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イタリア猫ショートショート<あと33>
枕もとのネコ<その1>

na


クリスマス・プレゼント

ロージとバルトの小さく熱いキス・・・。2人は席を離れ腕を組んで庭の方に歩いていく。バルトがガラス戸を開ける。肌を刺すような風。

夜は更け、パーティはお開きになった。レストランの中は、もうわが事務所のメンバーだけ。
飲んで食べて大騒ぎして・・・いつもの忘年会スタイルなのだ。

カウンターでコートをとショッピングバックを受け取りながら、ロージは僕を見る。
「あんた、飲みすぎたんじゃあない?」
バルトは彼女がコートを着るのを手伝ったあと、
タバコに火をつけながら、僕に言った。
「お前のアパートまで送っていくからな」
「いいや、地下鉄で帰るから大丈夫だよ。それともタクシーで」
「バカ言うな。こんな年末にタクシーなんか捕まらないぞ。それにお前、結構酔ってるじゃあないか」
そうだよ、やけ酒らしいよ。

ロージが紙袋の中からリボンのついた包みを取り出した。
「ほら、プレゼント。これはバルトに。これはジョヴァン二に」

でっかいプレゼントは僕のためで、バルトのは小さくうすっぺらだ。
「これ本だな」
「そうよ。父が出版した最も新しい本なの。読んでね」
「もちろん。クリスマスまでに読まなきゃあ。君の父さんに感じたこと、遠慮しないでぶちまけるぞ」
「パパは大喜びよ。若い人に読んでもらいたいんだって」

バルトを見上げるロージの熱い眼差。
そしてまたまた軽いキス。

同僚たちは、コートを受け取って雪の闇に消えて行く。
歌を口ずさんでいる者もいる。
メリークリスマス!
これから長い休暇がはじまるのだ。

仕事開始はエピファニア(1月6日)が終わってから。
長い孤独な休暇、どうして過ごせばいいんだろう自分は。

「ジョヴァン二起きろ、着いたぞ」
「彼ったら大丈夫かしら?ちゃんとエレベータまで歩いて行けるかしら?」
「大丈夫さ。自分の家の前なんだから」
車の音が遠くなっていく。
       

頭痛で目が覚めた。部屋の中はすでに明るい。
冬の鈍い太陽が差し込んでいる。
胸がやける。あきらかに飲みすぎなんだ。

あれっ、ネコのポがオレを覗きこんでいる。
ジヴァン二くん、おはよう。やっとお目覚め?

ポが首に大きなリボンをつけているのでびっくり仰天。
真っ赤なリボン、金の縁取りがしてあるプレゼント用の安物のリボンだ。
リボンを付けて真面目腐って僕をみているポがなんともおかしい。

ポよ、お前が唯一の友だよ。
ありがとう、ジョヴァン二君。でも、やけ酒もほどほどにしないと。
ところでお前、なんでーえ、リボンなんか巻きつけてんだい?

このリボンがポの首にまきついているのはどうしてだろうかね?
と考える前に、自分が着替えもせず、スーツのままでベッドにぶっ倒れて、朝まで寝こんでしまってたことをに気がついた。

昨日戻ってきてコートを脱ぎ捨てるとベッドに腰を下ろしてプレゼントを開けて・・・それから・・・中身は目覚まし時計だったな,確か。
ロージのやつ、なんで、こんなものを?
子供だましの目覚まし時計。
(バルトには父親執筆の新刊本。この差は大きい)

箱から目覚ましを取り出すこともなく、リボンをポの首に巻きつけた。
ポ、よく似合うぞ!お前もクリスマスだ。
ポは全然嫌がらず、神妙にしていた・・・

ロージとバルトが親密な間柄どころか、もうすでに婚約まで突っ走ってたことは知らなかった。
他の連中だってとっくに知ってたに違いないのに、知らなかったのはこの間抜けのオレだけ。

この小さな建築事務所に就職して以来3年間、オレはずっとロージのことが好きだったのだ。
向かい合って仕事をする彼女は、優しく快活で美人でセクシーだった。
「とっても美味しいサンドウイッチ作ってきたの。あんたも食べる?
お礼を口実に、映画や食事にも誘ったし・・・

オレの情熱はエスカレートしていった。

だが、この7月、チーフとしてバルトが入社してきて、彼はさっとロージをモノにしてしまったのだ。
あっという間に。
ロンドンから帰って来たばかりの、姿もカッコいいバルト。

目覚ましの箱と包装紙の間に小さなバラ色の封筒が見えた。
それを手にすると、再びベッドに体をぶっつけて封を開けた。
心なし震える手で。

{カーロ・ジョヴァン二、
クリスマスおめでとう。
年明けそうそう遅刻してはだめよ。ロージ}

遅刻の常習犯でボスから小言を言われ続けていた友への思いやり。やさしいロージ、
でも、ただそれだけ・・・

白い天井を見つめている目がくもってくる。
リボンを付けたポがそっとすり寄ってきた。(K)
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| 猫.cats,gatti 100の足あと | 10:01 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート<あと34話>


ashi

ネコ好き、きれい好き

ロッシ家のベベ「さあ、ご飯よ。みんな手を洗っていらっしゃーいって、家の奥さんはいつものように子供たちに言ったんだ。そしたら、次男が何てぬかしたと思う?オレ、今日はネコ触ってないから手きれーいなんだー、だとよ!それでオレどうしたと思う?ご飯食べたあと、グーグー昼寝しているときに次男の手と顔をぺろぺろなめてやった。夕食のとき、兄貴が、ぺぺがお前の手と顔ぺろぺろやってたけど気がつかなかったんだな、って言ったら、青くなってごしごし石鹸で洗ってんだ。見ていろ!次はあいつの口の周りもしっかりとなめてやる!!」

マントヴァー二家のニーロ「悪ふざけはいいかげんしておいたほうがいいのよ。ボクなんかあんまりオイタがひど過ぎるってことで、虚勢されちゃったのよ」

ブルスキー二家のプリン「ベベったら、不潔に思われているのね。考えられないわぁ。うちなんかまったくの逆よ。主人が外から帰ってきてあたしがすり寄っていくでしょ。そしたら、プリンちょっとまってね、今、パパ手洗ってくるからね、って。手をきれーきれーしてそれから抱き上げてくれるの。いいわあ、石鹸の匂い大好き。パパはあたしが好きな石鹸の匂いまでちゃんと覚えているの。パパいわく、そとは地下鉄でもバスでも汚れているから、プリンに悪い病気が移ったらこまるからな、だって」

河村家のボン太「うちのおじいちゃんは足の裏をすっごく気にするんだ。みんな靴脱いであがる習慣になっているから、おじいちゃん、たえず見張ってるんだ。孫にお前の仲良しの山田くんの足の裏は汚かったぞ、長谷川くんは行儀はいいが足はいつも臭いぞとか」

