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猫・ショートショート あと63話

syujutu 3

タロ君の落とし子


<かかり付け獣医>よーく考えていただきたいのです。お願いいたしますよ。
<ベッティ夫人>でも、かわいそうだわ、手術なんてぞっとするわ。

<猫愛護会員>それは人間勝手の感覚なのです。猫には手術はいいことなのです。いや、人間にも、街にも州にもよいことなのです。

<ベッティ夫人>あたくしの家族はもともとクリスチャンでしょ。だから・・・」

<愛護会員>人間の場合は違いますよ。
あなたが8人もお子さんを持たれて、今では34人のお孫さんに恵まれ、州知事とカトリック教会から名誉ある{プレミオ・タサン}を贈られたことも、とても話題になっていることも知っています。すばらしいことです。
でも、34人のお孫さんたちは経済的に恵まれた環境で、なに不自由なく育っていると思うのですが、ポロポロ産み落とされた野良猫たちはどうして生きていけばいいのでしょうか」

<獣医>心臓麻痺で死んでしまったタロくんのことがいい例じゃあありませんか。

<ベッティ夫人>もう死んでしまったタロと、手術と何の関係があるのよ?!

<愛護会員>まあ、そう声高にならないでください。
タロくんが、死ぬちょっと前まで、あっちこっちでタネツケしていたのをご存じないのでしょうな。あんなに精力旺盛な猫もめずらしかったけど。
お宅の経済状態からして、餌が良すぎたのでは?アッハ、ハ ハハハ。

<ベッティ夫人>皆さん、タロが種付けして回ったなどと下品な。どこに根拠があるんです。でたらめだわ。

<獣医>いやいや、奥さん、冗談で言ってるのではありません。根拠はあるのです。
どんどん生まれてくる野良の子猫たちの顔が、みな、ほとんど似てるんですなあ、タロ君に。
タロくんってアゴがとんがってて、口元がちょっと右に傾いていて、とっても個性的な顔つきでしたよね。ところが、奥さん、この近辺、いや、さては隣の町の猫まで、似たような顔のがいっぱい生まれてきたんですよ。

<愛護会員>タロ君、励み過ぎて心臓にこたえたんでしょう。

<獣医>奥さん、それでですねえ。新しく飼っておられるイチロくんにも、ぜひシュジュツをお勧めしたいのです。でないと、イチロくんがまたまた精力絶倫だったりすると、手に負えなくなります。愛護協会との間で裁判にでもなったら、あなたは負けますよ。

<愛護センター>ところで、どこからイチロくんをもらわれてきたのです?

<ベッティ夫人>孫の担任の先生のお宅からもらいましたの。ちょっとタロに似ていたのでね。

<一同>そーうれごらんなさい。間違いなくタロくんの子供さんですぞ。猫の世界では、顔が似れば、あっちの能力も似るのだそうです。危険です。

<ベッテイ夫人>まあ、タロの落し子だなんて、なんて喜ばしいことなの。
あの、手術料っておいくらくらい?

<獣医>やっと,その気になってくださったのですね。
基本的には120ユーロくらいですが、ボランティの方たちが、野良を連れてきたときには、60ユーロ。でも、とっても貧しい人が連れてきたときは30ユーロ。彼らは自分の食べるものまで控えて手術代を捻出し、餌を与えているのです。

<愛護会員>だから、そういう猫には、ただで行う獣医もいます。
要は動物への愛情の問題ですが、野良が増えるばっかりで追いつかないのです。ベッティさんのお力もぜひ、お願いしたいところです。

<ベッティ夫人>あたくし、手術費用として、50,000ユーロ寄付さしていたしますわ。どう?

<獣医、愛護センター一同>えっ?本当?、本当なんですか?夢じゃないんすか?

、<ベッテイ夫人>でも条件付よ。うちのイチロに手術しろなんて、二度と聞かせないで。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 17:08 │Comments3 | Trackbacks0編集

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コメント

痛い耳
耳先の切られ傷のイラスト最高!
愛猫Huskyを抱きながら 涙が出るほど笑いました。
作者にそっくりな似顔絵みたいだったんですもの!!!!
20匹までは無料手術?・・・みたいな獣医が村に住んでいます。
でも もうとっくに其の数字は通りこしていますから 捕獲も数を数えながら行っている現状です。
ただ可愛いと 餌をあげているだけで 病気の発見が出来ない えさ配りだけの人が最近の大問題になっています。
つまり 戻るところは人間に問題あり!・・・て事ですニャン。
弱っているからうっかり家に連れて帰ったら 其の家族全員皮膚病が移って 2ヶ月病院通い・・・孫まで病気になって '私は自分の一生を猫にささげているのに なぜ?’・・・・と 涙ぐむ友人。
やっと このごろ其の涙も乾き 私に猫救急車発動命令が降りるようになりました。
猫捕獲用の細工オリ籠も貸し出しを使っているので 何人もの人のスケジュールをあわせて 愛情捕獲手術がおかなわれるわけです。
一度研二さんもそのご近所の救急隊に参加したら?
だれが隊長さんか 市役所には無届だからわかりにくいので 猫仲間に聞いておきますニャん。

2009.07.09(Thu) 08:45 | URL | fumi kemuri|編集

Re: 手術
マラガに行ったとき,耳切られているネコ、いっぱい見て、喧嘩で切られてるんだと思っていたら,そうではないらしい。あとで、聞いてわかったこと。猫のシュジュツのことは、関心があちました。カロータの前まで、やっていなかったので、猫も随分なやんだようで。。。

2009.07.08(Wed) 05:52 | URL | けんじ|編集

手術
うわ~不思議、猫博士?に最近、近所の猫にハルが来てギャーギャー泣き声で迷惑を受ける事が皆無になっている事を伺おうと・・・
思っていました。ミラノの街では野良猫みませんしね~~
Castelloで何匹かとあって、少し遊びましたが~~
去勢すると中性化していって、子孫繁栄は商業ケースに於いてのみ
行われるのでしょうか?手術をした証拠に耳を切る事も初めて知りました。三種三様の話、興味深かったですよ~~

2009.07.07(Tue) 08:55 | URL | まさこ|編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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