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sumurakenji (34)
sumurakenji

ホフィが我が家にきて4ヶ月足らずになります。ホフィは水が大好きです。洗面台の中で前足をほとんど見ずに入って遊んでいます。バスルームのドアは日頃は閉めてあるので,ボクが入るときは必ずさっと入り込み蛇口の所で水をまっていると言う具合。
一度,ボクが風呂に入っていると,滑って落っこちてしまい下半身びっしゃり。それにも懲りず湯船のふちで遊んでいます。

sumurakenji
ホフィはボクがコンピュータの前に座ると必ずその後ろに行ってごそごそやり出す。コンピュータの後ろは暖かいからだろうか。
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ー眠り続けた左耳・・・
71年目に『人工内耳』に挑戦する!(12°Story)


そして、2001年の年も明けて。

「これからは、少しづつ君の耳は低下して行くと思う。そのためにも、信用ある専門医とコネをつけとくのも一つの手だよ」
そうアドヴァイスをしてくれたのは、夫妻でアンティックの店を営んでいるクラウディオという男だった。
夫妻ともパヴィア大学の医学部を3年前出たばかりだったが、意気投合して薬剤師の道を断絶し、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会と道を一つ隔てた超高級地に骨董店を開いていた。
お金持ちのお坊ちゃんなのである。

この夫妻とは、開店したばかりのときから、親しくなったのだった。
「2年間だけは、ただ同様の特売価格。買うなら今のうちだよ」

ウインドウにうたい文句こそ出さなかったが、とにかく安くしてくれたので、小銭があると、たびたび通ってこまこましたものを買っていた。一体に、若い骨董屋は気まぐれで時間や約束を守らないのが多くて、信頼できる付き合いはほとんどなかったが、彼らは育ちの良さと博識さで好感が持てた。

「「ミラノの家」という有名なクリニカがあるんだ。そこのアマデオ・アマンディというドクターが優秀といわれているよ」そして、
「あのクリニカはちょっと高いけどな」と笑いながら付け足した。


予約して一週間後にドクター・アマンディとのアポイントメントが取れた。
国立病院の近くの高級地の、アールデコー風の建物の中にあった。
そこは総合クリニックで、耳鼻科専門のアマンディ氏は火曜日だけくることになっているとのことだった。

面会はたったの15分たらず。
それまで聞かれた事もない質問もたくさん受けた。だから、やっぱりこの先生は偉い先生なのかも知れないなどと、単純に考えた。今までの他の医者よりも2倍以上取られたが、訪れた効果はあったようだ。

「君は国民保険をもっているかね?」
ハイ、先生。持ってます。(まじめに税金を払ってますので)

何と5日後に、僕は彼が主治医をしているH市の国立病院に一日入院出来たのだ。
やっぱ、違うんだよね。コネがあるってことは。普通は何ヶ月も待たされるのが、常識なんだけど。
しかも入院のカテゴリーのために、全額タダだそうな。
(イタリアでは入院費は一切ただということになっている)

朝6時前にミラノの我が家を出て、車で1時間ちょっと。7時半の出頭にかつがつ間に合う。
イタリアの病院の朝は早い。 そこで色んなテストを受けた。
基本的な血液の検査から始まって、聴力検査はは勿論、歩かせられたり、耳の中に水をぶっ掛けられたり、いろんなテスト。設備はよく整っていて、初めて見る検索器などたくさんあった。
看護婦さんも奇麗で、みんな親切。ミラノとは違う。

かと言って、何か良い結果が出てくることは、まず期待してなかった。

丸一日もかけた検索の結果は、予想していた通りのものだった。
sumurakenji



また補聴器を買い替える。
一週間テストをしてみたが、補聴器屋が言うほど進歩しているとは思えない。
もう、大好きなオペラともコンチエルトとも、全て手を切っていた。
必死で集めた名盤のレコードともCDともおさらばか・・・という悲壮感。

レシーバーを付けて聴きなさいと言われて試みて見たが、とてもじゃないがって感じ。

結論として出たものは・・・
難聴のための治療の世界はまだまだ遅れている。
補聴器がいい例である。
高額払って買い換えても、音楽だって聴けないのだ。音階は狂う。
耳がまともなとき、あれ程聞き返していた「Yesterday」だって、聴き終わって、今のは何の曲だい?って調子なのだ。

ある日、テレビのダイヤルを回していたら、公開放送で、結構名前のあるソプラノ歌手が唄っていた。
聴いたような曲だが、何の曲だかわからない。辛抱強く聴き続けて、最後の一章節で、それが ナポリ民謡の「コーレングラード(カタリ)」であることが分かったのだった。

これを分析してみると、こうだ。
ナポリ民謡は、絶対に男(テノール)が歌うものだと僕の記憶が確かなために、女が歌い出したので、驚いてしまった。さあ、これから(女性が)カタリを歌うよという指令を脳に伝えることが出来なかったことが、こういう結果になったのだと。
Yesterday だって、聴く前にその曲名を知っていたら、いくらかはましだったはずだ。

「耳が聞こえなくなって、余は自分自身を取り戻したのじゃ。沈黙の世界は素晴らしい。人間どもの愚かしい煩わしさがが耳に入ってこないからじゃ」

ある老建築家は、そこまで到達したそうな。
仙人だよね、この建築家は。
いくら理屈で分かっても、余(ボク)はそこまでたどり着けないのです。俗物の悲しさよ。

俗物でもいい、やはり頑張りたい。じゃあ何を?