べべ「じゃあ、お前の足の裏も点検されているってわけか?」

ボン太「窓口とかドアのところにいつも雑巾が敷いてあってね、ボクが外から帰ってきてそこを通り過ぎようとするだろ。そしたらおじいちゃんは大声あし(足)!ってでっかい声で叫ぶんだよ。5年も言われ続けだけど、おじいちゃんがいないとついさぼっちゃう。前足も後ろ足も雑巾によくこすりつけてね、それから入るんだ。そしたらおじいちゃんはご褒美にアサクサノリやメザシくれるんだよ」

べべ「そういうふうにして仕込まれたってわけか。オレは絶対に従わんぞ」

プリン「あたしはとってもいい習慣だと思うけど。だって,ネコってとても清潔な動物なのよ」

ボン太「従わなければおじいちゃんは家の中に入れてくれないよ。妹のマイコはいつも家の外だ。ご飯は食べさせてもらえるけどね。そうそう、この間ね、お客さんが来て客間(日本間)に入ろうとしてたとき、僕も窓からはいろうとしてたんだ。そしたらおじいちゃん、大声で足!ッて叫んだもんだから、お客さんおったまげてね、自分の足の裏見たら靴下に大きな穴があいてたんだ。その人、もう真っ赤になっちゃって、すみません・・・・だって」

一同「アナがあったら入りたいニャア!」(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 01:36 │Comments2 | Trackbacks0編集

食いしん坊!自己流イタリアンのミャオけん。
200kmの高速走って、イタリア最高のピッザを食べに行って来た報告です。

Pizzeria Toninoto 1
そうなんだよねえ。ちょっと遠いんだよねえ。ミラノーボローニアだもんね。

「200kmも走ってピッザを食べに行くなんて、イタリアだから出来ることよ。あたしも行きたいわあ」
とM夫人。
じゃあ行こう、決めたっ!

目的のお店は『Pezzeria TONINO』
ナポリはイスキア島出身の超ナポリピッザを期待!

凄い!東京にも店持ってるんだって。
3人兄弟が力を合わせてやってるんだそうな。
そんなエピソードも魅力的だよね。

車は、やはりピッザには眼のないL氏ので。
これ新車。トヨタの何とかいう車。まだ、3日前に購入したばかりなので、他人に運転させることは絶対にゼッタイにイヤだそうで、おかげでミャオけん、しめしめ、これで安心して飲めるぞ!

秋晴れのロンバルディア州、エミリア州を走りに走って、着いたのは1時過ぎ。予定より遅れた。
何しろ新車なのでスピードは御法度だそうで、piano pianoだったものでね。

タイトル

ご覧のように馬鹿でかいピッザではなく、こじんまりしたもの。中は徹底的に薄く、囲いだってパリパリではなく、ふっくらと出来たてのパンのよう。
これが、伝統的なナポリピッザの真髄なんですね。
一番シンプルな『Pizza napoletana』、アンチョピがたっぷり。おいしい!
やっぱり真髄に触れることは至上のこと。
何と、このピッザ店、イタリアピッザ協会から、最高のピッザとしてプレミオを受けたそう。
ミラノからわざわざ来た甲斐はあったってわけ。

と2

簡単なピッザでも、まずは素材第一。
大盛りの新鮮なトマト見て下さいな。これを使うんだから、ひと味違うのは当然。
カンズメなどとてもじゃあないがと、大量のトマトを仕込んでいる光景は、シチリアでもよく見かけた。
輝かしい太陽を思う存分吸収したトマト達。
真っ赤なトマトの国イタリア。

若いピッツアイヨーロが、愛想よくカメラに答えてくれる。
僕らのピッザで昼の部はおしまい。パスタをぽーんと宙に投げての大活躍をカメラに収められなかったのが、ちょっと残念。でも、次の機会に。

ろb

この抜群カッコいい青年は経営者3人兄弟の末っ子、ロベルト君。
彼が、我々のサービスにあたってくれました。


もちろんピッザ以外のものも食べました。
『PIZZERIA TONINO 』何て言っても、実は本物の Mediterranea(地中海)料理も食べさせてくれるところでもありました。
これはご覧の通りムール貝。
ムール
他にタコとじゃいものいわえたものは、ティピコ・ナポリ料理。
一度食べたら忘れられないという日本人はいっぱいいる。残念ながら写真が大失敗だったので紹介できません。ちょっと酔ってたんだよね、もうすでに。真っ昼間から飲むのは謹んでいるので。

ワイン

ワインはイスキア産の BIANCO SUPERIORE。12度。
写真は小型ボトルです。
何しろミャオけん意外は一滴も飲まない方々だったもので、ミャオけんもこれ一本で昼間っからホワーッとした感じに。それがたたってぶれた写真が多かったのは遺憾この上なし。

desa

それぞれのデザート。これは最高だった。
このデザートについては次回改めて書きます。失礼!メモがどっかにいってしまったので。


NOI
食事の後の満足した我々。M子さん、L氏、そしてミャオけん。
インテリアも素敵です。ふるーい南部(イスキア)の崩れた民家のようなインテリア。
実際は天井もぐーんと4m以上もあって広々として、ゆったり。ところどころに蒼のカラーがしみ込んでいて(又は照明で?)真っ白な壁面と調和して、透明な海の中を連想させます。

ROBLUCA
ルカ氏とロベルト兄弟。
このフォトもボケてしまって、ごめん!!
食後は必ず眠気が襲うので。
トニーノ氏は東京のお店。
ボローニアと東京を結ぶ同時放映も出来るそうです。すごい!

さて、これからL氏の運転する新車の中で一眠りか・・・・
いいなあ、遠くまでピッザ食べに来るなんて。(K)

ボローニアと東京のお店のアドレス書いとかなきゃあ。

VIA CAIROLI 16 BOLOGNA      051ー5882700

東京都世田谷区松原3-28-10  03-3324-3090






| けんじの自己流イタリアングルメ | 04:57 │Comments1 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート<あと35話>
6人用の食卓にまた5人も増えておおあわてだったが・・・enrico

タクシーの運ちゃん・エンリーコ<2>

「パスタは女房が作って持って来るから心配するな」
招待の日も迫って来たころ、エンリーコが言った。
「ジャコモはワインを持って来る。何本必要なのかおまえに聞いてくれと言った。アルドはケーキ持参だそうだ」

どうやらチェーナ(晩餐会)は少々方向を変えて来ているようだ。
とにかくプリモとデザートとワインは差し入れがあるから、前菜とセコンドとチーズとフルーツを準備すればいいのである。
セコンドは安くて自信のある七面鳥のアローストでよかろう。
常連の虹子とマルコは「またぁ?」って言うかもしれないが構うもんか、主賓ではないのだから。
前菜は蒸しハムのムースと、ニシンの北欧風水づけ、サーモンとスパーニアとタマネギのサラダでどうだろうか、自信作ばかり。他の招待客だって何か持って来るだろうし、ワイン、シャンペーンが切れてしまう心配は全くないのだ。
ボクはすっかり気をよくした。

