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イタリア猫ショートショート<あと26話>

oo
貢ぎもの

背中にでっかい腫れモノ?

寝苦しい。自分がうんうん唸っているのがわかる。

そして眼が覚める。

・・・カロータの奴またやったな。
スタンドのスイッチを入れてシーツを点検する。

なるほど、今夜はじゃがいもか。
野菜籠の中の青い芽を葺き出しはじめている、ピンポン玉よりも小さいしわしわのじゃがいも。

一昨日は親指ほどの人参だった。その前はトマト。
ボクは葡萄くらいのサルデーニャ産の固いトマトを背中でつぶしてしまったのだった。
ひんやりとして、実に奇妙な触感で眼がさめたのだ。

ご丁寧に2つも持ってきてくれたが、一つは床の上に転がっていた。だがそれもベッドから下りるときに、ぐしゃっと踏んづけてしまった。気持ちーい悪い!

カロータの奴、もう・・・

いつまで続くんだい?
飼い主への貢ぎ物?
お手柄を褒めてもらいたいため?

真夜中、ボクが正体なく寝込んでいるとき、カロータは目覚め、活動を開始する。

猫は夜、我々人間どもが疲れてぐーぐーやっている間が、一日中で最も冴えているときなのだそうだ。

台所のバルコニーから、野菜や乾燥してからからになったちっちゃなコビトザクロとか、ころがっていたワインのコルクの栓とかいろいろ持って来る我がカロータ。

狩りで捕らえた獲物を見せに来る習性。
何千年も続いている伝統的習性。

でも、いい加減に止めてほしいんだけどね。


       *


野良の大ボス登場。
どす黒くカロータの3倍くらいありそうな不気味なやつだ。
カロータへの教育が始まる。

「お前、そんな野菜のくずなんか持ってったって、何の意味がある?。
人間はお前を哀れなマヌケ猫と思うだけだ。

聞け!
オレが価値ある猫とは何か、たっぷり特訓してやろう。

猫の能力・・・それはヘビを生け捕ること、俺たちの体の半分もありそうな、大ネズミを生け捕ることにある。
歴史的に見たって何万年も前から、猫とヘビのカクシュウは絶えなかった。
猫がハーッとやるのは、ヘビから教わったと言われている。ヘビと同じようにハーッと音を出すことによって、敵からの危険から逃れたのだ・・・と猫学者達は言う。
冗談じゃあない!断じてそうではない。ヘビ達が猫から学んだのだ。

いずれ、お前にもヘビの生け捕り方を懇切丁寧に教えてやろう。
だが、今夜は手っ取り早いネズミの穫り方からはじめる。

こんなアパートの地下に入ったって、大ネズミなどいないから、
近くの沼のドブネズミを捕るのだ。

それをお前の主人に献上せよ。
主人は初めてお前の真価を認めるであろう。
さあ,行け!」



ギャーッ!アイウトーッ!!
ボクは飛び起きた。

カロータがデッカいネズミをくわえてベッドに潜り込んできたんだ。
あ?
これまた、例のインクボ?
汗びっしょりだ。
ああ、夢でよかったよ。


カロータはどこだ?
カロータは部屋の隅に行事よく、不動の姿勢でじーっとボクを見つめている。
その目つき、フツウじゃない・・・殺気だっている。

止めてくれよな、その目つき。お前らしくもない。

こんな悪夢、一生見たくないよ。
オレにとって、ヘビとネズミほどおっかないモノはないんだ。

さて、気分を落ち着けるためにコーヒーでも沸かそうか。

ボクは掛け布団をぱっとめくった。

ギャーっ!出たっ!
いたのだ、一匹の大ネズミが!
ボクはベッドから飛び降りたが、よろけてひっくり返ってしまった。
その弾みに頭を箪笥に思い切りゴツン!痛ってえ!

インクボではなかったのだ。
だがネズミは動かない。
恐る恐る近づいて見た。

ネズミの体から白い布切れがはみ出している。
<Made in Cina>と印刷。(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 00:02 │Comments5 | Trackbacks0編集

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コメント

Re: Re: タイトルなし
> もっと面白いイラストかけなかったのかなあ、と思いながら散歩から帰って来たところ。
> コメントをもらう幸せわかってください。
> そろそろ帰国なので、それまで3ショート頑張りたいけど、どうかな?
> ペースが落ちてるこのごろなので。k

2009.10.24(Sat) 11:42 | URL | k|編集

Re: タイトルなし
本当?楽しかった?嬉しいねえ。
今朝は逝鬱だったので、嬉しい。k

2009.10.20(Tue) 11:09 | URL | k|編集

Re: タイトルなし
もっと面白いイラストかけなかったのかなあ、と思いながら散歩から帰って来たところ。
コメントをもらう幸せわかってください。
そろそろ帰国なので、それまで3ショート頑張りたいけど、どうかな?
ペースが落ちてるこのごろなので。k

2009.10.20(Tue) 11:05 | URL | k|編集

お~寒いですね!ドンヨリ天気の中、Kさん冴えてますねぇ~

ワハハ~~~朝から笑いで始まり、今日は良い事あるかな~~?

楽しい小話をありがとう!!

2009.10.20(Tue) 08:43 | URL | まこ|編集

いつもながらイラストが素晴らしい!
azzurroの上にgattiを描いて物語の雰囲気抜群ですね~bravo!!
猫たちは狩りの本能を刺激されると大はしゃぎして楽しそうですよね。
カロータの得意げな顔が見えるようです。

2009.10.20(Tue) 02:12 | URL | AKI|編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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