2003年の春だったと思う。
ある朝、目が覚めると、何も聞こえない。補聴器はちゃんと耳についているのにである。

何も聞こえないのだから、電話もできない。

すぐに決心する。
一人でブレシャの耳鼻科、救急病院に行こうと。
紙に言いたい事を全部書いて、必要なところはイラストまで入れて、ぱっと見せてぱっと分かってもらうようにする。我ながら良いアイデアと感心する。人間、どんな苦境にあっても、それなり知恵は働くってこと。

何も聞こえないで,家を出るのは初めてではなかろうか。ちょっと怖い。
補聴器屋で調整してもらおうかと思ったが、まず、医者だ、ときめる。


汽車で1時間。江戸川乱歩を読んでいたら気分が落ち着いて来た。
ブレシャ駅に着く。ぱっと勢い良すぎたのがわるかった。立ち上がったら強烈な目眩がしてうずくまってしまった。この病には、目眩は付き物なのだ。
充分承知してるんだから気をつけるべきだった。

起き上がろうとしたら、まだ目がグルグル回っている。
絶対に乗り越しは出来ない。早く病院に着きたい。

向かい側に座っていた中年のカップルが、手をかしてくれたので、無事に下車する事が出来た。
それでもまだ、クルクルって感じは止まらない。灰色の自分の面(つら)を思い浮かべる。

やれやれ、この厄介な病いも本格化して来たぞ、と思うと実に不安というか不快な気分になる。
いくら難聴がひどくなっても、目眩は困る。これからタクシー拾って行き先も言わなければならないんだ。


病院に着いたときはすっかり元気を取り戻していた。

この病院のプロント・ソッコルソ(救急部)が、実に充実しているのに驚く。
一般に救急部と言ったら、まるで、戦後の引揚者の溜まり場みたいな混雑と不快感が伴うもの(ミラノの救急部はそうなんだ)であるが、ここは違う。訪れる患者を次々と専門の科に送り込むので、血だらけになってフーフー唸って人間など一人もいないのがいい。

書いて用意してきた物を見せると、受付の女性は微笑んでうなずき、すぐ耳鼻科に連絡をしてくれた。



「君が望むなら、手術をしてもいい。どうする?」
3年前にこの病院で検査をしたカルテを眺めながら主任の医者は言った。まだ40半ばくらいの若さだ。
後で分かったことだが、彼は、アマンディ主治医のもとで働く精鋭なのであった。

ボクは首を横に振った。
補聴器がまだ役に立つのなら、手術は先に延ばしたい、とはっきり言う。

理由は・・・難聴学はまだ遅れているから。
補聴器が良い例ではないか。
これまで、ひっきりなしに変えた補聴器でボクが満足した物はなかった。どうしてもっとマシな補聴器が発明されないのだろうと。そんな不満な気持ちで手術を受ける気にはなれない。

医者はうなずいてから言う。
「君の補聴器、こんなお上品な物を付けてたってダメだよ。ここまで悪化しているんだから、もっと馬力のあるヤツを付けなきゃあ」

ボクがそれまで付けていたものは、耳の中に押し込む型の高級品で外からは見えない代物。外にニョキっと出ているのはみっともなくてとてもする気になれなかったからである。

そのニョキっと丸見えの物を使用するようにと先生はおっしゃるのだ。
「音質のデリケートさにはいくらか遜色があるが、こっちの方が馬力があるんだ。しかも安い!」

先生の名前はジョルジョ・ダルフィ。

そして7年後・・・ボクはドクター・ダルフィから手術を受けることになる。(つづく)
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| 日記風・猫ホフィと我が耳のこと | 05:10 │Comments5 | Trackbacks0編集

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コメント

Re: タイトルなし
v-10伍さん、ありがとう。頑張ってみます。耳の再掲載はスピードをあげ、それ以後に結びつけるために急いでいます。ご訪問ありがとうございます。k

2011.11.03(Thu) 20:57 | URL | すむらけんじ|編集

待ち遠しかったHofyのブログ更新・・・・またまた毎日の楽しみが増えたような気分です。写真で見ても、眼がきれいですね。

2011.11.03(Thu) 09:02 | URL | 伍さん|編集

Re: マコさんのコメントへのお礼
> これ,ジャブン!って水の中に入って,前足半分以上水につかっても平気ってことを書たかったけど、そう言えば文章おかしいよね。ごめんごめん。 ところで、一部読み辛いのことですが、マックではきれいに出ているので,ウインドウスの人に確認してみます。とにかくありがとう。けんv-16色付きの文字

2011.10.31(Mon) 18:56 | URL | すむらけんじ|編集

マコさんのコメントへのお礼
これ,ジャブン!って水の中に入って,前足半分以上水につかっても平気ってことを書たかったけど、そう言えば文章おかしいよね。ごめんごめん。 ところで、一部読み辛いのことですが、マックではきれいに出ているので,ウインドウスの人に確認してみます。とにかくありがとう。けんv-16色付きの文字

2011.10.31(Mon) 18:54 | URL | すむらけんじ|編集

人口内耳の記事は前のように大きな字体で、鮮明に見やすくなりました。

Hofy記事は、相変わらず読みにくい字体・・・・・(私だけ、そう思ったらごめんなさい) 所で
”洗面台の中で、前足をほとんど見ずに入って遊んでいる”という表現の意味が不明なのですが・・・
ワカランチンな奴メ~~と言われちゃうかな?

2011.10.28(Fri) 10:47 | URL | Mako|編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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