エンリーコの奥さんの名はエリザベッタだが、通称ベッタ。彼女はミラノ・リナーテ空港のチェックインで働いている。エンリーコとはディスコで知り合って結婚したそうだ。
ベッタは老人ばかりがやたらと多いこのアパートでは第一番のモダン美人で、スラリとしてボクよりもかなりに長身だ。にも拘らず足の美しさを強調するためか、いつもとびっきり高いかかとのヒールを履いているから狭いエレベーターで一緒になるとぐーっと見上げてしまう。

旦那のエンリーコは南部の出身で、オリーブ色の艶やかな肌、ちじれた黒い髪を真ん中で分けて長くたらし、鷲鼻でちょっと古典的な風貌だ。この夫婦はよく喋りよく笑って、底抜けに明るいところが似ている。彼らもネコを2匹買っている。

そのベッタが自宅から、まだジュ、ジュッと音を立てているカネッロー二を、両手に登場したときには一同は大喝采。匂いに惹かれたカロータもサロンから出て来てテーブルの下にもぐり込む。
押し合いへしあいのチェーナは盛り上がってきた。


虹子とエンリコの甥のカップルは12時過ぎには引き上げて行った。
紅一点で頑張っていたベッタも、やがて「あたし、もうだめ」とひと言。眠そうに帰ってしまった。

残ったメンバーは時間の経つことなど頭にない。
彼らは腹に力をこめ、議論し、相手をどやしつけ、からかい、洒落を連発し、笑い、また大声で議論を始める。

その夜コーヒーはなんと3回も入れ換えた。たっぷりあったワインも、シャンパーンも全部空けてしまった。ただ、イタリア人にはあまり飲まれないウイスキーだけが残ってしまった。
エンリコは「俺にまかしとけ」と言って、家に飛んで帰るとコニャックとピスタッキオを持って戻ってきた。

セミフレッド(冷果)の大きなケーキを手に訪れたアルドという青年は、製菓会社のプレゼンテーションの仕事についているとのことだった。1時間も遅れて来た彼は、お得意さん回りに時間が掛かり、会社にも戻らないで直接来たのだと弁解をしたのが災いとなって、1時もとっくに過ぎて何も食べるものがなくなると、「下りて行ってケーキを持って来い!」とけしかけられた。
アルドがケーキの入っている冷蔵庫付きのライトヴァンに乗って来たことを、皆は知っていたからである。
人のよさそうなアルドは、「商売用だからダメだよ」と、最初は抵抗したが、結局はヴァンからまた一つでっかいのを持って上がってきた。

Nがどんな仕事についているのかは、よく分からなかった。
ただ、定職に着く必要などない身分のようで、遊び半分ACミランのフアンクラブの記念品販売に関係しているようなことを言っていた。

弟のGは、将来バーを経営したいなどと話していた。彼は、仲間では一番あか抜けしてハンサムだが、歯が黒くガタガタに欠けていて、口をあけると綺麗な顔が台なしになった。
ずっと聞き役にまわっていた銀行員のマルコが酔いのためか、突然、意外なことを言った。
「金に不自由しないのに、なんで歯を矯正しないんだよ?」
Nは「俺の一番憎むべきことは、歯医者にいくことなんだ」
と悪びれずに言って笑った。

めったメタ飲んでいるのに、悪酔いしたり、からんだりする者が一人もいないのには感服した。車で来ているので泥酔は許されないのだ。それにしても空けたワインのすごさ!

深夜の2時を過ると強烈に眠気で、何も耳に入らず、眼を開けておれなくなってしまった。ほんのちょっとだけとこっそり席を外し、ボクは寝ていたカロータを抱き締めてサロンで横になった。申し訳ない、ほんの5分だけね・・・

脚をひどく突っ付かれて眼が覚めた。
エンリコとマルコがボクの顔を覗き込んでいる。
「客をほったらかしてグーグー寝てしまう奴なんて、俺は初めてだよ!」
エンリーコがわめいている。
他の客達は、たった今、帰ったばかりだと言う。時計を見ると、もう3時をまわっていた。

というわけで、第一回目のエンリーコへの感謝のチェーナは、一応成功に終わったようだ。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 00:00 │Comments0 | Trackbacks0編集

猫ショートショート<あと36話>
留守中にネコの面倒見てもらうことになったが、お礼は何をしようかと悩みっぱなし・・・
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タクシーの運ちゃん・エンリーコ{1} 

上に住むタクシーの運ちゃん・エンリーコと急速に親しくなったのは、夏のバカンスも一週間後に控えていたときだ。 
「旅行中、誰かがカロータの面倒を見てくれるのかい?」
 エンリコが聞いたので、
「この2年間はペンションに入れてるんだ」と言ったら、
「なんだって? ペンションだって? 病気が移って死んでしまうぞ。よし、おれが面倒を見てやる」

 自分でも猫を飼っているエンリコは、有無を言わさず引き受けてくれたのである。
「これはほんの気持ちだけど、取ってほしいんだ」
ブラジルに出発の前日、エンリーコに謝礼として小切手を渡そうとすると、急に厳しい顔になった。
「 馬鹿を言っては困るよ、俺達は友達だろ!」
とガンとして受け取ろうとしない。小切手を手にして押し問答をくり返したが、結局こっちが下りた。

「彼は多分南部の人間なのだ。誇りを傷つけるようなことになったら、コトがややこしくなるぞ。俺なら、そうかい? グラツェエミッレって、あっさり受け取るがね」
と言ったのは、ブラジル旅行の相棒であるマルコ、彼は生粋の北部人なのである。

だからブラジルを旅行している間、おみやげのことが頭から離れなかった。
旅行はほぼ一ヶ月、長い。その間毎日来てもらうのだ。いくら近隣のよしみとは言え、粗末なみやげ物であってはならない。だが、せっかく高額払ったのに、安物と思われても困る。大体、エンリコの好みだって何も知らないのだ。タクシーの運ちゃんの文化的レベルとは、どの程度のものなのであろうか。
旅行も終わりに近づいてくると、気が気ではなくなった。あいつ、小切手を受け取ってくれていたら・・・ああ、これならカロータをペンションに放り込んどけばよっぽど楽だったかも。

義務的なおみやげをするほど苦痛なものはないってこと。
とにかく、父子揃いのTシャツだとか御影石の置き物(これは結構値が張った)とかそろえて、ミラノに戻って来るとすぐにお礼に行った。
だが・・・ありがとう、と嬉しそうに言われても、ほんとうに喜んでくれているのかどうか疑わし気に、相手の顔色をジーッと見てしまう。

「カロータがすっかり俺になついちゃってね。ドアのところで、もう、体を擦り寄せて来てねェ、アッハッハッハッ」
エンリーコにそんなことを言われても、的外れのことを聞いているようで、別に嬉しくもない。知りたいのは、選りに選り抜いて買って来たお土産を気に入ってくれたかどうかである。これだけ苦労して買ってきたのに「喜んでもらったんだ!」と、ずしーんッとこないのだ。

