(チョコレート)をひとつ食べて、ソファーの上で夕方までお昼寝なの。また,明日撮ってね」
「どうもありがとう。お陰でいい写真が撮れたようで」

「嬉しいわ。じゃあ、さようなら。後ろ姿は撮らないで。もう自信がないの」(K)


スポンサーサイト

| 巡り会った猫たち | 21:07 │Comments3 | Trackbacks0編集

こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当ほうじょうです。今日のテーマは「写真うつりはいいですか?」です。ほうじょう、人から言われるほど写真うつりが悪いので写真にうつされるのがすごく苦手です。写真に写るのもやっぱり練習とかが必要なんでしょうか。結構~~な悩みです。みなさん、写真うつりはいいほ?...
FC2 トラックバックテーマ:「写真うつりはいいですか?」



ほうじょうさん、こんにちは。
そうですねえ、自分は写真写りはいいらしいのです。
よくそういわれますので。
でも、自分としては10枚中、1枚良いのが有ればいい方で、気に入らない(写りが悪い?)写真ばかりなのですが。
きっと、自分の、こうありたいと願う顔つきと、人がいいと思ってくれる顔と違うのでしょうね。

学生のとき、親戚のおばさんがボクの写真を見て、
『まあ、あんた、写真写りがスッゴクいいのねえ』と,言ってくれたので、ボクは嬉しかったのですが,その話しを聞いて、オフクロが妙に腹を立てたのを覚えています。
『あのひとは、ときどきバカなことを言う』ですと。
今、思い返して時々笑ってしまいます。

この原理からいきますと・・・ほうじょうさんは、実物は間違いなく写真以上ってことで、きっと素敵な方なのだと想像するのですが。(K)

| 小説とエッセイ | 18:20 │Comments0 | Trackbacks0編集

食いしん坊・自己流イタリアン

ピンツィモーニオ的サラダ
酷暑を吹き飛ばすビタミンC120パーセント

pin

暑いですね。今日は7月最後の日。
日中は雲一つない天気が続いているイタリア半島。
そこで暑さ惚けと食欲不審を吹っ飛ばすサラダを考えてみました。

イタリアのクラシックな生野菜の前菜・・・Pinzimonio と呼ばれるドレッシングをつけて食べるのがありますが、何のことはない、オリーブ油に塩胡椒を加えた簡素なドレッシングです。

チョーク型に細長く切った野菜(セロリ、人参など)を、思い思いにドレッシングにじゃボンとつけて、カリカリっと食べる,素朴な前菜です。

それからヒントを得て、少々手の凝ったものを。
野菜アイスベルグ、ラディッキオ、キュウリ、花が落ちたばかりの若いズッキーナ、フィノッキオ、トマト,ピーマン何でもござれ。
(この写真に人参が入っていないのは、暑さ惚けのために忘れてしまったためです)

特別参加として、じゃがいもの茹でたものと、梨(ウイリアムス)を加えました。
ゆで卵ではありきたりになるので、ここではじゃがいもに登場してもらったってわけです。

ウイリアムスはイタリアではチーズと一緒に食べるので、ここでご登場依頼。

さて、ピンツィモーニオ風ドレッシングはちょっと凝ったものを。
こってりしたオリーブ油、塩、胡椒の他に、レモン、アンチョピとニンニクをほんの少し、バジリコ、をミキサーにかけたものです。

野菜は大切りにしてあるので、自分で皿に取って,ドレッシングをかけます。
それぞれの野菜の風味を別個に味わいながら食べる良さがいいです。
青シソ、バジリコなどといっしょに食べると、また変わった風味も楽しめます

その後は・・・・
唐辛子がうんと入った『0lio,Aglio,Peperoncinoのスパゲッテイ』を、ハーハーしながら食べるのは、いかが?
これで、少しでも暑さを吹っ飛ばせたらいいのですが。(K)

| けんじの自己流イタリアングルメ | 20:15 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫・ショートショート /あと54話
ねこの物語的エッセイです。

猫を取り囲む人々の話は楽しい。
stabilini 2

わが猫ミヌーと黒猫ピッポの関係(2
ミヌーのお腹も結構目立って来た。

ある夜、1時をとっくに回った頃に戻って来たボク。
ほの薄暗いランプの真下で影法師のような黒い影。何と真っ黒な猫が、例のドアに向って座っているのだ。
一瞬足を止めた自分だったが、こいつはあの黒猫なのだろうかと疑いたくなるほど、ひと回りもふた回りもぶくぶくに太って肉はたるんでいた。

同じ猫だとすれば、数カ月の間に随分醜く年を取ってしまったものである。

だが、ドアに向って行儀よく座っている姿は同じだった。
ボクに気が付くと、以前と同じように、首だけ動かして、見上げるようにこっちの視線を追ってくる。黄色の眼球の中の黒眼。いくらかはみ出した真っ赤な舌。恐れも警戒心もなく、ふてぶてしいまでの顔は、人間でいえば、へらへらと相手を見下した面(つら)と言える。

「ピッポ!」と呼び掛けようとして口を閉ざした。
そんな気になれなかった。深閑とした真夜中に、ドアの外で主を待つ真黒な影のような猫・・・

僕は顔を背けるとわざと見ないふりをして、ぐるっと輪を描くように黒猫から離れて通りすぎ、エレベーターのドアに辿りついた。ボタンを押して待っている間、そおっと盗むように黒猫を見たら、うつろな眼で相変わらずこっちを見ている。なんとも薄気味悪い猫だ。

ミヌーの奴、あんなけったいな黒猫とやって姙んでしまうなんて・・・ 

やっとエレベーターに乗って動きだしたとき、ガラスを通して再びちらっと見ると、真ん丸いうつろな眼はいまだに僕を追っているのであった。

                        *

ブザーが鳴ったのでドアを開けると、お向かいの95才のフォンターナ夫人が立っている。

「ほら、これを見て御覧なさい」と言わんばかりに、彼女は無言のままタイルの上の我が家の半円形の靴拭きを指さした。
寝ぼけ眼を擦って見るまでもなく、眼に飛び込んできたのは、タワシのような靴拭きの上の、でっかく真っ黒な動物の糞だった。

朝、ドアの外を掃こうとして出て来た老婆は、あら、なにかしらんとびっくり仰天。
眼鏡を取って来て、さてさてと女ホームズよろしく観察した後、結局は被害を被った我が家のベルを鳴らしたとのことだ。
「お宅のミヌーちゃんのものでないことだけは分るわ。ミヌーがこんな大きいものやるなんて、考えられないものね」

ふーん・・・きっとあの黒猫の仕業には違いないぞ。
だが、そうやすやすと断定は出来ない。あの黒猫が一度なりとも、この階をうろうろしているのを見たことがないのだから。
それに正直なところ、この建物の中で、猫は我がミヌーと黒猫だけなのか、他にも飼っているのか、僕は考えたこともなかった。犬を飼っている人もいる。上の階のほうからワンワンうるさく吠えてているのをたまに聞くことがある。この一物は犬のものかもしれないではないか!

五階に住むP老人が階段を降りて来た。この雲つくような体付きの老人は、いつも威張り腐っていて、あまり好感をもたれていない。
問題のうんちをぎょろりと一瞥すると、「これは犬のクソじゃよ!」と自信たっぷり言い切ったので、ボクもフーっとそんな気になった。

フォンターナ夫人とP老人を交えて、朝っぱらからがやがや言っているのを聞き付けたのだろう、階下のほうからも、暇で早起きの年取った男女が顔を出し、上がって来て、こんなふしだらな出来事は放ってはおけないなどと言う。
動物を飼っていない人たちにとっては、公共の場を動物の排泄物で汚されることは堪え難いことらしい。
さて、我が家の靴ふきの上の堂々たるモノは、犬の糞ということに一同の意見が一致した。

「このアパートで、犬を飼っているのはただ一人。それはアンブロジオ夫人じゃ」
そう宣言すると、P老人は、くるりと向きを変えて、もと来た階段を大股で上り始めた。
95才のフォンターナ夫人はそのまま留まったが、階下の老人たちも上って行くので、当の被害者の自分が後に従わないわけけにはいかない。

アンブロジオ夫人は、P氏と同じ階に住んでいて、2人が仲が良くないのは有名だ。
アパートの住人会議のとき、いつも喧嘩腰になるのはこの2人だと画家から聞いたことがある。どうやら原因は、やたらと吠える犬のことらしいのだ。

アンブロジオ夫人は、もう60才をとっくに過ぎていて一人で住んでいる。
フランス人の弁護士に愛を捧げて、一生独身を貫いた人だということも、後になって画家のビアンキから聞いて知った。
「うちの子はそんな行儀の悪い犬ではございません。第一、犬は外でしたがるもので、そのような所ではしませんよ。私は毎朝夕に散歩に連れて行き、今朝も帰って来たばかりなのです。それは猫の仕業に決まっています。皆さんは一階に住むご婦人の、あの大きな黒猫のことをお考えにならないのですか?」

抗議に毅然として答えたアンブロジオ夫人は、「いいからちょっと見にきなさい!」と強引に腕を掴まんばかりのP老人の言葉を振り切って、ドアをパタンッと閉めてしまった。

「お宅のネコちゃんがやったと考えませんか?」
老女が僕にほこ先を向けた。
「飛んでもない。うちの猫はとっても小柄ですから、あんな大きいのはやりませんよ。しかも雌猫で、とっても綺麗好きで我慢強くて、厳しいしつけに慣れていますからね。自分の砂箱以外の所では絶対にしないのです」
すると別の老人が言った。
「もしかすると、あんたの猫に気があって,これ見よがしにあの黒猫がこんなことをしたのではないのかね」

