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sumurakenji52
sumura

猫の置物と戯れるホフィ。

すむら

ヨーグルトが大好きなホフィ。毎日食べてます。

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眠り続けた左耳・・・
71年後に『人工内耳』に挑戦する!(24°Story)


今年2011年、7月の半ば頃だったと思う。

毎週一回のLogopedia(言葉の訓練)から成果がほとんど出ず、僕に少し焦りが出始めていた頃。
手術したのは昨年の11月22日。Logopedia が始まったのが1か月後のクリスマスの前だったから、あれからそろそろ7ヶ月経っていた。

だがまだ,何の兆候も現れていないのだ。生まれたときから70年間眠っていた聴神経、脳神経なのだから、揺り起こすのにメッタ時間がかかるということは理屈では分かっていたけれど。

進歩するには友人や家族の強力も欠かせないのだ。
独り暮らし、出不精の僕が友人や知人にレッスンを頼み、何とか頑張ってトレーニングを続けていたが、成果は,ゼロとはいわなくてもほんの少々ってとこ。そのほんの少々だって疑いたくなるような微々たる進歩?


そんなとき、チロという男に会ってみようと思った。

チロは今年の1月補聴器店のドクター・エミリオの店で知り合った。

48歳のチロは片耳が3年前に行なった人工内耳であり、別の耳は強度の補聴器に頼っていて、数ヶ月後にそっちの方も人工内耳手術を予定しているという、もしかしたら僕の将来を暗示させる『大先輩』なのだった。

ところがはじめてあったとき、話していても彼の喋っていることを理解するのが大困難で、エミリオ氏の助けを借りなければならないほどだった。
sumura


チロは48年前,生まれたときから両耳が強度の難聴だったという。
4歳の頃から補聴器を付け始めたそうだ。

僕にとって『補聴器』という名詞さえ多分知らなかった40年以上もまえのこと、チロという幼児はそれを付ける過酷な運命にあった。

その頃の補聴器ってどんなものだったのだろうか。

僕が付け始めた、たった13年前の補聴器の性能は悪かった。補聴器の世界の技術おくれに失望した自分。

僕の判断では補聴器の飛躍的進歩からはまだ5,6年しか経っていない。
それは5年前に購入した、最後の(今装丁している)製品から分かったことだ。

チロのことだけど、40年前、幼い子供が補聴器をつけさせられても、どれだけ貢献してくれたかは疑問だ。
だから彼は一応話せるようにはなったが、正しい言語の習得まではいかなかったのではないか、というのがエミリオの意見だ。


さて・・・・
7月に会うときも、最初は電話を入れたがチンプンカンプンでさっぱり。
それでエミリオ氏から彼のe-mail アドレスをもらって、チロに会いたい旨を送ったら、即座に返事が届いた。
率直な人柄らしく,逢えたらとても幸せだという思いが文面にあふれていて、好感が持てた。

約束の日、ブリアンツァの指定の場所で待っていたら,携帯が鳴った。
チロからで、仕事の都合で時間と場所の変更があるとのこと。柔らかな飴のように変形された言葉のトーンを理解するまでまたまたひと苦労、アポイントメントを破棄して、ミラノにこのまま戻ってしまおうかという思いをやっとこらえた。

確信のないまま,多分ここだろうと,あるガソリンスタンドで待っていたら、彼がオートバイで現れたので、ほっとした。
ヘルメットを脱いだチロの頭に真っ黒な2個の補聴器が見えた。
それで両耳とも人工内耳になったことが分かった。

真っ黒い眼と刺のような固いあごひげだが、おっとりした感じだ。
笑うと前歯左が3本もないのが気になる。
両耳の手術のため800万円も健康保険でやらせたんだから、歯くらい自前で入れたっていいだろう?って言いたくなる。

2つ目の手術は5ヶ月前だそうだが、もういくらかの効果が現れているとのこと。
うらやましい話だ。

一般に手術して4ヶ月後には何らかの効果が現れるといわれている。
もちろん、ひと、人によって聴力の違い、難聴になった時期、補聴器の効力などそれぞれの歴史によって違うので、6ヶ月の人、それ以上懸かる人などさまざまなのだそうだ。

『そのうちにだんだんと聞こえてくるようになるんだよ。風の音、小鳥のさえずり、ネコや犬の泣いている声などさ。君にはまったく聞こえないのかい?』

ちょっと得意げな歌うような調子で話すチロに,正直とても辛い気持ちになった。
(お前だって、両耳が聞こえるったって、マトモには話せないじゃあないか)


『補聴器は奇跡的な躍進をしています。今、補聴器を必要とする人たちは幸運だというべきでしょう』

そんな言葉をインターネットで読んだ記憶がある。
チロが気の毒な気もしてきた。

「8ヶ月だな。8ヶ月たったら何か出て来るかもしれない」
チロが心なしおもおもしくいった。
なぜ8ヶ月を設定したのか分からない。
8ヶ月満期ということは8月末のことだ。あと1ヶ月半しかないのだ。
切羽詰まった気持ちのためか、チロの言葉が真実みをおび、予言のようにも聞こえた。(つづく)





| 日記風・猫ホフィと我が耳のこと | 01:12 │Comments11 | Trackbacks0編集

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コメント

Re: 始めておじゃま致します。
西さん。ご訪問、ありがとうございます。同じ悩みの方に読んで頂くのは嬉しいですね。
西さんのブログもゆっくりと富みたいと思っています。今後とも宜しく。k