「いずれ落ち着いたら、我が家に食事に招待するよ」
と、帰りしなに、フッと思い付いて言ったら、エンリーコの顔がキラリと輝いた。
「ブラーヴォ! そう来なくちゃあ」

明らかに手ごたえがあった。
簡単なことではないか。どうして食事の招待のことを考えなかったのだろうか。
手みやげプラス食事の招待で謝礼は『完璧』になる。
(そうと分っていたら、あんなに値の張る置き物でなくてもよかったのだ。我が家のサロンに飾れば最高だったのに・・・)   
                                                                                                                                                                                                                                                                                      
善は急げと、さっそく招待は翌週の金曜日の夜ということにした。
内装したばかりのダイニングルームで食べよう。自慢のクリスタルのテーブルは6人用である。
さてと、問題は6人のリストである。エンリーコと女房のベッタ、小学校一年の息子も一応数に入れておかなければならない。あとはボクと、一緒にブラジルを旅行したマルコと、親友の虹子。彼女の旦那はこのところ、出張ばかりだそうだから都合がいい。これで満席だ。

「来週の金曜の夜にご招待だ。8時半でいいかい?」
とエンリーコに伝えると大喜びでOK。

ところが次の日やって来て、子供は翌日学校があるから出席させないと言う。
「じゃあ、誰か呼びたい友達がいたら連れて来ても構わないよ」
エンリコの交際関係が結構盛んなことは気が付いていたからだ。

待ってました!
「甥のニコラと彼のガールフレンドを連れて来てもいいかな?」
「もちろん!」と答えたが、そうなると7人になってしまう。
ちょっと窮屈だが、仕方がない。このディナーはエンリーコへの返礼なのだから、彼の満足行くようにしよう。
ところが・・・

「親友のジャコモとアルドも呼んでいいかい? 俺、Kに頼んでやると言ってしまったんだよ。・・・でも」
彼はちょっと言いにくそうに、
「そうなるとNとGも呼ばない分けにはいかないだろうな」

気は確かなのかよ!
会った事もない見知らぬ人間が6人も、我が家のクリスタルのテーブルに顔を並べているのを想像して、背筋がゾッとした。(つづく)


                   

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 09:15 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート<あと37話>
亡き老婆の形見のドンドロは売り払われてしまったが・・・
鈍ソロ2

ドンドロ
ドンドロ(揺り椅子)に身をうずめた老婆は、赤いアイルランド風の膝かけをつけ、藤棚の下で、あたかも午後の昼寝を楽しんでいるように息を引き取っていた。
膝の上にはキジ猫のジルが、いつものようにうずくまって寝ていた。

         *

母親の葬儀も終ってしばらく経った頃だ。
「奥さん、私はメネギーニという者です。何か処分する物はありませんかね?」
ライナ夫人が庭で編み物をしていると、通りがかりのワゴンの男が、垣根越しに愛想よく声をかけてきた。

「古い家具や置物やランプでも食器でも何でも、処分したいものはありませんか?私はときどき郊外を巡回して、掘り出し物を探してるんですよ。なんでもいいんです古い物だったら。わたしに見せてくださいよ」

「そうねえ。・・・ドンドロならあるわよ」
しばらく思案したあとライナさんは言った。

揺れるごとにキィーキィー音を出すドンドラにはライナさんは辟易していたので、いいチャンスとばかり骨董屋に売り飛ばす気になった。母の遺品には違いなかったが、別に手放すことにそれほど未練はなかった。
夫と死別して独りになって以来、彼女は実家に戻って来て、ずっと病床の母親の最期まで面倒をみていた。
安楽椅子は母のお気に入りだったが、揺れるたびに微かにきしむキィーキィーの音に、ライナさんはノイローゼになりそうになったこともある。言うなれば亡き母親の『楽しくない遺品』なのだ。

「母さんの形見に取っとくつもりだったけど・・・でも、コモ(箪笥)や小テーブルだってあることだし。これは処分してしまおうっと」

ドンドラの上にはいつものようにキジ猫のジルが眠っていた。
ジルは老婆のお気に入りの雌猫だった。
生まれて間もなくこの家に貰われて来たのが、
10年くらい前だからそろそろ老境に入る頃である。
椅子のすぐ近くに寄り添うように老犬のシチューがうずくまっている。

「ジルや。ドンドロは売ってしまうからね。今日からは何処か別のところでおやすみ。サロンのソファアの上でもいいんだよ。あそこならもっと寝心地はいいはずさ」

メネギーニは金を払い、ドンドラと古いチーズ入れなどをワゴンに詰め込んで去っていった。
        *

猫のジルが姿を消した。

ライナさんは心当たりを辿って探したが、一週間たっても戻って来ない。
いままで姿をくらますようなことは一度もなかったのに。
母親ほど猫に愛着のない彼女は、そのうちジルのことは忘れてしまった。
         * 

40キロも離れた隣街の運河では毎月第3日曜にだけ、蚤の市が開かれる。

9月の第3日曜日に、いつものようにメネギーニも店を出した。
がらくた的であまり値の張るものはなかったが、その中に、数週間前に手に入れたドントラもあった。

メネギー二は本職は電気の修理工だが、古い物が大好きで、そんな物をかき集めて、一ヶ月に一回だけここで店開きをするのを楽しみにしていた。まったく売れない日もあったが、他の店の人間と話の花を咲かせ、退屈することなどまったくなかった。

一匹のキジ猫が現れて、ゴンドラの近くをうろうろしていたが、猫はゴンドラに近づくと匂いを嗅ぎ体をすり寄せた。客が近づくとそっと物陰に姿を隠し、店が閉じるまで動こうとしなかった。

その日、ゴンドラは売れなかった。

また、一ヶ月経った。
蚤の市に再び現れたキジ猫は前にも増してやせ細り、毛並みも悪く疲れ果ててみえた。

「ねえ、あの猫、先月もここで見たわよ。やっぱりドンドロの近くでね」
すぐ隣で古い絵はがきや雑誌を売っている女が言った。
「そうかね。そう言えばそんな気がするな。もしかしたらあいつの呪いでドンドロが売れないのかも知れんぞ」
男は冗談紛れに言って笑った。
「それにしてもこの猫、随分しょぼっくれてるなあ。病気持ちかも知れんぞ。さあ、どいたどいた」
夕方、商人も客もいなくなったゴミだらけの中で、猫はじっと座ったままだったが、やがてとぼとぼと何処へともなく姿を消した。

そんなことが数ヶ月続いた。
他の品は何とか売れて行くのに、ドンドラだけは取り残された。

      *

ライナ夫人のところに、久しぶりに、遠くに住む娘夫妻が週末を過ごしに来た。
「ドンドロはどこ?来年新築したら、あのドンドロを引き取るわ」

「ドンドロ?」
ライナさんは頓狂な声をあげた。
「あれねえ、売ってしまったのよ。もうずっと前に」

「売った?あれ、おばあちゃんの形見じゃあないの。私が死んだらお前使ってねって言ってくれてたのよ」
あきれ果てた娘は蔑むように言った。

「ところでマンマ、ジルは何処なの?姿が見えないわ」
「いなくなってしまったんだよ。探してみたんだけどね」
「あんなに綺麗でおばあちゃんの大切だったジル。新築したら引き取ろうと思ってたくらいよ」