「猫は相手に気があるからといって、ウンチはしませんよ」
何時の間にか95才のフォンターナ夫人が上がって来ていて、息使いも荒く黒い瞳をパチパチさせながら言った。

「わたしが思うに、あの黒猫の仕業だとすれば、きっとなにか恨みがあってそんなことをしたのではないのかしら。あなたはそうは思わない?」

恨み?彼女の黒い瞳は「心当たりはないの?」とボクに問いかけているようだ。
僕は真夜中に薄暗い電燈の下で、黒猫がドアに向って座ったまま首だけ動かして、黄色い眼と赤い舌でへらへらとこっちを見ていたのを思い出した。さかのぼれば、あの旅行に出発の朝、鶏のささみを差し出したら、歯をむき出し、飛びかかってきて爪をたてられたことを。あの時の首の傷は今もはっきりと残っているのだ。

「ふーん、恨みって・・・恨みがあるのはこっちのほうでしょうねェ」
と答えたが、だんだんこんなことに拘わっているのが馬鹿バカしくなってきた。

そのうちいつの間にか、犯人は黒猫ということになった。当然またがやがやと、フォンターナ夫人を除いて、人々は一階のロシア語の教師のアパートのドアまで下り行ったのである。

だが、彼女は外泊したのか朝早くに出かけてしまったためなのか応答はなかった。
僕はホッとした。居てくれなくて本当によかったと思った。

イタリアの年寄りとはこんな下らないことに時間を潰すものなのであろうか。カビの生えた干し柿みたいな老人や、乾燥イチジクのような老婆たちが、熟しきった果実そのもののロシア人の女教師に、猫の糞のことで抗議するため、朝っぱらからベルをビービー鳴らしたり、ドンドンとドア叩くなんて・・・

何てことだ、その老人達の中に自分も混じっているのだ!

 結局、黒猫の持ち主が不在というわけで何ともしようがなく、あっけなく解散となり、僕もやれやれといった気分でアパートに戻って来た。これを片付けてしまえばそれでいいのだ。新聞紙とスコップを持って出てきたら、またフォンターナ夫人に会ってしまった。

彼女は悪戯っぽく人指し指を立ててちょいちょいと左右に動かし、
「だめよ、ほっとくのよ。飼い主が名乗り出るまでは」
と、ウインクしながら言ったので噴きだしてしまった。この建物の最長老でありながら、この老婆には全く老醜というものがないし、何となくユーモアがある。とにかくそう言われて、

「はいはい分かりました。じゃあ放っときましょうか」と、そのままにして僕は出かけた。

午後帰宅したとき、ドアの鍵を回しながら、妙に漂白剤の臭いが鼻をついたので下を見たら、靴拭きがいつもよりきれいになっていて、そのときはじめて例の糞のことを思い出した。
掃除婦が顔を出した。
「見た?ここにすっごいのがあっただろう?犬のモノか猫のモノか、今朝議論になってね」

「勿論あれは猫のものよ。犬は雑食動物だから、あんなに黒いのはしないのよ。きっとあの黒猫がしたのね。あたしが始末しといたわ」
彼女は笑いながらこともなげに言った。

「先日、このドアを開けたら、黒猫が階段のところに座っているの。『ピッポね?さあ入りなさいよ。あんたの奥さんに会いたくないの?』って言ったら、じーっとこっちを見ていたけど、そのまま階段を下りていってしまったわ。可愛いわぁ。あんたがどうして薄気味悪いなんて言うのか、あたし理解出来ないわ」

その後、ついに黒猫ピッポが我が家の階段のところに座っているのにぱったりと出会った。

その時も僕がエレベーターから出て来ると、驚きもせず、丸いうつろな眼でじっとこっちを眺めているのであった。僕も以前ほど警戒心はなくなったが、それでも友情を感ずるところまではいかないので、知らぬ顔で家に入った。もう建物全体一階から屋根裏までを征服した気でいるのにちがいない。例のモノもそれを誇示するための行為だったのであろうか。

 ガリーナ嬢には不思議と会わなかった。同じ建物に住んでいても、めったに会わない人がいる。
その人のことがちょっと気にはなるのだが、さっぱり出会うチャンスが訪れないのである。
たまに薄明かりの窓の下にオートバイを見かけることがあったので彼女の健在を知る程度であった。

それからまたしばらく経って、ある日曜日の朝階段を下りて行くと、画家が野外展に出品するとかで作品を車に運んでいたので、手伝いながら彼女のことを聞いてみた。

「彼女?もうここにはいないよ。ごく最近引き払ってしまったんだ」
「え、出て行った?」
「うん、彼女は観光ビザで一年に数ヶ月だけイタリアに滞在できるそうだけど、法律ではややこしくて、俺もよく分らなかったけど、ミラノとモスクワを行ったり来たり、もう何年もそうしているらしい。『もちろんミラノに戻ってくるけど、この次からはずっと南に下がってロッツァーノの方面』って言ってたな」

僕はぼんやりと真夜中の強烈なラヴシーンを思い出した。そしてドアに向ってのんびりと主人の帰りを待っていた黒猫ピッポのことも。それらが克明に描かれた2枚のイラストのように脳裏に浮かび上がった。

「ちょっと見せたいものがある」
画家は僕の肘をつかんで、アトリエの中に誘い込むと、スケッチブックを開けて、鉛筆の肖像画を見せてくれた。柔らかいタッチでさっと仕上げた肖像画、モデルは紛れもなくガリーナ嬢だった。

灰色のつぶらな瞳のところだけ、ちょっと指でこすって暈して効果を上げていた。おっとりとして、セクシーな瞳が、こんな走り描きにもかかわらずとても良く出来ていて、見直す気持ちで画家を見た。


それから数ヶ月後にミヌーは3匹の小ネコを産んだ。
1匹はオヤジと同じく真っ黒だった。(おわり)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 00:26 │Comments0 | Trackbacks0編集

こんにちは!トラックバックテーマ担当の水谷です! 今日のテーマは「海派?山派?」です。 夏休み、真っ盛りですね!水谷も、気分は夏色です!!夏と言えば、レジャーですがみなさんは、海の方が好きですか?山の方が好きですか?水谷は、断然、山派です少し大きい文字。山に登った時の達成感がたまりません。また、神秘的な感じ?...FC2 トラックバックテーマ:「海派?山派?」



こんにちは、水谷さん。
山もいいけど・・・・あんまり険しい坂をのぼったりするのが得意でない自分です。
やっぱり,ボクは海派です。
砂浜で本を読んだり、音楽を聴いたり、うとうとっとしたり、前を通り過ぎる人々を眺めて、ぼけっと過ごすのは最高。
疲れていた脳細胞が一回死んで、また生き返るって感じ。
でも、泳ぐのも大好きです。結構深いところに行っても平気です。
上手に潜る方法はですね(オッホン)、頭を下に向けて、思いっきりお尻を蹴り上げるのです。
同時にカエル泳ぎで進めば、不思議!どんどん底へと向かっていきます。

サンドウイッチをビールで流し込んで終わりの、ランチタイムはエコノミーライフ。
夕方は6時頃には既にシャワーを終えて、にぎやかな街へくりだします。
アンチョピとオリーヴで、冷たい白ワインの食前酒を飲み、それから、既に眼をつけていた安くて旨いレストランに向かってぶらりぶらり・・・・
一日の終わりは、バーガーキングのカップのコーヒーを飲みながら、太陽が完全に沈むまで、震えながら海岸の土手に座ってすごします。
やっぱり海派のボクです。(K)

| 小説とエッセイ | 09:07 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫・ショートショート/あと55話
猫の物語エッセイです。
pi1

わが猫ミヌーと黒猫との関係

並木の若葉も色濃くなる頃、一階のアパルタメントに、40過ぎの女性が引っ越しをしてきた。

灰色がかった金髪のショートカットと青い瞳のこの女性、老人ばかりのこの建物の中では新鮮だ。
なにしろ96才のご婦人を筆頭として、80才以、70才の年寄り達がわんさの『老人レシデンス』なのだから。ひと言説明を入れると、この建物は1928年建造。そのときから入っている超老人もいるのである。

おっと、誤解がないよう書いておこう。
ボクもその頃はここに移って来て1年足らずで、まだ40とちょっと。少数派若い(!)グループの一人なのであった。

さて、この灰色の瞳の彼女、淡い爽やかな色調のカーデーガンを羽織り、季節柄、いつも素足にサンダルという出で立ちだが、その白い足は豊満な体つきに比較して、意外とほっそりと、むしろ陸上競技の選手のような筋肉質なのがとてもいい。

たまにばったり顔があって、『こんにちは』と挨拶することもあったが、その大きな瞳は何処か夢見るようにおっとりとして、冷たいイメージはまるでない。

ちょっと気になることと言えば、ほとんど毎夜11時近くに、カワサキのバイクが、彼女のアパートの窓のすぐ下に横附けするようになったことだ。

ある夜更けの2時もとっくに過ぎた頃、画材屋の小憎と近所のパブで飲み過ごし、ボクがほろ酔い加減で戻って来たときである。

大通りの重いドアを入ったときだ。
黒いレザーずくめのごま塩の中年の男と彼女が開け放されたドアの前で、情熱的な別れのキスをしているのを見せつけられて仰天した。

大柄のごま塩男はヘルメットを持ち、片腕で女の腰をしっかりと抱きしめていた。
こっちの気配に全く気づかないのか、完璧にこっちは無視されているのか、2人は身動きもしない。室内から漏れてくる明るい光が大柄な男女を浮き彫りにし、あたかも観客の前でラブシーンを演じている俳優のようであった。

その夜の光景があまりに強烈だったので、以来、彼女はボクにとって、ちょっと『気になる住人』となったのだ。

気になる理由はもう一つ・・・彼女は一匹の黒猫を飼っていたのである。

黒猫が外へ出たがると、自由に出してやっているらしいのだが、その間に女主人が外出してしまうこともあるらしく、戻って来た猫が中に入れなくて、ドアの外でちんまりと座って、辛抱強く待っている姿をたびたび見た。
まだほんの子猫で、泣きもせず怖がりもせず、通りすぎる人間を見上げる姿があどけない。

だからちょっと撫でてやりたい気持ちにかられたこともあったのだが・・・
ボクは何となくこの猫に接近するのを躊躇したのだ。大体こんな子猫が真夜中に家に入れなくて、怖がりもせず平気で座っているのが、不自然で奇妙に思えた。

以前住んでいたアパートで、自分の家を間違えた子猫が、よその家のドアの前で気が狂ったように鳴いているのを見たことがあったから、そんなもんだと思っていたのである。 

真っ黄色い眼球の中の真ん丸い黒目はあどけないが、眼と眼が会うとじーっと視線を反らさないのが、薄きみ悪い。
赤い舌の先が絶えず露出しているのもちょっと奇妙だ。舌を覗かせているときは猫はリラックスしている時だと聞いていたので、この猫もそうなのだろうか。
こんな夜更けに?ほっぽり出されていて?