2012.01.12(Thu) 03:51 | URL | すむらけんじ|編集

始めておじゃま致します。
聞こえのトラブルと、聞こえを保管する聞きについての悩みって
いずれも同じような問題を抱えているのですね。

これからゆっくり時間を掛けながら
良き先輩が書かれたブログを読ませて頂きます。

2012.01.12(Thu) 00:10 | URL | 西|編集

Re: ありゃ?
ネコママさん。やっと話が通じたようでひと安心。今日はこれで心地よく昼寝が出来そう。k

2012.01.03(Tue) 11:31 | URL | すむらけんじ|編集

ありゃ?
ごめんなさい、保険や障害者手帳を使わなければ、日本でもそれぐらいの金額なのかもしれませんね。
そこまでは考えておりませんでした(^^;
健康保険及び手帳サマサマです。

私は受けるかどうかはまだわかりません。
煩雑なことがキライな性分なので。苦笑

2012.01.03(Tue) 10:19 | URL | nekomama|編集

いえいえいえ
障害者手帳を持っていると、本当に10万円とかそんな金額ですみますよ。
人工内耳の手術を沢山手がけておられるお医者さんもそう説明しておられましたし、実際に人工内耳をつけている知人も何人かいて、そこから聞いた話ですから・・・。

以前は患者の医療費負担が1割のところへ手帳利用だったのでほとんど無料に近い金額だったのですが、3割になって負担もいくらか増えたものの、それでもかなり安い金額で手術を受けられます。
間違いないです。笑
なので、人口内耳の手術を受ける人が増えてきています。

慣れるための訓練や時々起こるめまいなどがちょっと大変なようですが・・・。

2012.01.03(Tue) 08:16 | URL | nekomama|編集

Re: こんにちは。
ぶち猫さん。嬉しいですよ。頑張ります。k

2012.01.03(Tue) 01:50 | URL | すむらけんじ|編集

Re: タイトルなし
明けましておめでとうございます。
おっしゃる通りだと思います。ちょっと意地悪でしたね。チロ氏との出会いはこの夏。これを書いたのは、正月前。実はもう1年も経っているのに効果が現れ多野かそうでないのか苛立っています。経過はちゃんと書き留めたいとおもっているので、今後も続けて書きます。今年もよろしく。k

2012.01.03(Tue) 01:47 | URL | すむらけんじ|編集

こんにちは。
すむらさんの絵を観ていると、本当に水の音や、小鳥のさえずり、子犬や猫の鳴き声が聞こえてくるような気がします。

猫と鳥の背景の空の色は、イタリアならではの青さですね。  (=^・^=)

2012.01.03(Tue) 01:31 | URL | ぶち猫|編集

Re: タイトルなし
さっそく人工内耳手術の費用のことだけど、今,インターネットで検索してみたら,日本でも約、400万円と出ています。ねこママさん,もう一度確認してください。イタリアの場合もほとんど同額ですが、国民保険で100%出ます。このブログでは、両耳、人工内耳手術で計800万円国民保険がやってくれたのだから、歯ぐらい自前で入れたら?とひにくったわけ。(ちょっと品がなかったかな?)自分としては,耳がこうなったのは仕方ないとしても、だからこそ他の部分は出来るだけきちんと処理をしておきたいと思う気持ちがあります。そう言う感性も人それぞれでしょうが。k

2012.01.02(Mon) 22:45 | URL | すむらけんじ|編集

新年、明けましておめでとうございます。

得意になったのではなく、『聞いているうちに分析能力が上がっていって、だんだん何の音か分かっている(聞こえてくる)ようになる』ということが言いたかったのではないかな?と思います。
言語習得期間に聞こえなかった方のイントネーションは皆と違ってくるのは仕方がないことなので、聞く方にしたら自慢調に聞こえてしまうことも。。。
私もオーストラリアの方が普通にしゃべっているイントネーションが尻上がりや途切れ調で、一見、意地悪なしゃべり方をされているように思えたりしました。
でも、カセットテープの朗読を聞いてみると、それも全ていじわるな?尻上がり調。。。それが何度も何度も聞き返して慣れて来ると、ごく普通の、皆がしゃべっているイントネーションになってきました。
少しでも音が入っているなら(記載からは受話器からの音が感知可能?と見受けられましたが)、これからの向上が期待できるので。。。お互い頑張りましょう。

新年が良き年になりますよう。。。

2012.01.02(Mon) 01:51 | URL | おあしす(人工内耳)|編集

本当にきれいな絵ですね。
大好きな絵柄です。

で、人工内耳に800万円???
あまりにも高過ぎやしませんか・・・。
もっとも、そんな高額なので歯を入れるお金がないのかも知れませんが。

日本だと、障害者手帳利用で10万円もしない筈です。(^^;

2011.12.31(Sat) 13:22 | URL | nekomama|編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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