ライナさんは亡き母と娘に一瞬嫉妬を感じた。
自分はこんなに母の面倒を見たのに、むしろ孫娘の方を気に入っていたとは。

彼女は思いなおして、メネギーニが置いていった名刺を探し出すと電話をした。
「あのドンドロ、もう売りさばいてしまったと思うけど・・・」

「いや、それがねえ、まだ売れてないんですよ。値段も手頃で、関心もった客はいたんですけどね。どうして売れないのかちょっと不思議なくらいだが」
「ああ、よかった!直ぐ買い戻したいの。他の品物と交換してくれないかしら?」
「もちろん。こっちが望んでいるところですよ」

翌日、さっそくドンドロは元の持ち主のところに戻った。

4、5日経った明け方のことである。
老犬のシチューが目を覚ますとテラスの飾りタイルの上のドンドロの横に一匹のキジ猫が横たわっていた。
シチューにはそれが変わり果てたジルであることがすぐに分かった。

シチューはよたよたとジルに近づくと、目の涙を舐めてやった。それから汚れた体も舐めて綺麗にしてやった。

ジルはドンドロに上がりたかったが、その力はなかった。
シチューがそれに気が付きうずくまったので、ジルはまずその上に乗って、それからドンドロにたどり着いて眠りに落ちた。そしてもう眼を覚ますことはなかった。

シチューはドンドロには上らなかった。
老婆から許可を貰っていなかったからである。(K)

 

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 19:26 │Comments0 | Trackbacks0編集

迷カメラマン・ミャオけんが EUROミャオミャオ撮り歩き
小さな田舎の幸せ家族を覗いてみたら・・・

ミャオけん

蛇口のルビとチワワさん

ルビはまだ8か月なんだもの。
クロワティアのじいちゃんばあちゃんネコに、ちょっとだけ食傷気味?になっていたミャオけん、ほっとするんだよね。
この鼻から口元・・・・あまいミルクの香りを感じるのはミャオけんだけかな?

ルビ1

ルビ2
少女雑誌のスターのようにポーズするルビ。

でも、ルビはあまり外には出してもらえないんだ。悪い犬がいっぱいいるんだって。
窓に網が張ってあるのは蚊が沢山いるからなんだってさ。
この村、偉大なるポー川と目と鼻の先なんだ。
夜なんか安心して歩けないよ。
ブ~ン、痛いっ、パチッ!!ブ~ン。

だから、我が輩も家の中からパチリ!
ルビはちゃんとポーズしてくれるんだ。
ありがとよ。
こっちはミラノから120キロも飛ばしてやってきたんだもの、残暑とはいえこの暑さ。

ところでと・・・ルビはルビネット(水道の蛇口)のルビ。
蛇口からジャーッと流れる音にを聞きつけて、何をおいても駆けつけるルビ!

ルビ3

ルビ4
美味しいわねえ、水道の水って。
あたし音も味も大好きよ。
お好きなだけどうぞ。このネコ、安上がりだね。


ところで・・・と、
しあわせを独占できるのはルビだけではなかった。
一年も前から先住のチワワさん。
邪魔者~~っとばかり吠え立てていたけど、最近は大人しくなったんだって。

でもチワワとルビは『仲良し』ではないんだ。
お互い空気ののようなおつきあいだってさ。
あたらず触らずのおつきあい・・・・
チワワさんの方が接近を拒否してる?

ルビ5

ルビ6

チワワさんとルビの抱き合って寝てる写真撮りたかったんだ、実は。
でもそれは不可能ということがわかったよ。
『抱き合えっ~~!』なんて命令したら、噛み付かれちゃうもん。


ルビ7
日が傾く頃はいつもこの窓辺にすわってすごすルビ。
遠い彼方の何を見ている?

『猫はいつも夢を見てるんだよ』
とは、親しい獣医さんがいってたな。


ルビ8

夜の挨拶をする奥さん。彼女にとってルビは宝物。
『かわいいわぁ』の連発。

おやすみ、ルビちゃん。

おやすみ、チワワさんも。(K)












| 巡り会った猫たち | 11:49 │Comments2 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート<あと38話>
3ヶ月も経ってやっと我が家に引き取られたカロータだったが・・・・

カロ2

カロータ生まれる<2>
九月に入った。
今夜はあの赤猫を我が家に連れて来る日である。
生まれたときからゆうに3ヵ月も経ってしまっているのだ。

ぐずぐずと決断不足で引き取りに行かなかったのではない。
実は乳ばなれした1ヵ月後には連れて帰りたかった。だが、八月には夏の旅行に出かけるので(またまた旅行!!)友人の親切に甘えて、旅行から帰って来てから引き取ることに決めていたのであるが・・・

「うわぁ、3ヵ月 ! こんなになっちゃうのかい?」

ややうんざり気味の声の色合いに、キラッ、友人の眼が光った。
今さら何を! 約束通り持っていってくれないと困るんだよ。

広々とした友人のアパートの廊下やサロンの中を、子猫達が我がもの顔で走り、縫いぐるみにじゃれついている。
あの親指大の面影など想像もつかない。途中の成長過程を見逃してしまったことがなんとも残念だ。それに一匹も売れてないのはどうしたことだろう。
(そんなことはどうでもいい。なまじっかまともに心配すると、待ってましたとばかり「2匹持って行けっ!」などと押し付けられかねないもんね )

「バカンスに出かけるために、猫や犬を捨ててしまうことは考えても、もらおうなどと考える殊勝な奴なんかいないんだよ」
後になって友人がこぼした言葉だ。

母猫は、これまた見事な三毛である。

『女としてやることはやった』

回りで煩わしく戯れる子供たちにもどこ吹く風、ソファーの真ん真ん中に陣取って眠っている。なんでもこのご母堂の出産回数は五回だそうで、その貫禄 !

その中で一番おとなしそうなのが我がカロータであった。
カロータとはイタリア語で『人参』の意味である。旅行中に考えだした名前がカロータ。旅先のドイツの田舎からから電話をしたら、友人にオスだよと言われて、ふっと浮かんだ名前だ。

カロータはイタリアでは女性名詞だが構わない、何となく日本的で愛嬌がある。『レオナルド』とか『ラファエッレ』などと呼ばれている猫にも会ったが、これじゃあまるで人間が猫に化けてしまったみたいだもの。

遅い夕食をよばれて、さてミラノに戻ろうと腰を上げた時は、すでに12時近かった。
カロータ用の新調のバスケットを用意して行ったのだったが・・・

案の定、檻のなかに入れられるやいなや、我がカロータはニャアニャアと派手に泣きはじめた。これから2時間近くも車を走らせなければならないので、気が重くなる。

さーァて、出発。
車の中ではずっと泣きっぱなしの叫びっぱなしだ。
こんなちっこい体で、よくもこれほどのエネルギーがあるものだと感心してしまう。
体中を動員して泣き叫び訴えているのだ。真夜中の高速をぶっ飛ばしながら、こっちも悲しくなる。

