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イタリア猫・ショートショート/あと56話
猫のエッセイです。
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恐ろしきアンジェラばあさん
初めて雇った掃除婦は、アンジェラという名の、眼も鼻も口も大きすぎるくらいの初老の女で、毎日ミラノから80キロもあるブレシャという街から通って来ていた。あちこちの家庭の掃除をして、夕方になるとまた、同僚の女達と一緒に汽車で帰って行く出稼ぎ掃除婦であった。

初めての日、仕事を終わって汗だくだくの彼女に、
「何か飲み物はどうですか?ジュースかコーラだったらありますよ」
とねぎらったら、がらがらのでっかい声で、

「白ワインをコップ一杯頂くわっ!」とのたまうではないか!

その通りになみなみと注いで出すと、グィーッと一気に飲み干し、
「美味しいわッ!グラツィエミッレッ!」と叫ぶ。

2回目のときも、終るとまた白ワインを飲みたいと言った。
仕事を終わったアンジェラ婆さんは、汗を拭き拭き台所の椅子にでんッと両股を広て、ワインを待っている。
木綿のストッキングの止めベルトの奥に、太い腿(もも)丸見えになっていて、
「うーむ、なんぼ何でもグロだなぁ」

ワインを出したら、また一気に飲みほして、金を受け取って帰って行った。

この婆さん、アンモニアを水でよく溶かさずにぶっかけたらしく、トイレの黒いタイルが白っぽくなってしまった。そればかりか、子猫にまで眼に余るような粗暴な態度を示すのだ。

ボクの可愛い6ヶ月の小猫を、掃除中邪魔だと言わんばかり、ごっつい手で首の後ろをつまみ上げると、ボーンとほっぽり投げたりするのである。

うーむ、この婆ァもうクビだ!

「ああ、これメスね?我が家の猫もメスだから、次から次ぎへと休みなく子を生むんで、その始末に大変なのよ」
「そりゃそうでしょう。貰い手探すのに苦労しますね」

「ほんと!だけど、とってもいい案が浮かんだの」と、ちょっと小声になる。

「生まれたらすぐに、トイレでさーっと流してしまうのよ。あっという間よ」
 えーっ、何だってェ~?恐るべきババアだ。

それでなくても奇怪な顔立ちが、グロテスクな魔女のように見えてきた。
『もう来るな、もう絶対来るな』と呪いを掛けたら、それが通じたらしいのだ。
この婆さん、4回目からぱったり来なくなった。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 03:24 │Comments0 | Trackbacks0編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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