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アンダルシアのたち
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スペインの朝は遅い。
ここは観光地だから,特にそうなのかもしれない。
七時半起床。海岸ぞいのホテルをこっそりと抜け出す。小さな宿だ。
土産店やバールなどが連立している石畳を踏みながら、眠気眼でのろのろと道を上って行く。
いきなり、坂道の上の方から、シューッと奇妙な音が。水をまく音だ。

こんなに早く起きているのは、ボクだけではなかったってことか。
グリーンカラーのストライプの作業服を着た,一見消防夫のような清掃夫達が現れる。
彼らは太いホースをあやつりながら、強烈なシャワーを隅々まで念入りにまき散らしている。

水は汚れと一緒に心地よい音を立てて流れていく。
彼らが去った後の、ひんやりとした濡れた石畳。サンダルを脱いで、素足で歩きたいほどだ。
一日が始まろうとしているつかの間の静寂。
再び広場に向かって、これ以上は無理と思うくらいゆっくりと上って行く。

一匹の赤猫が現れる。
猫はボクをちらっと見たようだが、そのまま上の広場へと向かって 、急ぎ足で歩いて行く。
朝っぱらから,そんなに急な用事があるのかね?

坂を上りきって広場に出る。夜遅くまで旅行者や地元の人たちで賑わう街の中心地である。
昨夜はメキシコ人の音楽グループが、どえらく人気を呼んでいた。
多くのツーリストが取り囲んで聞き入っていた。

ボクらは夕食の後、いつものように、ブルガーキングでコーヒーを飲んでいた。
いろいろ試してみたが,ここのアメリカンコーヒーがいちばん口に合ってることを確認したからだ。
しかも安い。

赤猫は姿を消してしまって残念。以前飼っていた猫が赤い虎ネコだったので、どこにいっても、いちばん気になるのが赤い猫なのだ。

また別のネコが・・・・白にクロのぶち。蒼いガラスの眼。無人と化したブルガーキングのテーブルの下に潜り来んでしまったが、何とかパチり!

そうなのだ。早起きのネコ達は、人間どもがまだベッドの中で、目覚めの余韻を楽しんでいる時に、早々と寝床から出てくるのだ。
騒がしい人間どもがまだまだ起きてこない朝。水を打たれたばかりのひんやりした石畳。
この時刻こそ、猫達の時間なのである。

灼熱の南国の太陽は、ネコ族にも苦手らしい。
この数日間、日中必ずカメラをぶらつかせて歩いたが,街中で、一匹もお目にかからなかった。

「朝早くだったら、猫歩いてるかも知れないね」
ホテルのマネージャーがそう言ってくれた。

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朝早く海岸づたいにも歩いてみた。
いたいた。
水をひかれてエメラルドに輝く芝生。公園の中を朝の散歩をしていた。
白と薄茶の斑の、魂を奪われてしまうほどの美しい猫だった。
2メートルくらい近づくことが出来たがそれ以上は無理、また5メートルくらい差がつけられた。
済んだ空気と波しぶきの音とかすかな木々のこすれ合う初夏の朝のハーモニー。

太陽は強いが,この一帯の海岸の水は想像していたよりもずっとずっと冷たい。
だから、水に飛び込むには、かなりの覚悟と勇気がいる。
とは言え日中、素足で砂浜を歩くことは不可能なほどだ。
                      *
海岸通りが急カーブしていて反対側が裸の崖になっている所に猫が7、8匹見つけた。
太陽が移動して崖が陰になると、猫達は現れる。午後5時頃そこを通ると必ずいた。
横に水やアイスクリーム、飴などを売っている小ちゃな売店があり、店の夫婦がエサを与えているとのこと。狭い店の中に入って行って、奥さんに怒られている厚かましいのもいる。
黒猫が多い。
崖を一気にのぼる猫達、やっぱり野生的だ。
尾が長くプロポーションがいいのが、今回の旅行の猫観。

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海岸のビーチパラソルとレストランを経営している所で、虎ネコがいた。
「正式に飼っているわけではない」
と、言葉少なく主人が言う。
この猫は幸せものだ。ボクが見た限りではいちばん栄養が行き渡っている。
どんな料理を頼んでも、大盛りだから猫好きは、つい与えてしまう。
それをちゃんと知っていて、足下で待っているネコ。
言うまでもなくこの猫がいちばん人なつこかった。
裏口の階段に座って、一服していた台所のオジさんが愛撫している姿は絵になった。

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夜が訪れる。
どこのテラスのレストランでも猫を見なかった。
もう日中におなかいっぱいになっちゃったからだろうか?
おかげでカメラマンとしては、夜の彼らを撮りそびれてしまった。

でも、ホテルから近い、老舗らしいレストランの広い階段の、上の方に子ネコ達は毎夜必ず現れた。
閉店してからだからもう真夜中に近い。
階段のずっとずっと上のほうにてうずくまって、近づくとぱっと逃げてしまう。

一度母親らしき猫を見た。道を横切り階段を上ろうとしたとき、こっちをじーっと凝視した。
猫の凝視。不思議な理解しがたいもの・・・自己防衛、情愛、疑い、または空腹?そこには全てがあるような、ないような。

姿態は長く優雅でプロポーションはいいが小さい。頭は卵くらいしかないのだ。
カメラをセットしようと、ぼやぼややっていると、子ネコ達の方に向かって敏捷に上って行った。(k)










| 小説とエッセイ | 10:04 │Comments4 | Trackbacks0編集

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コメント

おはようございます。
ほんとうにどの子もスリムで八頭身ですね。
香港の猫たちもスタイル抜群で、ウ-ロン茶とか食事のせいかしら?と思ったほど。 そんな昔の旅を思い出したりしました。
スカイブル-のフェンスと青い目をした猫ちゃんきれい。
気持ち好いアンダルシアの朝の空気が猫といっしょに流れてきました。

2009.06.12(Fri) 08:34 | URL | Yoko|編集

最初に持ってきた写真が鮮やかで素敵!
暑い砂浜の話かと思えば 日差しの柔らかな時間帯のお話で 猫たちも気持ちよさそうです。色々な猫たちがゾロゾロ出てきて 旅も楽しかったようですね!Bravo Gattaro!

2009.06.12(Fri) 08:20 | URL | fumu|編集

そう云えば,昔よくスペインに行ってたようだね。
やっぱりスペインの猫はのんびりしていると思う?
君んちのチョビにも関心があります。
今度茶心送ってね。k

2009.06.11(Thu) 11:51 | URL | カロ|編集

アンダルシアはガウディの建築調査やクエバスという洞穴住居の調査でかなり滞在した経験がある。猫たちが本当にのんびり生活していたなあ。ところで我が家にもチョビなるメス猫が一匹居る。半ば放し飼いなので、毎年のように子供を産んでいたが、このところ年のせいか産まなくなった。そのせいか今でも自分が子猫だと思っている節がある。すぐに膝に上がってくるところや一日中えさをねだって猫なで声ですり寄ってくるところ等である。道の真ん中で寝そべって動かないので最近は家の前を通る車は超スロースピードで通るようになった。ほとんどアンダルシアの猫に近いと思うよ。スペイン語は話せないけどね

2009.06.11(Thu) 11:34 | URL | クロちゃん|編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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