3ヵ月は確かに長過ぎた。
兄弟たちと母親と一緒にこいつは幸せだったんだ。
何の不安もなく、食べて、かくれんぼをして、玉を転がして、疲れて体を寄せ合って一眠りして、そんなことをくり返して朝が訪れる。そして又、楽しい一日。

ところがある夜、自分だけが強引に引き離されて、狭い檻の中へ閉じ込められ、真っ暗の中を音をたてて運ばれて行くのだ。
恐怖から助けを求めているカロータ。
こんなにまでして無理に引き離した自分は、一体何を望んでいるのだろう。

おい、カロータ、もう泣かないでおくれ。もうすぐ新しいお前の家に着くんだからね。

                       *
 
「もしもし、レナータ? 出来れば今日来てくれない? 猫を連れて帰ったんだけど、一睡もしないで泣き続けなんだ。どうしていいか分からないんだよ」
「あらーっ、新しい猫が来たの? 見たいわぁ。いいわよ。他を何とか断って、あんたのところに行くことにするわ。午後一番にね」

 掃除婦のレナータは今だに、亡きミヌーが大のごひいき。
それにこっちの気紛れと無責任さにもうんざりしているだろうから、ちょっと心配だったが、彼女の弾んだ声でほっとした。
なにしろいずれまた世話になるかも知れないのだ。
とにかくレナータが来てくれるまでの辛抱である。彼女はきっとカロータのこの悲劇的泣き声をストップさせてくれるに違いない。

昨夜連れて帰ってきてから、もう10時間も経っているのに今だにノンストップで泣き続けている。
昨日籠から出してやり、逃げだそうとするのを「おっと待った!はい、ここだよ」と砂箱を教えてやった。そして缶詰をあけて皿に盛ったが、泣き叫んで全く口を付けない。悲しくて怖くて食欲なんかないのだ。

「どうにでも勝手にしろ。泣くだけ泣いたら気も晴れるだろう」
僕は床に入ったが、カロータは一晩中泣きっぱなしだった。こっちも熟睡出来なかったので頭がぐらぐらする。
朝早く起きて見に行ったら、餌には全く口を付けていなかった。

だのに・・・ピピーはちゃんと箱の中でしていたのである。
よくやったぞ、カロータ!


「こんなに緊張してしまって・・・筋肉が堅くなってるわ」
ベッドの下にかくれて泣いているカロータを引っ張り出したレナータは、抱き上げて慣れた手付きで愛撫していたが、
「この猫、お腹すいてるんじゃあないかしらね」

「そんなはずないと思うよ。母親や兄弟から引き離されて、悲しくて食欲がないんだよ」
ボクは台所に置いてある小さな皿を見せた。今だに全く口を付けてないのだ。

「新しい餌に取り替えるのよ。これ、昨夜のものなんでしょ。猫って繊細なのよ、人間よりもずっとずっと」
語尾に力を入れて言う彼女に逆らわず、僕は皿の中の物を捨てて新しく入れ替えた。

と、どうだろう、カロータは彼女の腕からすり抜けるように飛び下りると、がつがつと食べ始めたのである。
ちょっと食べては「ミャーォ」と悲しげに我々を見上げ、またがつがつと食べて、一息ついて「ミャー」と泣いて、また食べ始める・・・

そんなことをくり返しているうちに、少しずつ落ち着いてきたらしい。
やっと泣くのをやめてくれた。
再び抱き上げたレナータの腕の中で、眠そうに小声で「ミャーォ」と呟いて眼を閉じた。

その夜からカロータは正式に我が家の一員となった。
寝ていない限りはいつも僕のまわりで、ちょこちょこと動きまわり遊んでいる。よくもこんなに遊べるもんだ。次から次へと遊びを発明しては、夢中になっている。そしてときどき思い出したように泣くのである。肌で感じる郷愁と悲哀。
きっとお袋や兄弟のことを思い出して泣いてるんだ、と思うと、ひたすらにいとおしかった。

さてと、台所からバルコニーに出るための透明なプラスチックの切り窓のこと。
出入りを訓練しなければならない。
これから秋も深まって行くので、普段はガラスドアを閉めてしまうからだ。
半円形の切り窓には前後にぶらぶら動くドアが付いている。抱きかかえて窓から外へ出し、中へ入れて、また出して・・・と根気よく繰り返しても、カロータは無関心そのもの、全く覚えようとする気がない。
おい、もっとまじめにやれィ!
「今夜のトレーニングはこれで終り。また、明日の夜だ」
翌日の夜も昨日のくり返しを何回もやって、「又、明日だよ」

そしてボクは台所のテーブルで手紙を書いていた。
カロータは例によって、僕の足下で小さなおもちゃを相手に独りで遊び戯れている。

手を休めてそれを見ていたときだ。
カロータは全力投球で突進し、派手にドーンと音をたてて、頭から切り窓を突き抜けたのである。
一撃加えられたプラスチックのドアが、前後に大きく揺れた。

「やったぞ! 悟ったんだな」

ボクは高々とカロータを抱き上げた。(終わり)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 15:10 │Comments3 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート<あと39話>
カロータは、この『ショート・シリーズ』の中で、何度も登場しましたが、これはカロータが生まれた時から,初めて我が家の家族になった時のエッセイです。

7 mici
カロータ生まれる<1>

「生まれたぞ!7匹も!いつ見に来る?」
哀れなミヌーが死んで一ヶ月も経った頃だろうか。
突然、友人から電話が掛かってきたのだ。

「当分は猫は飼わんことにしたって言っただろ? ミヌーを死なせたのは俺だ。俺は猫を飼う資格のない人間なんだ」
友人はアハハハと笑って、
「下らんことを言ってないで来てごらん。キミのあこがれの赤いのが一匹入っているようだ。何しろ、箪笥の高い所に生んでしまったので、見るには椅子に上らなきゃあならないんだけどさ。昨日ちょっと覗いてみたんだが、確かに赤いのがうごめいてたんだ」

「まず、確かに赤いのが生まれたのかどうかはっきりしないとな。見に行くのはそれからだ」
結局友人の熱気に押されて、その日の午後に見に行くことになってしまった。


籠のなかに、ボクの親指をすこし大きくしたぐらいの七匹の子猫がうごめいている。友人は箪笥から子猫達を下ろして、柔らかい布を敷いた果物籠の中に移しておいてくれた。

可愛くて珍しくて、ワクワクするとはこんな心境だろう。
人間の決意をぐらつかせる猫の可愛さって一体何なのだろう。
もう,しばらくは猫は飼うまいと決心してたのに。

体をぐーっと伸ばしてアァーっと大きくあくびをするのもいる。これはもう人間の赤ん坊と全く同じではなかろうか。こんなにちっこくて、しかもまだ眼も見えないのに、すでにそれぞれの性格の違いが現われているのだ。

ちょいちょいと指でちょっかいを出すと、それぞれ違った反応をする。指に抱きついてくる信頼型、喧嘩ごしに向ってくる抵抗型、知らん振りに眠っている無神経型とさまざまだ。