イタリアでは真黒な猫は不運を持って来ると言って、厭がる人たちがいる。
それに同調するわけではないけど、真黒な猫、真黒な犬は、真黒であるがために、親近感が持てなく、ボクにはきみが悪いのだ。

いつの間にか、黒猫は6階から屋根裏に続く一角に、秘密の憩いの場を見つけたらしい。
そこからたびたび泣くのが聞こえた。
可愛い声だったし、表立って抗議する老人達もいなかった。

我が家のキジ猫ミヌーが、それを放っとくわけがない。
一見幼い雌猫のような我がミヌーは、実は女盛り。その声につられて、こっちがちょっと油断しているすきに、4階から一目散に階段を駆け登って行く。そして半日も経って、埃と煤でどろどろになって戻って来るのである。以外とすっきりした顔で。
いつも家の中に閉じ込められていたミヌーにとって、この黒猫は久々の「相手」に違いないのだ。

バカンスに出かける朝のことだ。 
飛行場に行く時間も迫っていたときだった。ちょっと油断したすきに、例によってミヌーが、屋根裏へと猛烈な勢いで駆け上って行った。
さあ、大変だ、こっちも負けじと後を追ったが、とても追いつけるものではない。辿り着いた所は、小さな丸い穴からぽっかりと青空が覗いて見える屋根裏の最端。

何とミヌーと黒猫は穴の外から、ボクを見下ろしているのである。
『さあ、ミヌー、いい子だから下りてくるんだ。飛行機に乗り遅れてしまうじゃんか!』

だが、ミヌーはどこ吹く風でボクを見下ろしている。
時間が迫っていて気が気ではない。
ボクは家にかけ戻ると、冷蔵庫から鶏のささ身を取り出して小皿に盛り、また一気に屋根裏まで駆け上った。
ミヌーは鶏や七面鳥の胸のささ身が大好きなのだ。
ところがミヌーは大好物のささ身よりも「自由」のほうを選んだ。

『そんな手には乗らないわ』あどけない顔はそう言っている。
それでも、しつこく気を引かせようとやきもきしていると、いきなりこっちの肩に飛びかかってきたのは、なんと黒猫のほうだった。すばやく桟に足場を見つけると、歯をむき出し、ガツガツとあっという間に平らげてしまった。
皿を引っ込めることさえ忘れて金縛りとなってしまった僕は、そのどう猛さに身震いした。

あの見慣れた可愛い黒猫ではなく、貧欲と凶暴さをむきだした獣だった。
首の付け根あたりから血が滲みだしたことが、手で触ってみて分った。
ボクはミヌーを捕らえるのを諦めて、アパートに戻るとすぐにタクシーを呼び、飛行場に着くと知人に電話を入れた。
彼女に事情を説明して、今日は早めに来て猫をつかまえてほしいと頼んだのである。
                            *
            
バカンスから帰って来て、九月も終わり秋の気配が濃くなって来た。
だが不思議にもあの黒猫には、どうしたことか一度もお目にかからない。
黒猫どころか、あの豊満な女性もヘルメットの中年男も、勿論カワサキのオートバイも皆目見ないのである。

ニュースと言えば、うちのミヌーが妊娠してしまったことだ。

黒猫の持ち主について、いくらかの情報を提供してくれたのは、彼女のアパートの真ん前にアトリエを持っている画家、B氏である。
「俺の絵を見たいと言ったので見せてやったことがあるけど。彼女なかなかセクシーだよね。モデルになって欲しいとけしかけたら、まんざらでもなさそうだったよ」そして、笑いながら言う。

「名前はガリーナだってさ」
ガリーナさん?・・・・へえ、随分奇妙な名前だ。ガッリーナはイタリア語ではめん鳥のことである。でも確かそんな名前の、ソ連の有名なソプラノ歌手がいたような気もするけど・・・

「彼女はサン・ピエトロブルゴの出身で、ロシア語の個人レッスンをしているんだそうな」

 ロシア語の個人レッスンのサン・ピエトロブルゴの女か・・・言われるまでもなく、イタリア人とは違った雰囲気がある。知的で都会的でありながら、どこか牧歌的。自分の猫が外をうろつき回っているのを、ほったらかして平気で外出してしまうような、いくらかだらしない女。
まあ、そんな大陸的イメージとでも言おうか。

「彼女の黒猫のお陰で、うちの猫が妊娠してしまってね」と言いかけたが、何となく口を閉ざした。

ガリーナ女史は黒猫をピッポ、ピッポと呼んでいたそうである。 (つづく)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 21:36 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫・ショートショート/あと56話
猫のエッセイです。
an

恐ろしきアンジェラばあさん
初めて雇った掃除婦は、アンジェラという名の、眼も鼻も口も大きすぎるくらいの初老の女で、毎日ミラノから80キロもあるブレシャという街から通って来ていた。あちこちの家庭の掃除をして、夕方になるとまた、同僚の女達と一緒に汽車で帰って行く出稼ぎ掃除婦であった。

初めての日、仕事を終わって汗だくだくの彼女に、
「何か飲み物はどうですか?ジュースかコーラだったらありますよ」
とねぎらったら、がらがらのでっかい声で、

「白ワインをコップ一杯頂くわっ!」とのたまうではないか!

その通りになみなみと注いで出すと、グィーッと一気に飲み干し、
「美味しいわッ!グラツィエミッレッ!」と叫ぶ。

2回目のときも、終るとまた白ワインを飲みたいと言った。
仕事を終わったアンジェラ婆さんは、汗を拭き拭き台所の椅子にでんッと両股を広て、ワインを待っている。
木綿のストッキングの止めベルトの奥に、太い腿(もも)丸見えになっていて、
「うーむ、なんぼ何でもグロだなぁ」

ワインを出したら、また一気に飲みほして、金を受け取って帰って行った。

この婆さん、アンモニアを水でよく溶かさずにぶっかけたらしく、トイレの黒いタイルが白っぽくなってしまった。そればかりか、子猫にまで眼に余るような粗暴な態度を示すのだ。

ボクの可愛い6ヶ月の小猫を、掃除中邪魔だと言わんばかり、ごっつい手で首の後ろをつまみ上げると、ボーンとほっぽり投げたりするのである。

うーむ、この婆ァもうクビだ!

「ああ、これメスね?我が家の猫もメスだから、次から次ぎへと休みなく子を生むんで、その始末に大変なのよ」
「そりゃそうでしょう。貰い手探すのに苦労しますね」

「ほんと!だけど、とってもいい案が浮かんだの」と、ちょっと小声になる。

「生まれたらすぐに、トイレでさーっと流してしまうのよ。あっという間よ」
 えーっ、何だってェ~?恐るべきババアだ。

それでなくても奇怪な顔立ちが、グロテスクな魔女のように見えてきた。
『もう来るな、もう絶対来るな』と呪いを掛けたら、それが通じたらしいのだ。
この婆さん、4回目からぱったり来なくなった。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 03:24 │Comments0 | Trackbacks0編集

迷カメラマン・みゃおケンの、
EUROミャオミャオ撮り歩き!(2)

myao ken

ビン5


bin2

バン「ボン兄ちゃん、ピリピリなおった?」
ボン「まあな。完全回復とはいかんが」
「おにいちゃん、上がって来て。一緒に写真撮ってもらおうよ」
「飛び上がるなんて、まだ無理だよ。完全回復してないんだから。それに、オレは写真は嫌いだ、おまえと違って」
(ボンは偉そうな口をきく。
一緒に生まれても、性格や体力の違いから、主従関係はいつのまにか・・・)

target="_blank">bin3

ボン「しつこい!パチり、パチりはやめてくれ。今日は調子が悪いんだ」
みゃおケン「まあ、いいじゃんか。こうして撮られているうちが花だよ」

bin4
「今日は太陽がしっくり来ないんだ。ワイン貯蔵室のひんやりした所で、また、一眠りするか。
写真はバンにまかせるよ」
bin   5
「チャオね」

| 巡り会った猫たち | 08:04 │Comments0 | Trackbacks0編集

迷カメラマン・ミャオけんの、EUROmyaomyao撮り歩き (1)

