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イタリア猫ショートショート<あと41話>
猫にはシュジュツが絶対必要なんだってこと。
ニガイ、くさい経験エッセイ。

tram17

kusai!


「こんなことになるのなら、私がもらっとけばよかったわ」

精力余ったパンは2メートル半もありそうなポトスに駆け上がり根っこを喰いちぎった。
5年もかけて育てた、あれほど見事だった熱帯植物。

殺風景なサロンのシンボル。
パンの怒濤のような『性エネルギー』に敗北し、黄色くシワシワ,ペロ~ン。

最後のとどめは、
『これでもかァ~~』
ミャ~~オ~とパンは宙を飛ぶ。
飛びかかられて、どーんと大木は横倒し。

蒼くなった掃除婦は再びつぶやいた。
「もったいないことしたわねえ~」
「ほんと!もったいないことしちゃったなあ」

「手術しろとあれだけ言ったのに。でももう遅いよ」
獣医は恐い顔をして言う。

ポトスでコトは終ったわけではない。
コペンハーゲンで買ったローヤルコペンハーゲンの小鳥も、カーポディモンテの道化師も、完全なものは何も残っていない。首が取れたり、翼が半分なかったり・・・・
これすべて、獣医の忠告をまともに聞かなかったバツなのである。

そして、
ある朝ボクは異様な、鼻の奥まで麻痺してしまいそうな臭いで眼がさめたのだ。

「ひゃーっ!やりあがったな!」

パンは夜間外出常習犯だから、家の中でピピーを振りまくことはほとんどやらなかった。
それだけは感心していたんだけど。
でもボクの誤解だった。
久しぶりに一緒にテレビを見ながら一夜を過ごした夜の翌朝はこれだ。

それにしてもクセエ!。

目覚ましを見る。
神業でパジャマを脱ぎ身支度するとアパートを飛び出した。
猫のピピーのことで思案している暇なんかない。
ボクはあわれな傭われグラフィコ(グラフィックデザイナー)なのである。

ボスは時間にうるさい。
たった昨日、『Kよ、君は毎朝15分早く起きれんのかね?』

ぎりぎりバスに飛び乗ってほっとしたときだ。
例のあの臭いを感じて愕然とした。
そーっと腕をクンクンやってみたが匂いはない。でもどっかからにおってくるのは確かなんだけど。
隣の、背の高い可愛子ちゃんが妙な顔をした。

事務所に着くと、さっそくトイレに駈け込んだ。
上着もシャツもランニングはもとり、ズボンも脱いで、改めてクンクンくまなく臭いでみた。
にもかかわらず、匂いの発生源を突き止めることは不可能だった。

やっぱり気のせいなのだろうかと思いながら、仕事場へ戻った。ところが・・・

仕事をしていると、またまた臭いが漂ってきた。
確かに体のどこかに臭いがついているのである。パン、おまえ一体何処にひっかけたんだよ。

「パンは元気かい?」
おりもおり、同僚のPが声をかけてきたので、えッ?

「元気もいいところさ。今夜ベッドの近くでピピーをふりまいたらしいけど、どうやら俺も一滴頂いたらしいんだ。起きた時から悪臭に悩まされてね。さっきトイレで全部脱いで点検してみたんだけど、衣類にはまったく臭いがないんだよ!」

「どれどれ、オレが点検してやろう」
Pはボクの首、背中、頭をくまなくクンクンやっていたが、
やがてはシラミでも見つけたように、

あっ、ここだっ!」

そして指で頭のてっぺんを軽く叩いた。

パンは僕の髪の毛の中に一発やっていたのだ。

これで分かった。バスの中のお隣の女のこ、随分,背高かったものねえ。
クンクン、
『ヤダーもう!これ、ヘアーローション?!』
(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 23:46 │Comments4 | Trackbacks0編集

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コメント

このコメント、いろんなショートに及んでいるので、こちらにも重複手続きをさせてもらいました。前もって許可を取らずすみませーん。
家のパン、戯れにボクのアキレス腱のところ爪で引っ掻く癖があったけど、痛かったなあ、もう。その時はまともに怒ったけど・・・
このイラストのきみのコメント最高。やっぱり長くいると、広い眼でみてくれるんだね。過去と現在、このイタリアの変化にはボクも戸惑ってしまうほど。そして未来は?

2009.09.04(Fri) 04:16 | URL | k|編集

operaのマントがなんとも素敵なステージで 演出家の名前は?・・と伺いたくなるほど。
しばらく作品を読ませていただかないうちに 随分中身の濃い 沢山の作品が仕上がっていたので 驚いています。笑い話のようなりりーの愛人名の落ちも最高。ちょっと気になったのは 全体的に締めくくりの文章がどの作品も少し説明し過ぎかも・・・ ポトン!と出た結末は読者に任せたほうが さらに広がりが出るような気がした作品もありました。少ない言葉で締めくくっても私達 読者はそれなりに研二節を楽しんでいるのですから。イラストはさすがに立派さがぐんぐん増してコレが100作品もたまるのかと楽しみでなりません。ガンバレーーー!! 電車の中のさまざまな客の表情がすばらしい!まさに勝手なイタリア人たちの乗り物の中って感じで 懐かしいよき時代のラッシュを思い出しました。だって最近はイタリア人はどこへ行ったの?・・・て感じの乗り物の中ですからね。ふわっと雰囲気があふれるイラストで すばらしい!
**

2009.09.04(Fri) 03:54 | URL | k|編集

Re: タイトルなし
そうなんだよねえ。
飼い主の無知と偏見と、偏った情愛?
こういう問題、ボクだけかな?
こんなこと書いてるブログまだ見つけてないので。k

2009.09.03(Thu) 10:17 | URL | k|編集

手術しないと、盛りがついて・・・・・こういう事態が起こるんですか~~?
ピピーを振りまく、暴れまくって手がつけられない~~

メスとの出会いをヒタスラ求めるという状況に落ちいるの?

幼き頃に飼っていたネコの暴挙の記憶なし・・・・興味ありますねぇ。

2009.09.03(Thu) 08:39 | URL | mako|編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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