だが、僕の眼は一匹の赤い子猫を執拗に追っている。

親指でほんの軽く突っ付いてみたら、あれっ、怖がって逃げ出した。また突っ付くと、前にもまして、必死に逃げまくる。狭い籠のなかで眼の見えないまま、所かまわず這いまわってやっとのこと、まくれた布の中に逃げ込んだ。全部隠れきれなくて頭隠して尻隠さず。

可愛い。立派に育てたい。

何ごとも飼い主次第だと言うではないか。
そんなこと言う資格、オレにあるのかな?訴えるようなミヌーの大きな瞳がすっと、通り過ぎる。
ご免ね,ミヌー。

今日にでもミラノに連れて帰りたいほどだ。七人兄弟でたった一匹の赤。『ロッソ(赤)』といってもそれはイタリア式の呼び方であって、表現を変えればシャンペーン・カラーとでも言えようか。(つづく)


            

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 12:24 │Comments0 | Trackbacks0編集

迷カメラマン・ミャオけん、EUROミャオを撮りまくり
myao ken


foto1
ドゥブロヴニクの港。世界遺産に指定されている街。驚くほど多い日本人客。

クロアチアの居眠りネコ君たち

いやーあ、暑かったよ、この夏は。
涼づみがてら8月の終わりにちょいとクロワツィアに来てみた。
目的もないんだけど---出来ればアドリア海にドボーンって漬かるのが目的。
そしてクロワツィア猫くんの写真も撮らなきゃあ ネ。

愚かしい(!)戦いだった、って思うんだけど。同じ民族どうしで殺し合い。
火が収まって既に10年くらい経ったよね?
戦火の中をにげ隠れして生き残ったのは人間だけではない。
猫だって生き残って、もうそろそろあの世に召されるご老体もたくさんいるのだ。
例えば・・・1994年頃の生まれだったら、戦火の中でうまれたってことね。今15歳?
こんな平和な時代が来るなんて思いも及ばなかっただろうよね。

それにしても、この凄まじき復興。
もう、近隣同士の喧嘩はやめて欲しいよね。

え?眠くってしょうがない?わかるよそれ。
この戦争、もとはと言えば、宗教が原因なんだって。カトリック、聖公会、イスラム教、ごっちゃまぜが、独立するしないで内乱になった・・・内陸の方は知らなんだが、アドリア海に面した海岸地帯は旅行者でいっぱい。

ここで余生を過ごせるじいちゃん猫、ばあちゃん猫はしあわせ。


やあ、よく寝ますなあ、あっちでグーグーこっちでグーグー。
おひげにタッチせんばかりに近寄っても、お目覚めならないのは(又は目覚めている?猫ってこういうことになると動物の中でいちばんしたたかな種族)、いや、内乱の厳しい世代生き抜いて来た逞しさ、図太さと言うべきか。

観光客の浮かれた騒々しさなんて、子守唄みたいなもんなんだよ。
いや、恐れ入りました。逞しいですねえ。

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あ!ご老体目開いて大アクビした。そしてまた目を閉じる。

「あのーォ、写真撮らせていただきますよ。」
「え?ムニャムニャ、勝手にしろ、ミャオミャオ・・・・グーグー」

ff
本当はうす眼くらい開けて欲しいんですけどね。ま、いいでしょう。撮れないよりもまし。



fr
この階段古いんだよねえ。何百年前?
またここでも寝ているご老体。
ヒゲちょっと触ったら片目だけ開けて、またグーグー。
白昼の街中での睡眠。観光客はお邪魔にならないように、そーっと通りすぎる。
さまになってるなあ。

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この寝顔最高。これ、風呂桶かな?
その下で実に変わったポーズで寝ているおじいちゃん猫。
慣れてんだよ。どんな隙間にだって旨いこと肢体をなじませることには。

lllk
午後の裏道を歩いているのはこの猫君だけだった。
まるっこい石畳は、ミャオけんの疲れた足には負担だけどね。
すいすいと歩く三毛。丸い石畳の色が心憎いほど彼にマッチしている。

腹は減ってないよ。
ここはレストランの密集している所なんだ。

gg

df

ぐっすりのシロクロ君。
赤い首輪を見たとき、何となくホッ。
飼い猫はしあわせだよねえ。
戦後派の幸せネコちゃん。

ll
黒覆面。君、年いくつ?
多分2歳。
戦争を知らぬ世代の猫君。そんなセセッコマしいところにいないで出て来ておくれよ。
こんな顔じゃあ寝ているのか怒っているのか、全く見当もつかないよ。

bv
このご老体、夜になると眼がさえてくるらしい。
目つきは悪いが愛想がいい。
手を近づけると。頭をつきだしてくる。愛嬌がある。
tuika 1
さ、寝るか。
サマになってる。

ii
レストランは半野外だから、猫は自由に入ってこれる。

ムール貝あげるから,さあこっちにおいで。とびっきりいい写真撮ってやるよ。
ううん、ボク、ブランジーノのおこぼれ待ってるんだい。

この若い衆たち、そんな贅沢な物食ってんのかい?
人は見かけによらないねえ。(K)




| 巡り会った猫たち | 14:43 │Comments5 | Trackbacks0編集

猫のショートショート<あと40話>                  
自分勝手な飼い主の犠牲になった哀れな小ネコの結末。
minu

ミヌーとの別れ

苛立つ。
猫用の籠が見つからないのだ。

あ、そうだ、新型を買おうと思って古いのを捨てて、そして・・・。

仕方がない、ごめんね、ミヌー。
嫌がる小ネコをバッグにむりやり押し込むと、階段を一気に駆け下りてタクシーに乗り込んだ。

ミヌー、我慢してくれよな、ちょっとの辛抱だからさ。
ファスナーの隙間に鼻先をくっつけて、ミヌーはあらん限りの力で泣き続けている。

雨上がりの夜の街を25分も突っ走り、掃除婦レナータのアパートにたどり着く。
彼女、もう5年近くボクのアパートの掃除をしてくれている。いやいやそれだけではない。
たまにはスーパーまで。客の招待の夜はその準備まで。
そして、結局はミヌーの面倒までも。

タクシーを待たせて、エレベーターを待つのももどかしく、階段を四階まで一気に駆け上った。
レナータはすでにドアを開けて、心得顔で待っている。バッグを開けるとミヌーは飛び出して、ぱっと寝室に隠れてしまった。ここが大好きなレナータ夫人の家なのだから、着いてしまえば問題がない。
頼むねっ!と一声叫んで、また階段を駆け下り、今度はタクシーに中央駅へ向かってもらう。

問題は、旅行から帰ってきて、また引き取りに行ったときである。
僕が訪れると、ミヌーは必ず姿を隠してしまう。ごちゃごちゃと物が必要以上に置かれた母娘2人のふた間のアパートのなかで小猫を探し出すのは、砂漠の中の宝探しと同じだ。
女ってどうしてこんなに物を買いたがるんだ!