ミャオケン 2

b2

b2

b3

みゃおケン「この炎天下!こんな田舎まで、ローカル線でゴトゴトおとずれたオレ。
売れないカメラマンの辛いところ。
おい,チビ、おい、今日はたっぷり撮らせてもらうぜ。背景もいい。
報酬は期待するな。謝礼などしてたら採算が合わんもん」

バン「ボクちゃんの名はバン。よろしく」
「またでっかい家だな。これがおまえさんのすみかかい?」

「そう、ここお城なの。600年前の。きっと、ボクが生まれてないときに出来たの」

「ふーん、刑務所みたいに味気ない感じだけど。家主はなにやってんのかい?」
「さあ、ボク、よく知らんけど、たぶんピエモンテ州のお米の会社の社長さん」

「じゃあ、食生活はまあまあってとこだな。ネズミとイナゴで飢えをしのいでいる顔とは違う。
ふっくらして歯もきれいだ」

「ご主人は締まり屋だけど、家政婦のマリーナさんが僕たちを、とっても可愛がってくれるの。ないしょで美味しいものいっぱい食べさしてくれるんだァ」

「ボクたち?兄弟はどこにいるんだよ?」

「ボン兄ちゃんはいつもどっかに出かけていて。今日もいないんだ。ビン兄ちゃんはお腹こわしたみたいで、寝ているの。昨日からピリピリだから、マリーナさんがお薬のませていた。トカゲを食べたら下痢しちゃったんだ」
「トカゲなんて食わなくても、生活はゆたかなんだろ?」
「ものずきで食べてみたんだって」

「残念だ。兄貴の写真も撮りたかったんだけどねえ。一人では物足らんよ。せっかくここまで来てさ」

「ボク、色々ポーズしたげるね。ほらこんなのどう?写真撮られるの大好き!
ひっくり返って・・・のけぞって、あくびして...」

「悪くないぞ。そうそう、その調子。
パチリ!はい向きを変えて。パチリ!もっと大きく眼を開けて。そうそう、パチリ!

cas 5


「あーあ,疲れた。ボクちゃん、お水飲んで来よーっと」
「我が輩にもコップ一杯たのむよ」

「ビン兄ちゃんは午後になったらここに来るかもわかんないよ」
(つづく)

| 巡り会った猫たち | 09:40 │Comments2 | Trackbacks0編集

迷カメラマン.みゃおけんのEUROミャオミャオ撮りまくり


myaoken


| 巡り会った猫たち | 05:25 │Comments2 | Trackbacks0編集

けんじのイタリア猫・ショートショート/あと57話
猫のエッセイです。
M嬢のペルシャ猫兄妹per


ミラノに長年住んでいるオペラ歌手志望のM嬢は、ペルシャ猫を2匹飼っていた。

ある年の8月、彼女はイタリア人の旦那と一緒に2週間ほど長野県に里帰りすることになったとかで、愛する猫を(もちろん2匹とも)預かって欲しいと僕に頼みこんできたのである。

その頃のボクは、我が家の2匹の猫、パンと弟分のノリ助が,家出をしてしまったショックから立上がれなく、不安定な(?)精神状態のまっさいちゅうだったので、どうしようかと迷った。

言ってみれば、猫を飼うこと自体にすっかり自信を失っていた時期なのだ。
でも、気分転換にそれもよかろうと、引き受けたい気持もなきにしもあらずだった・・・が、

何しろアパートは50平米と小さく、初対面の大型のペルシャ猫2匹を預かる事など、とてもとても。

自分が飼っている猫なら、部屋中ピッピーをふりまかれても、吐かれたり植木をひっくり返されたりしても,何とか我慢はできる。運命だと受け入れて。
でも、よそ様の猫が・・・

その上ペルシャ猫は毛が長く多くて、そのおびただしい脱毛は凄いに決まっている。
普通の猫だって夏はそうなのだ。しかもうだるようなこの時期。
脱毛の悩みは猫を飼ってる者にしか分からない。

それを言うと、M嬢曰く、

『バスルームの中でいいのよ』
平然として言い放ったのだ。

『バスルームの中だって~ェ?24時間中?キミ正気?』

哀れなネコ達は2週間もバスルームの中に閉じ込められているってことか。

そんなこと絶対ボクには出来っこない。
(安アパートにはトイレは一つしかなかったのだから)

まず、猫のほうが気が狂ってしまうだろう。
そしてだ。こっちが用足しにでも入いろうものなら、ハーッ、爪を立てて飛びかかって来るのでは・・・

怖い!
ボクは隣の家に駆け込むだろう。

「シニョーラ・エレナ、トイレ貸してください~ッ!ああ、もう・・・」
「あらまあ、お宅のトイレ故障なの?」
「いえ、今、猫が使用中でしてェ~ッ!」

僕はガン!として断った。
失望するM嬢。

その代わり・・・2週間の間、僕は毎日、ミラノ市内を東から西に横断して、彼女の家まで餌を与えに(砂も変えに)通うことにしたのである。
8月はヴァカンスで人も車も少ないから、以外と簡単なのだ。片道20分くらいか。

2匹のペルシャ猫は何とかいう純血種で、その見事なまっ白な毛並みは称賛に値いするが、僕はあのぐしゃっとつぶれた顔が苦手だ。
猫であれ牛であれ、ボクは整った美男美女型を好むのである。

「瓜二つみたいだけど、性格はそれぞれ違うの。テオドールはおっとりしてるけど、雌のフィクセーニアのほうが、気がきついの」

難しーいお名前。
知らなかったよ。
ロシアのグランドオペラ『ボリス・ゴドノフ』の皇太子と王女様の名前なんだそうな、これ。

ピンケルトンとチョチョサンだったら、ボクだって簡単に覚えられるんだけどねえ。

とにかくボクは通うことにした。
はじめの4、5日間、せっせと世話を焼いたにもかかわらず、猫達と情愛を交えるまでには至らなかった。ガツガツ、なりふり構わず喰い終わると、プイっとどっかへ姿を消してしまうのだ。

M嬢は感謝の気持ちを表現する教育はしなかったのかな?

片っぽう、ええっとテオドーロだったっけ・・・は段々とボクに近づきはじめた。
やがて、ボクが訪れると、尻尾をすりつける。可愛い。
へしゃげた面もご愛嬌に見えて来るというものだ。

フィ~ィ~フィクセーニアはそうはいかない。そっくりだから、間違えて抱こうとしたら、ハーッときあがった。
そのくせ、食欲のほうは、兄テオドーロ以上。
お前、あと一年も経ったらぶくぶくのかみさんになっちゃうこと間違いなしだよ。
(すごく食べるので、最初はこっちのほうが兄貴だと思い込んでいたのだ)

話が前後するけど、
日本への出発の前日、M嬢から電話があった。遠慮げに、

「出来ればだけど,毎日だいたい同じ時間に来ていただけないかしら?」
「あそう?何時くらい?」
「朝,8時か9時ころ」
まあいいや。ちと早いけど,その方が涼しいもんね。
それに、面倒なことは先に済ませる主義なんだ、オレは。

「お宅のネコちゃんは規則正しい生活に慣れてんのか」

「あらっ!それ、とっても大切なことなのよ。ネコにとって規則正しい生活は」だってさ。
知らないのォ?あんた、それでよくネコなんか飼えるわねって、声なのだ。
(でも、キミ、トイレに閉じ込める気だってあるんだろ?要するに飼い主の感性と習慣の相違)

ボクの飼育哲学はこうだ!
ネコはもともと野生動物。喰うために基本的に決まったごはんの時間なんてないんだ。
ボクはフリーデザイナー。食事の時間なんて決まってない。そのときの都合と気分と胃袋の加減で1~2時間早くなったり遅くなったりは毎度のことだ。飼いネコ達に対してもほぼ同じやり方。

自分の分は抜いてしまうことさえある!!!

ある日、M嬢のアパートに午後6時頃行ったことがある。まる8時間の遅刻だった。
どうしてもそれまでは時間が取れなかったのだ。

ドアを入るなり、方っぽうはすっと体をすり寄せてきた。
「ボク、お腹すいてるよー、ミャオ~ミャオ~」
悪かったな、勘弁してな。

だが、もう一匹はハーのッと牙をむき出して、遅メシに抗議するではないか。

お前ら、たまにはこんなこともあるってことも、経験するんだ。
ネコは水さえ飲んでいれば3-4日くらいは、平気で生きているって、猫専門書に書いてあったぞ!

もともと猫って大げさな奴。半日遅れても、3日くらい食べてないみたいな悲壮な声で迫ってくる。そんなことはパンとノリ助で充分知り尽くしている。ダマされるもんか!

