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イタリア猫ショートショート<あと80話>
paradiso

パラダイスに猫は入れない

アヒルの夫「クェ、クエッこうな朝だね。またのんびりと一日が始まるんだ」
アヒルの妻「ほんと。すばらしい朝だわ。またのんびりと一日が始まるのね」

アヒルの夫「見てごらん。今日はこの島にいろんな鳥たちが集ってきているよ。ハト、カササギ、ホシムクドリ、カラスまで。ここはこんなに居心地がいいんだもの」
アヒルの妻「ほんとね。今日はいいお天気だから、いろんな鳥がいっぱい集ってきてるのね。こんなに居心地がいいんですものね」

アヒル・夫「ここはまるで天国だ。ここに永住しようかねえ」
アヒル・妻「同感よ。まるで天国。ここに永住したいわねえ」

アヒル・夫「クァ、クァ川を少し上ってみるかい?」
アヒルの妻「そうね、川を少し上ってみましょうか」

おんどり「いつも仲むつまじいアヒルさん、すっかり、コ、ココッこが気に入ったようだね」
めんどり「アヒルさんご夫妻は、いっときも離れないのね。やさしい旦那様。ウチの夫とは大違いだわ」
おんどり「コ、コ、これはあてこすりかね?」

アヒル・夫「一緒にいないと僕たちは生きていけないんだよ。」
アヒル・妻「そうなの。一緒にいないとあたし達は生きていけないの」

おんどり「昨日も、コッこの島のド真ん中で、あなたがた愛の営みやってたけど、迫力あったなあ。ココッちは目をそむけたい気持ちだったよ」
めんどり「お体が大きいから、目立っちゃうのね」

アヒル「いやいや、失礼。みなさんと同じことをやってただけのつもりだったけど。ケケッ軽卒だったかな?」
アヒル・妻「そう。みなさんと同じことやっていたつもりだったのに。思慮が足りなかったかしら?」

おんどり「まあ、いいさ。諸君の穏やかな風貌はこの小さな島に存在感を与える。我々鶏のようにコ、コッせこせしたところがない。ほら、またうちの倅がチャボを追っかけている。弱いものいじめはまったくなおらないんだ」
めんどり「いじめではなく、からかっているだけなのよ。チャボさんって小さくて可愛いから。ついからかってしまいたくなるのね」

あひるの夫「去年まで白鳥のご夫妻が仲間にいたって聞いたけどね」
あひるの妻「去年まで、白鳥のご夫妻がいらしたって聞いたわね」

めんどり「優雅で気品があって、評判のご夫妻だったの。いつも彼らを見るために川の向こうに人間達がいっぱい集って来たわ」
おんどり「白鳥夫妻も遠い国から飛んで来たんだけど、コ、コッこに住み着いてしまった。夫婦仲むつまじくてね。あんたがたのようにいつもいつも一緒。いたわり寄り添うように泳いでた。おくさんが肺炎になってあの世に行ってしまうと、旦那は急に衰えて女房を追っかけてあの世に・・・もう、そろそろ一周忌かな」

めんどり「お葬式も盛大だったの。川の向こうに村長さんも出席されて、となりの街のチェロ弾きをよんで、サンサーンスの『白鳥の死』を演奏したりね。姿の美しいものは得ね」

アヒル・夫「素晴らしい話を聞かせてもらった。僕も女房が死んでしまったらそうなってしまうだろう」
アヒル・妻「素晴らしいお話ね。あたしも夫が死んでしまったら、同じ運命ね」

鴨のおかあさん「(雛を従えて川から這い上がってくる)ああ、いい運動だったこと。上流の小グアッ校の方まで上って来ましたの。今日は日曜日なので静まり返っててね。そこでちょっとお休みして戻ってきましたの。うちの子供達がときどき列から離れて道草をくうので気を使ったけど」

ハト「でっかい真っ黒な猫がいるから気をつけないと。ポッ、ポッ、ポくの友達も、あのクロ猫に食べられちまったんだよ」

鴨のかあさん「わかってますよ。川の草かげで、あいつがあたし達を待っていたのよ。なんて獰猛な顔つきなの?でも、手がでまくてグアッかりいらいら」

ちゃぼ「噂をすれば影。ほら、クロのやつもうコッこに来てるよ」

クロ猫「(金網の外から猫なで声で)諸君、お早う。随分楽しそうに話がはずんでいるけど、ニャンの話なの?仲間に入れてくださいな。いつも一人ボッチでさびしいんだ、ボク」

おんどり「コ、コッここは、羽のある者だけが入れる天国なんだ。コッこに入りたければ、まず、神様に羽をつけていただくんだね」
めんどり「そして、その尖った牙と爪を削りとってしまわないとね」
ハト「そして、みんなが眠っているときに、冴えてくるその目玉を取り除いてしまわないとね。夜はポッ、ポくらのように眠る習慣をつけなくれないとね」
鴨のおかあさん「少しは水泳の練習をしてみたら?」

クロ猫「(急に悪魔の形相になって)ギャーオ、黙れ!バカな鳥たちめ。ああ、お前らを1羽残らず平らげてしまうのが、オレの生きる望みなんだ。仕方がない、ハトの肉は臭くてまずいが、ちょいと教会の広場まで足を伸ばすか」

女の子「(遠くから)クロちゃーん! どこ? どこにいるの? 返事してェ」
クロ猫「(甘えた声で)ミヤーオ」http://fc2.com/contest/

人間の女の子「まあ、クロったらこんなところにいたの?(抱いて頬ずりしながら、)道に迷ったンじゃあないかと心配してたのよ。外は危険がいっぱいだから、お庭から出ないようにいつもいってるのに。さ、帰りましょ。朝ご飯の時間よ。あんたのダーイスキな仔牛と胡桃の実。うれしい?」

クロ猫「(甘えた声で)ミャーオ」

女の子「そんなに,あたしの顔なめないで。くすぐったーい。クロちゃんってなんて可愛いのお?」(K)

| 猫.cats,gatti 100の足あと | 09:00 │Comments0 | Trackbacks0編集

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すむらけんじ

作者: すむらけんじ
ミラノに住む広告イラストレーターです。このブログは今まで飼った猫、今飼っている猫のことを綴ったものです。
作者は左耳は生まれつき難聴にかかり、人口内耳に踏み切るまでの耳の歴史、未来のことなども連載しています。

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