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猫ショートショート<あと15話>
antonio



聖カロータのヒゲ

「聖アントニオの炎」は恐るべき『帯状疱疹』のイタリア名である。

異様にして、ぞっとするような、何となく滑稽で笑いたくなるような名前ではないか。

聖アントニオってどんな人?

期限200年頃のエジプト生まれの聖人なんだ。
砂漠の中で隠遁生活をしてた人らしいけど、彼の行くところはどこでもチョコマカ付いてくる子豚と住んでいたそう。
その頃は地上には『火』というものがなかったそう?で、人々は真冬に寒さに震えて住んでいたんだって。

聖アントニオは地獄に火を貰いにいく。
大敵の訪問に悪魔たちは拒むが、子豚がさっと割り込んで入って地獄街を大暴れ。
聖人はめでたく火を手に入れて、地上に戻る事ができたという話。

それが、『帯状疱疹』とどう関係があるの?

さあ・・・そこまでは・・・調べておこう。

聖アントニオ祭りの日には、馬に乗って火の中を潜ったりする競技もあるんだそうな。


(日本にだって、炎のファイター・聖アントニオ猪木がいる)


その『聖アントニオの炎』にボクがかかったときのことを話そう。

2年前の真夏、7月の半ばだったと思う。
それはもう、暑い暑い惚けてしまいそうな夏の始まりではあった。

何となく皮膚がむずがゆいのから始まり、あれよあれよと赤い染みみたいのが段々増えて行く。
ちくちく傷みも感じる。
いずれ治るだろうと油断したのが間違いだった。


よろい戸から強烈な太陽が射し込む遅い朝。
ボクサ一ひとつでだらしなく転がって、ぼんやりと眠気の余韻を味わっていたときだ。

猫のカロータが登場。
ゆっくりと寝室を横切ってこっちに向かってくる。
ひょいとベッドの上に飛び乗った。
飯の催促をしに。

ギャ~ァ!

真っ赤なヤケ鉄棒をじゅっと脇腹にあてれたような・・・

何とカロータのヒゲの先っちょが、ふ~っと脇腹にほんのちょい触っただけだったのだ。ちょっとだけ。


トイレに駆け込み大鏡に自分の肢体を移してみたら・・・

胸の真ん中から脇腹にかけて背中にいたるまで、サルでニア島、四国、佐渡島、インドネシアや名も知らぬ島々が転々と赤い不気味な染みとなって広がっていたのだった。たった一晩のうちにである。

「これは、xxxという病気です。早めに治療すれば直ぐ治るよ」

「先生、これ、聖アントニオの炎とやらでしょう?」
この不気味な病名は、今朝、すでに友人から聞いていた。

「ずばりそう。いい薬があるから直ぐ治るとも」
「早めって、一週間くらいで?」
一週間後に南スペインにヴァカンスが控えている。

「あっはっはっは!!!」
医者は豪快に笑った。
「この夏は海に入れないかも知れんぞ。一ヶ月はぜったい無理。太陽は危険だ!」

目の前が真っ暗になる。
航空運賃はすでに払い込んである。

じゃあ,この夏は閑散としたミラノで、猫とたった二人でひっそりとお留守番ってわけか。

それにしても恐怖の猫のヒゲではある。
寝室のドアには鍵をかけなくてはならない。
危険はいっぱいだ。

だが、ものは考えよう。
真夏でよかったよ、素っ裸でいられるもの。

局部は敏感なこと例えようもなし。
この病になった者にしかわからない。
薄っぺらのTシャツだって、紙ヤスリのTシャツと触感はおなじなのだ。

危険は、呪うべき聖カロータのヒゲだけである。


ともあれ、聖アントニオの炎と聖カロータのヒゲに恐れおののく本格的夏が始まろうとしていた。(K)





| 猫.cats,gatti 100の足あと | 23:35 │Comments6 | Trackbacks0編集

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コメント

Re: タイトルなし
よしよしさん
コメント感謝。
あれ以来この病かかっていないけど、かかった人には貴君の治療メニュー伝えますよ。k

2010.01.23(Sat) 12:17 | URL | よしよし|編集

うちのおふくろが帯状発疹になりましてなかなか苦しんでいました。2ヶ月程して回復に向かったけどでも大変そうでした。ある種のアロマテラピーが効くようです。チプレッソを薄めて塗る、等。エルボリステリアに行って聞くといいみたいです。

2010.01.23(Sat) 12:13 | URL | よしよし|編集

Re: タイトルなし
もちろんすべての人にかかる可能性あり。気をつけて。
おまなったら大変。いっぱい着込んでいるし、その痛みってすごいんだから。

イラストはコンピュータで描いたものです。
手が滑ってやっぱりむずかしい。
なれるまで時間がかかりそう。

2010.01.22(Fri) 19:17 | URL | すむらけんじ|編集

Re: タイトルなし
ほんと!口の中まで広がるんだって。
幸いにして、僕はそのまま直ったけど。その年は初めて泳がなかった年でありました。
でも、油断は禁物。

2010.01.22(Fri) 19:10 | URL | すむらけんじ|編集

うわ~~見事なイラスト!!

お話も今後のタメになりそうで、楽しいわ~~

この病気は、男女に関係なく罹るのかしらねぇ~
クワバラ、くわばら~~~!!

2010.01.22(Fri) 16:30 | URL | mako|編集

恐ろしいなぁ..”聖アントニオの炎”
頭の中に湿疹が入ると頭痛が続き、首は痛み
大変なんだそうですね。
つい昨日、もう一年近く後遺症に悩む男性から
そんな話を聞いたばかりでした。
知り合いで帯状疱疹が心臓に行き亡くなった人
いました。侮る無かれ”聖アントニオ”

2010.01.22(Fri) 02:00 | URL | AKI|編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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