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迷カメラマン。EUROミャオミャオ撮り歩き/5

ミャオケン 2


トーレモリノスの猫たち
海を見下ろしながら生きるRe(レ)re1

いつからここに住み着いているのはわたしは覚えていない。
ここで産み落とされたのかもしれないが、母親の顔も覚えていない。
わたしはずっと独りだった。いや、眼前に広がる海と風とそれを遮る不毛の崖が私の友であり家族だった。

re   2

たまには肉体の奥深く眠っていた言い知れぬ孤独感が目覚め、わたしは叫びたくなることも、なきにしもあらずだ。でも、自制するエネルギーも持っている。

re 3


re 4

夕刻には必ず人間がわたしに食事を届けてくれる。
それが、女だったり老人だったりいろいろだが、ほとんど欠かせたことがない。
たとえ、その日に食事が届かなくても、不服に思うことはない。
トカゲやねずみを食べ、滝の水を飲んで、いくらでも生きながらえるとこは出来るのだから。

食事の頃にときどき黒猫がやってくる。
わたしたちは話をしたこともない。
友達ではないが敵でもない。

彼はきっと、街中に住んでいるにちがいない。
わたしのように崖を登ったり降りたりすることが苦手なのか、そんな行動を見たこともない。
それに、ここはわたしの縄張りであることを知っているのか、食べ終わると姿を消してしまう。

re5

まれなことだが、ふっとわたしの魂の状態に気紛れが忍び込んで、ふらりと海岸線を歩くことがある。日が傾きはじめ、午後の眠りから覚めた人間たちが、繰り出して来る時間である。

彼らはわたしのために、うやうやしく道をあけてくれる。

re6

日は沈もうとしている。
全ては赤く染まり、わたしの眼球もオレンジ色に染まっているかもしれない。

やがて紫に、そして星がまたたきはじめる。

わたしは夜までの長い数時間を、身動きもせず、海の彼方に視線をこらして過ごす。
下界の人間のざわめきも少しづつ霞んで行く。

そして、やっと眠気が訪れる。
長い夜の始まり。

朝早く、鳥の声とかすかな清掃車の音で眠りから覚める。
真夏の朝の大気と水音のプロローグ・・・・

わたしは寝つきも目覚めも、いたっていい方だ。(K)








| 巡り会った猫たち | 18:06 │Comments0 | Trackbacks0編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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