まあ、明日はいつもの時間に来るから、ハーっなんてするの止めてくれよ。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 15:38 │Comments2 | Trackbacks0編集

けんじのイタリア猫・ショートショート/あと58話
悪夢のエッセイです。

インクボ(悪夢)

incubo.jpg


人里離れたちょっとぶっそうな、石垣みたいなところを沿ってボクは歩いていた。
もう、暗くなりかけていた。

急ぎ足のボクは、道ばたに座り込んでいる黒猫を蹴飛ばしてしまったのだ。突っかいたときはじめて、それは猫であることがわかった。いや、蹴飛ばされて猫にひょう変したのかもしれない。夢って、現実には起らないことだらけだもの。

蹴飛ばされた黒猫は牙をむいて、ハーッとやった。
おっかない顔だった。
ボクは逃げ出した。

逃げながら後ろを見ると、黒猫はどんどん大きくなってまるで豹のようになり、ボクを追っかけてくるのだ。
アユートー(助けてーぇ!)と、たしかイタリア語でありったけの力で叫んでいる自分。
逃げながら声を張り上げて、何回も何回も勢威いっぱい叫んでいる自分。

獣はだんだん大きくなって、視界がなくなるくらいに広がっていく。ついに、真っ黒なマントでボクを包み込もうとした。ああ、もうだめだ!と思ったとき、目が覚めた。

夢でよかった・・・よろい戸から洩れて来る星明かりを感じながら、自分がびっしゃりと汗をかいているのに気が付いた。
ボケッとしている自分の耳に、短いブザーの音を聞いたようなきがしたが、気のせいだろうと思った。

ふらつく頭でベッドを離れながら、時計を見ると3時半をさしていた。ベッドに入ったのは2時を過ぎていた。フリーランスのボクは、完璧な夜型なのだ。

コーヒーでも沸かそうかとキッチンに入ったとき、ベルは再び鳴った。覚悟を決めたような執拗なベルの音に、ボクはもうちょっとのところで、インクボはまだ続いているような気にさえなった。

ドアの小さな覗き窓から目を凝らすと、若い女の姿が目に入った。彼女は我が家のドアから離れると、上に向かう階段を数階上って、また降りて来て、今度は下へ行く階段を降りはじめて又、上がってきた。明らかにどうしていいのか迷っているふうだった。

危険はなさそうだから、ボクはドアを開けた。予想していた通りに隣に住むルクレツィアという娘だった。

「気分はどう?あたし心配で心配で」
彼女は開口一番こう言った。
「あなたが助けてーって叫んで泣き出している声で、あたし目が覚めたの。叫び声が止まないので、携帯を掛けたけど切れているでしょう。だから、ベルを何回も鳴らしたんだけど。あたしポンピエーレ(消防夫)に電話もしたのよ」
こういうときはイタリアでポンピエーリを呼ぶらしいのだ。
奇声を発していた住人の反応がなくなると、クレーンで4階まで上って来てバルコニーに移り、窓をわって侵入する。
「病人はどこだ!気狂いはどこだ!」

「あのね、インクボで獣に追っかけられていたんだ。悪かった、迷惑かけて」
「ほんとうに何ごともなかったのね。じゃあ、消防夫には来る必要はないって連絡するわ」
彼女はそう言って、手にしていた携帯でキャンセルをしてくれた。
そして、全ては平常に戻ったのである。

我が家の寝室と、お隣の寝室が付き合わせているのが、日頃から気にはなっていた。
ときどきインクボで大声をだす、自分のこの病い?のことは重々心得ていたからだ。

ルクレツイア嬢が住んでいる60平米のアパートを彼女に半年前に売り渡したとき、一ばん気になったのは彼女の新しい寝室のことだった。
「この部屋、寝室にちょうどいいおおきさだわァ」
ルクレツィア嬢が嬉しそうにそう言ったとき、いやな気がしたものだ。
ボクの寝室と彼女の未来の寝室はくっついているのだ。
壁はあまり厚くはない。
イタリアの古い建築法とやらでは、壁の厚さは2種類あり、一つは建物を支えている厚い壁(この建物のは45cm)で、あとは薄い壁で20センチくらいしかない。例えば、わが家のサロンとキッチンとの壁は45cmあっても、お隣さんとの寝室同士の壁は20cm弱と言った具合なのだ。だから、草木も眠る丑三つ時に奇声を発すれば、叩き起こされるのはごく自然のこと。

「見にいらっしゃいよ。家具も全部入ったの」
まだ30前の美しい独身娘は屈託なく言って、内装が終ったとき、ボクを案内してくれた。白一色の我がX『図書室』は、淡いローザに生まれかわり、アイボリーカラーのラッカー仕立てのベッドが中央に君臨していた。

何と、ベッドは彼女の頭が我が寝室の壁に接着する形で配置されていたのだった。こりゃ、やばいなあ。

       *

インクボの翌日、ルクレツィア嬢にお礼を兼ねてプレゼントを持って行った。

壁一つ向こうの出来事など、素知らぬ顔の現代人。彼女はそんな味気ない現代の、たぐいまれな人物というのが、我が友人達の意見なのだ。こんな隣人は大切にしなければ、と彼らは言う。

パンテレリア産の最高のパッシートを提げてベルを鳴らす。
恐縮する娘のことば。
「お礼だなんて飛んでもない。お友達のプレゼントとしてなら受けとるわ」

華やかながら、趣味のいいサロン。彼女は某弁護士のアシスタントなんだそうな。
そう言えばボクの住んでる4階の上も下も、右も左も、家主さんは結構お金もありそうな若い女性ばかり。

「猫でも飼ったら?」とけしかけてみる。
(留守のときはボク、面倒みたげるよ)

「ああ、飼いたいけど、まだ決心がつかないの。あたし、真っ黒で目がグリーンのンの猫、以前飼ってたことあるのよ。かわいいわあ」

じゃあ、飼うとしたらまた黒猫?

薄い壁の向こうで、こっちに向かって、ハーッt
こっちはどんなインクボに脅かされるやら。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 13:59 │Comments2 | Trackbacks0編集

けんじのイタリア猫・ショートショート/あと59話
猫のエッセイ

『家を間違えたカロータ』
cercasi

まだ小ネコのカロータが昨日の午後からいなくなった。
臆病者のカロータのことだ。建物を出て表通りをのこのこ散歩ってことは考えられない。
まず、そんな経験全くないんだから。

では何処に隠れてしまったのだろう?
今朝もまた一階から六階まで、階段を下りたり上ったりしてみる。
マンサルダ(屋根裏)へのドアのあたりは、工事中らしくごちゃごちゃしていて、猫の隠れそうなところだ。
もう一度上がってみよう。あんな所で小さくなって震えているのではないかと考えると、ぞっとするし可愛そうでならない。
ところが姿も見えないし、泣き声も聞こえない、とすれば、どこかの親切な家庭で保護されているのかもしれない。
早速ロビーの掲示板に探猫広告を出すことにした。

『行方不明の赤猫を探しています。名前はカロータ。電話番号は・・・』
でも、これちょっと変だ。猫が自分の名前を言うはずがないもの。
では写真でも一枚付けて張り出そうか。いや、写真なんて平凡だ。クレパスでさらさらっと描いたほうが面白いし、眼を引くかもしれない。

外出から戻って来ると留守番電話に女性のメッセージが入っていた。    
『私のところで、お宅のらしいネコちゃんを預かっています。こちらの電話番号は・・・』
ほっとして早速電話を入れた。

「ほんとうにご迷惑をかけました。すぐ、引き取りに伺います」
すると優しい綺麗な声が答えた。
「いいえ、私たちが今下りて行きますわ。ちょうど、出かけるところなので」

ベルが鳴ったのでドアを開けると、カロータを抱いた若い女性が、小さな男の子を連れて立っている。
綿毛のようなブロンドの子は、明らかに泣いたあとらしく眼が濡れて不機嫌な顔をしている。
カロータは彼女の腕からすり抜けると一旦、家の中に駆け込んだが、すぐに出て来て、ボクの足許にすり寄って来た。

「昨日、ネコちゃんが家を間違ったらしくて、私どものドアの側で泣いてましたの。あんまり可愛いので、ちょっとだけと家の中に入れてやったんですけど、この子が、もうすっかり気に入ってしまって、ネコちゃんを放さないんですのよ」そして、

「まあ、カロータ?ステファノ、ネコちゃんはカロータって名前なのよ」
この坊や、きっと猫と別れるのが辛くて泣いていたのに違いない。それでも機嫌をなおして、
「カロータ」と小さく呼ぶ。

「お宅では猫を飼っておられないのですか?」

「だめなの。主人が猫アレルギーなんですよ。私と子供は全く平気なのに」
猫アレルギーか。一度、我が家でパーティーやったときに、どえらく濃いメーキャップをした広告代理店の若い娘が来ていたけど、彼女がその猫のアレルギーとやらだったのだ。そのうち鼻スースー、涙が止まらず、せっかくのメーキャップが滅茶苦茶になって、彼女、苦しそうに途中で帰ってしまった。

「それでは今、ご主人はご出張なんですね」

「いいえ、私たち家族はトスカーナのプラートという所に住んでいるのです。主人は仕事で来れなくて、私と子供だけが姉夫婦のところで復活祭の休暇を過ごしたんですけど、もう今日は帰らないと・・・

まだ乙女のような雰囲気の母親は、子供に向かって言う。
「ステファノ、さあ、カロータにお別れして。また、会いましょうねって」

ステファノがかがんで抱こうとしたら、カロータはするりと身を避けて家の中に隠れてしまった。
すると、彼はまた、わーっと泣き出した。よっぽど別れが辛いのだろう。

「せっかくですからコーヒーでも」
と言いかけたところで、中年の背の高い女性が大きなスーツケースを抱えて階段を下りてきた。彼女には見覚えがあった。ときどきエレベーターで一緒になるが、挨拶だけで話をしたことはない。

「本当に可愛い猫ちゃんだこと。とっても大人しくて」と彼女も言ってくれる。
「自分の家を間違うなんて、僕には信じられないんですよ。だって、200キロ以上も離れた所から、戻って来る猫だっているというのに」

その頃、ボローニャからマントヴァまで一ヶ月もかかって戻って来た猫のことが、TVなどで話題になっていたのである。

「もう、タクシーが来る頃よ。さあ、降りましょう」
階段を降りながら、奥さんが振り返って言った。
「掲示板の猫の絵、素敵だわ。きっと飼い主はアーティストなのねって、妹と話してたんですよ」(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 07:37 │Comments0 | Trackbacks0編集