ミヌーは隠れて出て来ない。
またバッグの中に詰め込まれてしまうことは、彼女にとっては悪夢に等しいことなのだ。
「ミヌーゥ、ミヌーゥ。新しいバスケットかって来たんだよ。ほら、これ。だから出ておいで」
「変ねえ。ミヌーは人が来た時絶対隠れたりなんかしないのよ」とレナータは皮肉混じりに言う。

ミラノに戻って来て2週間後に次の旅行である。だからまた同じことをくり返す。
「こんなにたびたび旅行、旅行って何処に行くの? 何のため?」
レナータにそう聞かれたこともある。
「ン?仕事でね・・・」
などというウソ八百は言わない。
「ミュンヘンとかパリとかローマとか・・・コンサートとかオペラとか展示会とか、まあ大体はそんな目的だよね」

だから頼むね、厚かましいことは重々わかってんだ。
『独身の方には猫はお譲りしないことにしてますの』
そんなことを言った女がいた。猫ちゃん愛好家のパーティーだった。
全くもってそうだよね。ごもっともです。

あつかましい人間には限りがない。
我が家とレナータのアパートを行ったり来たり、そのうち面倒臭くなって来た。
いつの間にかミヌーは預けっぱなしのほったらかし。
レナータが快く面倒を見てくれるからだ。

旅行ばかりしている僕に、
「本当にミヌーを愛してるの?」とか
「気紛れで動物は飼えないわ」
などと言って、僕の顔をじろりと見る。

また、夏休みが訪れた。
レナータは、実家の山の家に ミヌーを連れて帰ってしまった。

九月になってレナータが掃除に来たとき、
「ミヌーはどうするの? 山に置いて来たわよ」と言われて、
「そのうち引き取りにいくよ」といい加減な返事をした。
山の家にはレナータの双生児のカルロ氏が住んでいて、彼がミヌーを可愛がってくれるのを聞いていたから心配はしてなかった。もしミヌーが邪魔扱いされて幸せに暮らしていないと分かれば、きっと、いや、勿論すぐにでも、引き取りに行ったにちがいない。絶対に間違いない。

そうこうしているうちに、年が明けてしまった。
「ミヌーがね、2匹、子を生んだんだけど、死んで生まれてきたの。ミヌーは病気なのよ。カルロが獣医に見てもらうと言ってたわ。」
と、レナータが沈んだ声で言った。

「申しわけない。医療費はもちろん僕が払うからね」
「いいのよ、そんなこと。獣医は私達の幼馴染みなんだから」
「悪いね、預けっぱなしで。少し暖かくなったら引き取りに行こうか」
「心配しなくてもいいのよ。カルロがね、もう、ミヌーはK氏に返せない。こんなに自分になついているんだもの、って言ってるの」

辛かった。
反面ほっとした気分と後ろめたさと、自分が少々除け者にされたような気分になった。

そしてまた三ヵ月くらい経った頃・・・

「ミヌーがジープに轢かれて死んでしまったの。カルロのジープで」
 レナータは涙を一杯ためて言った。
「ミヌーは何時もカルロにくっついていてね。真夜中に彼が外出から戻って来たときに、迎えに出てきたらいしいんだけど、その時にタイヤの下敷きになってしまったの」

とてもミヌーが不憫に思えた。こんなふうに死なせてしまうなんて・・・
ミヌーを見捨てたのは自分なのだ。もう動物を飼う資格などないと思った。
そして、もう猫は飼うまいと決心したのだ。(k)





| 猫.cats,gatti 100の足あと | 09:54 │Comments0 | Trackbacks0編集

イタリア猫ショートショート<あと41話>
猫にはシュジュツが絶対必要なんだってこと。
ニガイ、くさい経験エッセイ。

tram17

kusai!


「こんなことになるのなら、私がもらっとけばよかったわ」

精力余ったパンは2メートル半もありそうなポトスに駆け上がり根っこを喰いちぎった。
5年もかけて育てた、あれほど見事だった熱帯植物。

殺風景なサロンのシンボル。
パンの怒濤のような『性エネルギー』に敗北し、黄色くシワシワ,ペロ~ン。

最後のとどめは、
『これでもかァ~~』
ミャ~~オ~とパンは宙を飛ぶ。
飛びかかられて、どーんと大木は横倒し。

蒼くなった掃除婦は再びつぶやいた。
「もったいないことしたわねえ~」
「ほんと!もったいないことしちゃったなあ」

「手術しろとあれだけ言ったのに。でももう遅いよ」
獣医は恐い顔をして言う。

ポトスでコトは終ったわけではない。
コペンハーゲンで買ったローヤルコペンハーゲンの小鳥も、カーポディモンテの道化師も、完全なものは何も残っていない。首が取れたり、翼が半分なかったり・・・・
これすべて、獣医の忠告をまともに聞かなかったバツなのである。

そして、
ある朝ボクは異様な、鼻の奥まで麻痺してしまいそうな臭いで眼がさめたのだ。

「ひゃーっ!やりあがったな!」

パンは夜間外出常習犯だから、家の中でピピーを振りまくことはほとんどやらなかった。
それだけは感心していたんだけど。
でもボクの誤解だった。
久しぶりに一緒にテレビを見ながら一夜を過ごした夜の翌朝はこれだ。

それにしてもクセエ!。

目覚ましを見る。
神業でパジャマを脱ぎ身支度するとアパートを飛び出した。
猫のピピーのことで思案している暇なんかない。
ボクはあわれな傭われグラフィコ(グラフィックデザイナー)なのである。

ボスは時間にうるさい。
たった昨日、『Kよ、君は毎朝15分早く起きれんのかね?』

ぎりぎりバスに飛び乗ってほっとしたときだ。
例のあの臭いを感じて愕然とした。
そーっと腕をクンクンやってみたが匂いはない。でもどっかからにおってくるのは確かなんだけど。
隣の、背の高い可愛子ちゃんが妙な顔をした。

事務所に着くと、さっそくトイレに駈け込んだ。
上着もシャツもランニングはもとり、ズボンも脱いで、改めてクンクンくまなく臭いでみた。
にもかかわらず、匂いの発生源を突き止めることは不可能だった。

やっぱり気のせいなのだろうかと思いながら、仕事場へ戻った。ところが・・・

仕事をしていると、またまた臭いが漂ってきた。
確かに体のどこかに臭いがついているのである。パン、おまえ一体何処にひっかけたんだよ。

「パンは元気かい?」
おりもおり、同僚のPが声をかけてきたので、えッ?

「元気もいいところさ。今夜ベッドの近くでピピーをふりまいたらしいけど、どうやら俺も一滴頂いたらしいんだ。起きた時から悪臭に悩まされてね。さっきトイレで全部脱いで点検してみたんだけど、衣類にはまったく臭いがないんだよ!」

「どれどれ、オレが点検してやろう」
Pはボクの首、背中、頭をくまなくクンクンやっていたが、
やがてはシラミでも見つけたように、

あっ、ここだっ!」

そして指で頭のてっぺんを軽く叩いた。

パンは僕の髪の毛の中に一発やっていたのだ。

これで分かった。バスの中のお隣の女のこ、随分,背高かったものねえ。
クンクン、
『ヤダーもう!これ、ヘアーローション?!』
(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 23:46 │Comments4 | Trackbacks0編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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