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イタリア猫ショートショート<あと6話>

っv


寒波の超満員列車


あんなこと、長いイタリア滞在ではじめてだったなあ。

一週間も続く大暴れの寒波で、ミラノは日中でも零下3,4度。
これから行くピエモンテ州は零下11度とか。

そんな時の移動はやっぱり大変だと実感した昨日の超満員列車。

まず、ミラノ中央駅構内は大混雑。
シチリア、ローマなど、南から来る汽車もドイツ、フランス、スイスから下って来る汽車も大幅に遅れたりキャンセルでダイアルはめっちゃくちゃになってたからだ。

20分遅れの15時15分のに乗ることに決め、さて、汽車も入ってきた頃だろうとホームに入った途端、
「この汽車はキャンセルです!」

仕方ない。次のに乗るか。
呪わしき誕生パーティ(年末パーティもかけての)!
長い付き合いだからやっぱり行かないと。

白い息はいて駅内をぶらぶらする。
万博を控えて化粧直し進行中のファシスと時代のでっかい駅。
それはそれで見応えはある。

とにかく寒かった~~ぁ。大天井のばか高いファシストの駅も考えものだね。

次の16時15分に乗ろうと思って早々とホームに行ったら、
何たること!すでに超満員なのだ。
キャンセル列車のおかげで、客は2倍にふくれあがっているんだから。

2階建ての汽車だったけど、たったの4両編成(いつもは10両編成なのに)

この大雪と寒波だから、危険防止のため減らしたんだね、きっと。

とにかく入れたんだけど、あとからあとから乗ってくるので、押されて押されて・・・

あっ、鞄がない。

やられたっ~~っと思ったら、実はベルトが肩から外れて足もとまで下がっていたってわけ。
自分で踏んづけて気がついたってこと。
なんだかふわふわする物、これ何だよ?
あっ、オレのバッグだぁ~~~。
(中には買ったばかりの小型PCまで入っていた)

大きなスーツケースの人たちもいっぱいいて、足素は1センチ?も動けないほどだ。

体がバランスを失っても、身動き出来ず宙に浮いてるって感じ。

トイレに行っといてよかったな~~ァ。

あれ!猫のバスケットを頭に乗っけた人もいる。

最初は床に置いてたらしいけど、猫のための場所なんてない。

雲つくばかりの大柄の強そうな男性、気をきかせて、頭の上に乗っけてしまった。
うちのカロータに似ている大猫は声もたてずにじーっとしたまま。

猫は閉じ込められた収容所の人間たちに、つかの間の喜びをあたえた。

「名前は?」
「ポッロ」
「可愛い!」
「こんなところに押し込められるなんて可哀想。いい子にしてるんだよ』

やっと出発。
ぴーーーっと笛が鳴ってドアが閉まるんだけど、うまくいかないらしく、またスーっと開いて、その繰り返しで、20分以上、開いたり閉まったり。
新型列車に故障?それとも乗りそこなった人が、乗せろって後押ししているから?
閉じ込められた者には何がなんだかさっぱりわからん。
すし詰めになっている人たちは、野次を飛ばしたり、冗談言い合って笑ったり、お祭りみたいだ。
見知らぬ者同士でドッと笑いの渦。不快指数を発散してるんだね、これ。

人間って喋るときは、必ず唾を飛ばしているってことも分かった。ちびの自分、イタ公の唾液の雨の中にじっと動けなかった。頭や顔に始終ピッ、ピッ。

諸君、おしゃべりはかまいませんが、唾をやたらと飛ばさないでくださ~い!

今夜はよ~~くシャンプーしないと。無事に着いたらの話だけど。

やっ!動き出したぞ、ついに。

目的のヴェルチェッリ駅は3つ目の駅(特急で65分)だけど、ずっと立つことになるのは間違いない。
ぎゅう詰めの人たちは安心感と虚無感からか、一瞬静かになる。


「パパーァ、おしっこ!」
子供が叫んだ。

「お前、駅でしてきたじゃあないか。20分の辛抱だ。」
猫を頭に乗っけた大きなおじさんが太い声で返す。

ちがうよ。ポッロだよ。ピッピーやってんだよ」

ほんとだ!大きなおじさんは壁にもたれるようにしてたから、気がつかなかったけど。

おじさんの肩は既に濡れている。

大きなおじさんは叫んだ。
「道を開けてくださーい。ネコがピピーしてますので!」
すっごい!地の底から湧いてくるような声。

トイレまで2メートルはある。無理無理そんなこと。
紛れ込んだネズミだって動けない状態なんだから。

ところが・・・不思議。

人間の意思と肉体の弾力性には驚いた。
大きなおじさんとネコのための道は開かれたのだ。

すみませーん!を繰り返しながら、大きなおじさんは強引にトイレに近づいていく。
ネコ君のピピーはポタポタとひっきりなしに落ちて行くんだから、
協力しないと!と周りの人も必死。

「道をあけてやって!」毛皮のおばさんのキーキー声。

苦虫ツラの青筋のおじいちゃん。
ほっとしたように、

「ワシも、もう寸前ってところなんじゃよ」(K)




| 猫.cats,gatti 100の足あと | 14:44 │Comments0 | Trackbacks0編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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