けんじのイタリア猫・ショートショート/あと61話
ミラノでの生活エッセイです。
niuya2

肉屋

これもやっぱり肉屋でのこと。
以前、ミラノ北部に住んでいた頃のことだから、ずいぶん古い話だ。

住んでいた建物の下が商店街になっていて、アイスクリーム屋、パン屋、クリーニング店、バール、床屋、そして肉屋もあった。

便利なのでその肉屋にはよく行った。
店でサービスしていたのは、眉毛が右と左くっつきそうな無垢ツケキおっさん。

実は生粋のミラノっ子のチャキチャキ主人が、脳溢血で急死した後は、レジを受け持つ未亡人が、すべて仕切っていたのだが、女一人で肉屋を切りますことは大変なことのようで、オッさんが雇われた、とのことだった。

ところがこのオッさん、いつも、こっちの注文よりオーヴァーに秤にかける。
たとえば、150グラムのスライスを頼んでも、180グラムくらいになっちゃうのは普通。

それが、毎度のことなのでいたく頭にきていたボクだった。

その日も子牛のスライスを100グラム頼んだのに、何と135グラム。
オッさんはレジの奥さん(女主人)に向かって、「子牛、135グラムーゥ」。
奥さんはその値段に従ってレシートをきる。

カーッとなって、ボクは声を荒げてまくし立てた。

「あんたはいつも大目に盛り付けするので、ボクは大迷惑しているんだっ!!」ってね。

呆然と見返す肉屋。

「もう何十年も肉屋やってるんだろうから、100グラムを目分量でおおよそ100グラム切ることくらい簡単なことでしょう。オレだって一週間も訓練したら、注文通りにやってみせますよ!」
(やっぱり若かったんだよね。そんなことで、堂々と抗議するんだもん。生活も切り詰めていたしね)

オッサン、いきなり包丁持った手をさっと振り上げたのだ。
ハッ、蒼白になったボク。

・・・・でも、勘違いだった。彼は脇の下をかこうとしただけだったのだ。

オッサン、チョコチョコっとかき終わると、しょんぼりとこう言ったのである。
(永久に忘れられないこのフラーゼ)

「お客さん、わたしはしがない、ただの肉屋なんです」

ああ・・・こっちのほうが気がめいってしまう。
悪いこと言っちゃったという後悔が。

「心配しないで。100グラムだけの料金でいいわよ」
奥さんは、元気な声で言い、レシートを切った。そして、

「やっぱりこれ、ネコのため?お宅のネコちゃんとっても贅沢ね。この肉、人間だってナマで食べられのよ」

本当にそうなのだ。我が家の飼い猫パンには、食べ物でめっきり苦労した。
初めての猫だったので、こっちも分からないことだらけだった。
今のように缶詰なんて、豊富ではなかった気がする。

なけなしの金はたいて買ったこんなうまい肉だってさ、見向きもしなかったり、そのくせ、ハエを追っかけてぱくっ、ムシャムシャやったりね。
大変なんだ、ネコ飼うってこと(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 17:11 │Comments2 | Trackbacks0編集

けんじのイタリア猫・ショートショート/あと62話

ネコかうさぎか
こにgりお

肉屋でのことだけど、夕方、すぐ近所の肉屋に入ったときだ。

店に飛び込んだら、見慣れた白髪頭の主人の変わりに、痩せた若い男がガラスケースの向こうから、いらっしゃい!と声をかけてきた。
白い上っ張りを着た若者はボクの顔を見て、てれたようにニヤっとした。
こいつ、名前はミケーレって言うんだけれど、同じこの通りの先のこの界隈では一番大きな画材点の店員なんだ。

他に客がいなかったから、
「何だよ、またどうして?」(肉屋でアルバイト?)って、つい無遠慮に言ったら、
「親父が腰痛なので、午後から画材店に休暇とって、この店番やってんだ」だそうだ。
ふーん、こいつ、肉屋の倅だったのか。さりげなく、Si_?(あ、そう?)

「さてさて、晩飯には何を食おうかな?」って、ついひとりごと言ったら、ミケーレはすかさず、
「今日は、とびっきり新鮮なウサギがあるんだよ。ウサギ食ったことある?」だって。

「もっちろんさ。日本でだって食ったことはある」なんて返事して、しまった、と思った。
うさぎなんて、今夜食べる気なんてまったくない。それに、自分で料理したことだってないのだ。

「新鮮で身もしまっているから料理は簡単だよ。アローストでやればいい」
こいつしつこいぞ。危ないあぶない。

ガラスケースの中には、もうすでにきれいに皮をはがされ、腸もきれいに除かれたウサギとやらが、まだ、半透明のビニールにきっちりと包まれて、2体ほど陳列されている。頭もちゃんとついている。午後届いたばかりだと言う。

ボクはウサギは絶対に食わないことにしている。よっぽど信用のおけるところ意外は。
たとえば、郊外の知り合いの家ではウサギ飼ってるから、その家では安心してたべられるけど・・・
それだって、これは確かにウサギであると、自分に言い聞かせて。

レストランでもしかり。もしかしたら、猫の肉を食わされるのではないかという恐怖が、絶えずあるからなのだ。
「ウサギと猫は皮はいでしまったら、素人には見分けがつかないほどなんだ」
と、叩き込まれている。
猫のほうがずっとアジがいいんだってことも。

「ううん、オレねえ、うさぎは食わないことにしているんだけどね」
「なぜだい?」
返答にもぞもぞしていたときだ。

うしろから、ぼそっと女の声が。
「あなた、猫飼ってるのね」

はっと振り向くと、入ってきたときは姿がなかったレジに、いつの間にか女が座っていた。
見慣れた肉屋の女房である。
と、いうことは、この女将、ミケーレのおふくろってことなんだ。

この女房は、愛想がこの上なく悪くて、今までにも支払いのとき「グラツィエ(ありがとう)」と、
いかにも有難くなさそうに低くのたまう以外は声をきいたことはなかった。

まず、肉屋の奥まったレジに座っているにしては、ちょっと厚化が念入りしすぎているし、パックがはげてしまうのが怖いのか、笑った顔を見たことがない。
彼女がお得意さんの主婦らしいのと話しているのを一度だけ、かすかに耳にしたことがあった。

どうやら料理について特訓しているらしかった。
「大さじいっぱいのオリーブ油に・・・、ローズマリーノも・・・30分ほど・・・軽く・・・そして・・・蓋開けたら・・・・」
、低い陰気な声はつやがなく、何やらお経でもよんでいるようだった。

その彼女のほうから、以外、
「あんた、猫かってるのね」だってさ。
「え?(どうしてわかるんだい?)」

濃いアイシャドウの灰色の目には活気がない。
やがて、
「上着に猫の毛がついてるわよ」
ハッとする。
外へ出るときは,しらみつぶしってわけではないが、充分注意を払っていたつもりなんだ。
わが愛するカロータの毛。黒い上着だから、たった一本だってめだっちゃうんだよね。

息子のミケーレが、またニャっとした。
「心配しなくっても、これは猫じゃないんだから」

親子でチャーんとわかってんだ。職業的本能で。
ボクがウサギの肉を信用してないってことを。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 12:58 │Comments0 | Trackbacks0編集

食いしん坊自己流イタリアンの時間です。
まだ、おなか空いてませんか?
ポッロ
ちょっと幸せな気分に・・・

旅行中などに、予期してなかった小さな、意外なことが起きたりすることがありますね。
それが、良いことだったりするとその日は何となく気分がさわやかだったり。
そのひとつです。

この春は南スペインのマラガ近辺を旅行しましたが、正直言って、基本的にはト-レモリノスというきれいな海岸の街で本拠を置くた、だぼんやりのヴァカンスだったのですが・・・

あんまり金も使えないから・・・ってなわけで、その日も昼はごく簡単に。
(その代わり夜は最高に旨いファエッラの店を探そうってなわけで)

砂浜のレストランで食べたときのことです。
もちろん水着のままで。

ボクはチキンを頼みました。5ユーロ。
20分くらい待たされて、ウエーターが運んできた皿がこの写真のものです。
ベット(胸の肉)は、炭焼きでさらっと焼かれ香ばしい匂いがいっぱい。大きさもどっしりしたもの。
(どのレストランも、魚や肉の炭焼きのため、すでに火がおこされている)

新鮮なサラダ、ポテトフライなど、盛り付けかたも凝ってなく、慣れた手つきでさっと仕上げた感じが最高。
こんな砂浜の安いレストランで期待してなかった、とびっきりの一品料理でした。
ミラノのストランでも中々お目にかかれないようなシロモノでした(大げさではなく)。

このポッロ(鳥)の一皿は、灼熱の太陽と紺碧の空と海とともに、必ず思い出させるものです。
あの日は何となく気持ちよく過ごしたことも。

ついでですが、友人はオムレツを頼みました。やっぱり5ユーロ。
(それも写真に撮ったのですが、ボケていたので残念)(K)

| けんじの自己流イタリアングルメ | 00:10 │Comments1 | Trackbacks0編集

シチリアの太陽と海とアランチーノarancino
食いしん坊、自己流イタリアンの時間です。
まだ,おなか空いてませんか?
アランチーノ!!

