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vv

(5)

クレモーナのM夫人から,再び電話が入った。
「ロディにとっても奇麗な赤ねこがいるんですって。わたしの面識のない人だけど,興味があるなら電話してみたらいかが?」
ロディはクレモーナ市の10キロくらい手前の古い街である。
もう木曜日。
何とか今週中に猫問題を解決してしまいたいとの焦りもあるので、行くことにする。

紹介してもらったS奥さんは、凄い乗り気で、日本人と話しが出来るのが楽しみなどという。


ところが、ロディ市に入って道をまちがえ、お互いに携帯で何回もやり取りしている間に,ますます迷路にはまり込んでしまった。


そして・・・
信号待ちの前の車、オペルと正面衝突寸前,急ブレーキ!

バッグや帽子やボトルなどが,前にすっ飛ぶすさましさ。
超クーラーなのに冷や汗が。心臓がドキドキする。

すべてが異常だ。


携帯が鳴る。

「今どこにいらっしゃるの?」

「奥さん!ミラノにもどります。運命です。お宅の猫と僕の巡り会いはあり得ないないのです。ごきげんよう」



bre絵・すむらけんじ
「・・・お好きなように」
しらけた声を聞きながら電話を切った。

ねこ探しごときに我を忘れて奔放している自分。
頭を冷やす必要がある。

あの追突寸前のブレーキは警告なのだ。猫なんてどうでもいい。

もう,猫探しは止めようと決心した。




のだったが・・・


ブレッソというミラノ郊外の小さな街の女性から声がかかる。
これが最後と、性懲りもなく出かける。
灼熱の環状線を突っ走って、行きついたところは・・・


その女性は犬・猫用の食料品や砂、籠などを売る店を経営している若い人だった。
彼女は捨て猫や子犬の飼い主を探す仕事もやっていた。

店の中は臭くて5分もいるのが精一杯って感じだ。
彼女はMACを開けて、情報探しをやっていた。捨て猫,捨て犬、貰い手探し。
僕の情報もこうして得たのだろう。



臭い店の中に相応しくなく、洒落た感じの女の子。
こんな臭いところに1日中いて平気なのかな?慣れって恐ろしいものだ。
家には5匹猫を飼っているとのこと、へーえ。やれやれ。


おめあての赤ねこは痩せてしっぽは短く,すごく臭そうだったが抱いてみた。
一見見栄えのしない子猫だったが、愛嬌があった。檻の中に戻したとき、その小さなしっぽをピンと上げて、僕を見た。互いの眼がパチン!と合った感じ。

それからネコは同僚達が食べている餌のほうにと走って行く。

そのとき、この猫,貰って行こうかな?って気持ちになったが、ちょっと考えさしてと言って店を出た。

友人に電話したら、『お前はバカだ。つれて帰るべきだったんだ』という。

一日中あのむれた悪臭が鼻を付き閉口した。
何と、子猫を抱いたあたりにべったりとにおいが付着していたのだ。

その夜は、その猫のことをずっと考えつづけた。


土曜の朝、メールが入る。
「母猫の貰い手がきまったの。だから、子猫を貰って頂戴。今日の午後3時、サンド・ナートの市役所の前で猫を渡すわ」

そして,僕はまたまた炎天下の環状線を車を飛ばし、市役所前で猫を受け取ったのである。(つづく)
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| 小説とエッセイ | 09:00 │Comments0 | Trackbacks0編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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