上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- │Comment- | Trackback-│編集

イタリア猫ショートショート<あと39話>
カロータは、この『ショート・シリーズ』の中で、何度も登場しましたが、これはカロータが生まれた時から,初めて我が家の家族になった時のエッセイです。

7 mici
カロータ生まれる<1>

「生まれたぞ!7匹も!いつ見に来る?」
哀れなミヌーが死んで一ヶ月も経った頃だろうか。
突然、友人から電話が掛かってきたのだ。

「当分は猫は飼わんことにしたって言っただろ? ミヌーを死なせたのは俺だ。俺は猫を飼う資格のない人間なんだ」
友人はアハハハと笑って、
「下らんことを言ってないで来てごらん。キミのあこがれの赤いのが一匹入っているようだ。何しろ、箪笥の高い所に生んでしまったので、見るには椅子に上らなきゃあならないんだけどさ。昨日ちょっと覗いてみたんだが、確かに赤いのがうごめいてたんだ」

「まず、確かに赤いのが生まれたのかどうかはっきりしないとな。見に行くのはそれからだ」
結局友人の熱気に押されて、その日の午後に見に行くことになってしまった。


籠のなかに、ボクの親指をすこし大きくしたぐらいの七匹の子猫がうごめいている。友人は箪笥から子猫達を下ろして、柔らかい布を敷いた果物籠の中に移しておいてくれた。

可愛くて珍しくて、ワクワクするとはこんな心境だろう。
人間の決意をぐらつかせる猫の可愛さって一体何なのだろう。
もう,しばらくは猫は飼うまいと決心してたのに。

体をぐーっと伸ばしてアァーっと大きくあくびをするのもいる。これはもう人間の赤ん坊と全く同じではなかろうか。こんなにちっこくて、しかもまだ眼も見えないのに、すでにそれぞれの性格の違いが現われているのだ。

ちょいちょいと指でちょっかいを出すと、それぞれ違った反応をする。指に抱きついてくる信頼型、喧嘩ごしに向ってくる抵抗型、知らん振りに眠っている無神経型とさまざまだ。

だが、僕の眼は一匹の赤い子猫を執拗に追っている。

親指でほんの軽く突っ付いてみたら、あれっ、怖がって逃げ出した。また突っ付くと、前にもまして、必死に逃げまくる。狭い籠のなかで眼の見えないまま、所かまわず這いまわってやっとのこと、まくれた布の中に逃げ込んだ。全部隠れきれなくて頭隠して尻隠さず。

可愛い。立派に育てたい。

何ごとも飼い主次第だと言うではないか。
そんなこと言う資格、オレにあるのかな?訴えるようなミヌーの大きな瞳がすっと、通り過ぎる。
ご免ね,ミヌー。

今日にでもミラノに連れて帰りたいほどだ。七人兄弟でたった一匹の赤。『ロッソ(赤)』といってもそれはイタリア式の呼び方であって、表現を変えればシャンペーン・カラーとでも言えようか。(つづく)


            

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 12:24 │Comments0 | Trackbacks0編集

| top|

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sumurakenji.blog112.fc2.com/tb.php/176-a188b0f3

すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

すむらけんじへメールする

名前:
メール:
件名:
本文:

イラスト、写真、文の無断使用を禁止

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。