シチリア島を旅行した日本人だったら、涙を流して喜ぶ(?)、いや、かぶりつく食べ物、
それがアランチーノです。

アランチーノには2種類あって、まん丸なボール型と円錐形です。
まん丸のは、ご飯とミートソースを混ぜ合わして丸くおにぎりにし、パン粉で揚げたもの。

円錐形のは、チーズと蒸しハムなどがご飯と混ぜ合わされています。

この形による見分けは、シチリア全島での約束ごとらしいので、中身を間違えるということはありません。まあ、日本人にはミートソース(グリンピースも入っている)のほうが合っているような気がします。

どのバールでも大体売っていて、買いにいくと、「もう、売り切れだよ」と言われることも、たまにあったので、シチリア人にもとても親しまれている「手軽な食べ物」なのでしょう。

ガイドブックを頼りに教会や遺跡をまわり、さて、遅い昼ごはん。
田舎のバールのパラソルの下でアランチーノをかぶりつき、グーっとビールを流し込む。
これぞ、シチリアならでの、安くて気軽な旅行の小さな幸せと言おうか。

はじめてこれを食べたのは、もう何十年も前に、一人でシチリアを回ったときでした。
すっごい田舎の午後3時頃、それも8月半ばの太陽の下。人っ子一人いない静まり返った広場で、バスを降ろされた自分。
「ここが終点だよ」と言い残して去っていったバスを見送りながら、さて、乗り継まであと一時間半をどうして過ごそうかときょろきょろしていたら、たった一軒だけ開いている小さなバールを見つけてさっそく入った。急に薄暗いところに入ったので、目が慣れず真っ暗だった。
そこで初めて食べたのがこれ。アランチーノという親しみのある名前もバールの主人が教えてくれました。

写真は先週シチリアの友人が来たとき持ってきてくれたものです。
手荷物で充分気をつけて持ってきたとはいいながら、少し変形してたのは、無理ないことですが、味は忘れもしない、シチリアのものでした。(K)

| けんじの自己流イタリアングルメ | 23:49 │Comments0 | Trackbacks0編集

無花果のデザート
ichi
食いしん坊、自己流イタリアンです。
まだ、おなか空いてませんか?

甘い、冷たい・・・でも、ホットなマンマの心・・・無花果(イチジク)のデザート

待ちに待った無花果の季節です。
知人のおくさんから教わった無花果の砂糖煮です。
その奥さんは、なすびでも野生ノキコでもズッキーニでも何でも瓶づめにしてしまう、瓶詰め女。
一年分のトマトソース弁詰めはもちろんの、ボクにしては典型的働き女です。
(イタリアの主婦は働き者と、在留邦人はみな、思っているようですが)

さて、無花果は実のしまった新鮮なものを選びます。
平たい鍋の中に均等に置き、水を底から1センチくらいのところまで加え、
もちろん砂糖もたっぷりと。
蓋をして、これ以上は無理と思えるくらいのとろ火で、約3時間(最低)くらい煮詰めます。
ときどき開けて、木のスプーンでこわれないように、コントロールすることもわすれずに。
カーネーションの釘(チョウシ)も2粒くらい加えることを忘れないでください

セピア色に変色して出来上がると、火を止め、すぐに数個のガラス器(瓶)に詰め込み密封します。
そのとき、スープも蜜のようにとろっとしていたら成功。
そのまま、毛布などに包み込み、2,3日かけて、徐々に平温に戻していくのがコツです。

平温に戻してからは、棚にしまっておくとか、近々食べる分だけ冷蔵庫に保存します。

結構しつこい甘さなので、デザートは一個だけでも充分のようです。(K)

| けんじの自己流イタリアングルメ | 23:31 │Comments0 | Trackbacks0編集

猫・ショートショート あと63話

syujutu 3

タロ君の落とし子


<かかり付け獣医>よーく考えていただきたいのです。お願いいたしますよ。
<ベッティ夫人>でも、かわいそうだわ、手術なんてぞっとするわ。

<猫愛護会員>それは人間勝手の感覚なのです。猫には手術はいいことなのです。いや、人間にも、街にも州にもよいことなのです。

<ベッティ夫人>あたくしの家族はもともとクリスチャンでしょ。だから・・・」

<愛護会員>人間の場合は違いますよ。
あなたが8人もお子さんを持たれて、今では34人のお孫さんに恵まれ、州知事とカトリック教会から名誉ある{プレミオ・タサン}を贈られたことも、とても話題になっていることも知っています。すばらしいことです。
でも、34人のお孫さんたちは経済的に恵まれた環境で、なに不自由なく育っていると思うのですが、ポロポロ産み落とされた野良猫たちはどうして生きていけばいいのでしょうか」

<獣医>心臓麻痺で死んでしまったタロくんのことがいい例じゃあありませんか。

<ベッティ夫人>もう死んでしまったタロと、手術と何の関係があるのよ?!

<愛護会員>まあ、そう声高にならないでください。
タロくんが、死ぬちょっと前まで、あっちこっちでタネツケしていたのをご存じないのでしょうな。あんなに精力旺盛な猫もめずらしかったけど。
お宅の経済状態からして、餌が良すぎたのでは?アッハ、ハ ハハハ。

<ベッティ夫人>皆さん、タロが種付けして回ったなどと下品な。どこに根拠があるんです。でたらめだわ。

<獣医>いやいや、奥さん、冗談で言ってるのではありません。根拠はあるのです。
どんどん生まれてくる野良の子猫たちの顔が、みな、ほとんど似てるんですなあ、タロ君に。
タロくんってアゴがとんがってて、口元がちょっと右に傾いていて、とっても個性的な顔つきでしたよね。ところが、奥さん、この近辺、いや、さては隣の町の猫まで、似たような顔のがいっぱい生まれてきたんですよ。

<愛護会員>タロ君、励み過ぎて心臓にこたえたんでしょう。

<獣医>奥さん、それでですねえ。新しく飼っておられるイチロくんにも、ぜひシュジュツをお勧めしたいのです。でないと、イチロくんがまたまた精力絶倫だったりすると、手に負えなくなります。愛護協会との間で裁判にでもなったら、あなたは負けますよ。

<愛護センター>ところで、どこからイチロくんをもらわれてきたのです?

<ベッティ夫人>孫の担任の先生のお宅からもらいましたの。ちょっとタロに似ていたのでね。

<一同>そーうれごらんなさい。間違いなくタロくんの子供さんですぞ。猫の世界では、顔が似れば、あっちの能力も似るのだそうです。危険です。

<ベッテイ夫人>まあ、タロの落し子だなんて、なんて喜ばしいことなの。
あの、手術料っておいくらくらい?

<獣医>やっと,その気になってくださったのですね。
基本的には120ユーロくらいですが、ボランティの方たちが、野良を連れてきたときには、60ユーロ。でも、とっても貧しい人が連れてきたときは30ユーロ。彼らは自分の食べるものまで控えて手術代を捻出し、餌を与えているのです。

<愛護会員>だから、そういう猫には、ただで行う獣医もいます。
要は動物への愛情の問題ですが、野良が増えるばっかりで追いつかないのです。ベッティさんのお力もぜひ、お願いしたいところです。

<ベッティ夫人>あたくし、手術費用として、50,000ユーロ寄付さしていたしますわ。どう?

<獣医、愛護センター一同>えっ?本当?、本当なんですか?夢じゃないんすか?

、<ベッテイ夫人>でも条件付よ。うちのイチロに手術しろなんて、二度と聞かせないで。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 17:08 │Comments3 | Trackbacks0編集

猫・ショートショート あと64話
シュジュツ 第2エピソード
jas

明け方のサロン。雄猫ジャスが正座して、夜明けの街を眺めている。

この家の飼い猫ミヌーがひっそりと入ってくる。
ジャスの姿を認めると、シナをつくりながら、毛つくろいをはじめる。

ジャスの反応がないので,少しいらだちを見せるが、気を取り直して,ちょっと近づいて、

「おはようございます、ジャスさん」
「ああ、おはよう」
「昨夜はよくお眠りになられたかしら?慣れないところでのお休みは、最初はなにかと神経が疲れますものね。あたくし、ミヌーと申しますの。よろしく」

「私の名はジャスだ。この2週間厄介になるよ」
「とっくに存じ上げてますわ、あなたのお名前は。山下さんのご自慢のネコさんですものね」
「山下君(実は飼い主、)が、一時日本に帰国したので、その間あんたの家に居候させてもらうことになった」

得意の喉をコロッと鈴のようにならして、
「ジャスさんはお聞きしていたとおり本当に素敵な方ね。それに、とってもセクシーだわ。お名前も男性的」
(わたくし、もう、すっかり燃えてしまって、今夜は一睡も出来ませんでしたの)

「私はジャスミンの木の下で生まれたので、ジャスと名づけられたらしい」

「まあ、そうですの。名前の由来もロマンがありますわね」
(ジャスミンの下で雨に濡れて捨てられていたのが真実らしいけど、オホホホホ)

「私も君のことを気にいっているよ。昨夜、ちらっと見たときから」

「ええっ?本当?うれしいわ。どんなふうにかしらん?恋人として?奥さんとして?それとも、ただちょっとだけセクシーってこと?」

「セクシー?奥さん?恋人?いろいろ込み入ったこと言ってるようだが、そんなことがそれほど重要なのかね、友情に?」
「ユージョーですって?」
(いやよーっ、そんなの!)
ミヌーは意を決してジェルに近づいてクンクンやっていたが、鋭い叫びをあげる。

「まあ!変だ、変だと思っていたんだけど、やっぱりそうだったの・・・ジャスさん、あなたは・・・」
「なにが?」
「シュジュツをなさったのね、あそこの。お小さいときに」

「そうらしいな。私はまったく覚えていないけどね。君は?」

「(毅然として)私の主人は自然主義者です。何でも自然のままが一番いいと・・・」

「そうかな?シュジュツ料を渋ったりする締り屋や、無関心で無責任な人間はみな、同じことを言うらしい。まあ、そんなことはどうでもよろしい。でも、覚えておきたまえ。
シュジュツは、我々ネコのため、同居の人間のため、街のため、ひいては国のために、とってもいいことなんだそうな」

「それ。どういうこと?わたしには難しすぎる理論だわ」

「ところで、なにがそんなに君を失望させているんだね?」

「だってェ・・・ジャスさんのように男っぷりがよくセクシーな方が、シュジュツさせられていたなんて。
世の中、何と不合理なんでしょう。わたしの絶望感もわかってちょうだい」

「おやおや、そんなに深刻なものなのかね?アイヨクとかセックスとか、煩わしいことに一切妨げられずに、穏やかに生きていくのが、私の心情なんだ」

さて、腹が減った。もう、7時半を2分も過ぎてるのに、どうして食事が出ないんだろうかね。
我が家では山下くんは毎朝、7時半かっきりに食事の用意をしてくれるのだ」

「うちの主人はフリーデザイナーで夜型だし、食べる時間なんて決まっていませんのよ。朝は7時だったり10時だったり、そのときの都合次第」

「じゃあ、君のだらしないご主人とやらを、起こしに行こうか」

ジャスがすくっと立ち上がり、頑丈な肢体を思いっきり伸ばす。
「あ~ァ、シビレちゃう~~」(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 17:03 │Comments0 | Trackbacks0編集

猫・ショートショート  あと65話


っっh

シュジュツっていいな!

野良猫たちが集まる空き地にて。

<野良猫ボス>プー!どこをほっつき歩いていたんだ、心配してたぞ。
魚屋の残り食いに行くって出かけたっきり、3日も帰ってこないんだからな。

アッ!お前、右耳の先っちょ、切られてるぞ!ずいぶんきれいに切ってるけど。
敵の牙は、オレたちの牙とは形が違うみたいだな。どれどれ・・・

<ちびっこ猫プ>、イヤーン、触らないでェ。まだいたいのよーん。

<ボス>なんだよ!その言葉使い。

<プ>あのね、ボクね、ビョウインに入ってたの。

<ボス>ビョウイン?
<プ>そう、おにいちゃん、知らないの?

<ボス>おいおい、てめえ、オ二イチャン!だなんて甘えた声だしやがって。今までどおり、兄きーィって呼ぶんだ。調子狂っちゃうじゃんか。

<プ>・・・(上目使いで小声で)アニキちゃん。

<ボス>ウヘッ!背筋がぞーっとする・・・まあいい。そのうちオレがキョウセイしてやる。

<プ>あのね、ボクもよくわかんないんだけどさ、ビョウインってねシュジュツするところなの。
足の間をちょこっと切って、耳の先もちょこっと切ったりね。

<ボス>シュジュツすれば、腹が減らなくなるのかよ?
<プ>さあ、ボクわかんない。でも、お医者さんが話してたの。
シュジュツはボクのため、ネコちゃんみんなのため、街のため、お国のために、とってもいいことなんだって。

<ボス>耳の先っちょ切られてるのは何のおまじないなんだよぉ?
<プ>これ、シュジュツをやった印。勲章みたいなもんだって。だから、ボクは偉くなったの。
<ボス>ふーん?じゃあ、おれもシュジュツとやらをやったらいいっていうのかい?

博学女史ネコ登場。
<博学女史ネコ>もう、遅いわよ。あんたみたいなおいぼれがそんなことやったら、ころっとイチコロだよ。生まれて、8ヶ月くらいたった、ハツラツネコたちだけがやれることなの。

<ボス>博学ババア、説明してくれ。それでどんな効果があるってんだよォ。

<博学ネコ>シュジュツをすることによって、清らかな生活が送れるようになるの。
あんたみたいに、朝から晩までメスネコをおいまわしたり、おしっこをふりまいてギャーぎゃーわめいたりする柄の悪いネコもいなくなるのよ。これで、平和な猫の世界がおとずれるのだわ。
あたしも安心してこの世を去れるわ。

<ボス>わかったわかった。プのように、まるで玉ぬいたようになっちゃうってことか。
オレは反対だ!!!絶対反対だぞ~っ!

<プ>あ、タマコチャンが来る。タマコちゃーん。元気ィ?

<ボス>ああ、何てこった。タマコチャンだってよゥ。3日前までタマ坊って、追っかけまわしていたのによ。
世も終わりだ。シュジュツって、すっごくおっかないものに違いねえ。

<プ>タマちゃん、体の調子いい?
<タマコ>いいわよ。プにいちゃんは?

<プ>あのねアニキちゃん、ボクとタマちゃん、同じときに,同じベッドでシュジュツしてね、一緒に目が覚めたの。だからとっても気が合うんだよね~ぇ。
<タマコ>そうなのよね~え。

<プ>レストランの台所に偵察に行ってみる?
<タマコ>うれしい!プにいちゃんの行くところだったら、どこでも一緒よ。

ララ、ララーン~、
ニャニャ、ニャンニャン~(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 15:36 │Comments0 | Trackbacks0編集

猫・ショートショート あと66話


ninnpu

『妊婦と赤ちゃんとネコちゃん』


猫を飼っている人たちの疑問を聞き、手助けをする定期講座です。

<担当者>今月は「飼い猫の嫉妬と気まぐれへの対策」というテーマで講義を続けてまいりました。先週はネコが気に入る家具と音の位置についての講義でしたが、とても有意義な講座だったと好評でした。さて、今日は最終回です。

そこで最もご要望の多かった深刻なテーマ、
「生まれてくる赤ちゃんとネコちゃんが、最初から仲良くうまくいくようにする対策について」という問題に取り組みたいと思います。
(参加者から拍手)

さっそくテーマに入りましょう。

妊婦がつい犯してしまう過ちとは何か?

生まれてくるあかちゃんに愛情投入が過剰になり、飼い猫の存在を忘れてしまうことなのです。そのために猫はメランコリーになったり、凶暴になったりするケースが多いのです。
(妊婦たち、深刻にうなずく)

それを防ぐにはどうしたらいいのでしょう。
解決法はこれです。
お腹がおおきくなってきたら、徐々にネコちゃんの好奇心を満足させるよう務めることなのです。

具体的には?
赤ちゃんのことを、新しいお友達として納得させることなのです。
(会場からため息が)

<担当者> みなさん!お人形はもっていらっしゃいましたか?
<妊婦たち一同)>ハ~イ。

<担当者>ではそのお人形を生まれたばかりの赤ちゃんと仮定して、やさしくおっぱいを飲ませるポーズをとってください。
そうそう、みなさんさすがね。

お人形におっぱいを飲ませているところにネコちゃんが登場いたします。

ネコちゃんは最初は離れて見ていますが、興味を感じはじめ、少しずつ近寄ってきてお人形、実は赤ちゃんにさわろうとします。

そのときに、ネコちゃんに「赤ちゃんはあんたのお友達。可愛がってあげてね」
とやさしく言って、猫も愛撫してあげてください。

出産まで繰り返しているうちに、ネコちゃんもいつのまにか、新しいお友達が出来た気になってくるのです。
そうなれば、もう、心配なし。
生まれて来た赤ちゃんとネコちゃんを含めた、楽しい家庭を作ることができるでしょう。

さあ、みなさん、心をこめてやってみてくださいな。
私がネコちゃんのぬいぐるみを持って回りますから、本当のネコちゃんだと思って、いたわってあげてください。

・・・・そうそう、よくできましたね。じゃあ、次の方・・・思い切って、本当におっぱい飲ませるように感情を込めてやってみてはいかが?

<妊婦 G>ブラジャーもはずしてやってみようかしら。
ほんとう、このほうが気分が出るわ。
(ぬいぐるみのネコにむかって)「ジミーちゃん!あんたのお友達ができたのよ。うれしい?さ、イイコイイコしてあげて」

<担当者>ファンタスティック!!あなたは、赤ちゃんとネコちゃんのための、最高のマンマになれます。
じゃあ、次の方。

<妊婦 P>あたしはいつもノーブラなの。クチャクチャ。
<指導員>ガムはなるべく控えてくださいね。クチャクチャの音はネコの聴覚の神経には、あまり喜ばしくはないらしいの。

そうそう、立派だわ。可愛い赤ちゃんを作ってくださいね。
さあ、次の方。

<妊婦 F>我が家には適度な大きさの人形がなかったので、ここに来る前にウサギのぬいぐるみを買ってきたんです。女房がウサギがだい好きなので。

<担当者>あら~っ、男の方なのねっ!!!

<妊婦 F、実は男性>申し訳ありません。驚かせてしまって。
・・・でも胸に膨らみがないから、実技が難しいですなあ。

<お隣の妊婦>ほら、あたしのスカーフかしてあげるから、それを入れてふっくらさせると、実感がわくわよ。手伝ったげる。

<男性>ありがとう。これで何とかやって見よう。
「リリーや、赤ちゃんがおっぱい飲んでるんだよ。かわいいだろう?いいお友達になってあげるんだよ。」
こんなもんでいいんですかな?
(大拍手)

<担当者>今日の講座は女性ばかりと思っていたけど・・・すごいハプニングね。
<男性>はあ、実はですねえ、つまり・・・

<担当者>ツワリ?
まあ、奥様がツワリのために、旦那様がかわりにいらしたのね。みなさん聞きました?
なんて素敵なカップルなんでしょう!
(妊婦たちの大きな拍手)

<男性>いえ、つ、つまりですね。我が家では、猫の面倒を見るのは僕の役目なんですよ。女房が、だったらあんた行って来なさいよ、と言うもんですから。(K)



| 猫.cats,gatti 100の足あと | 23:32 │Comments2 | Trackbacks0編集

| Top |

すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

06 | 2009/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

すむらけんじへメールする

名前:
メール:
件名:
本文:

イラスト、写真、文の無断使用を禁止

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。